窓辺の思考
ただのみきや

彼女はピアノの歩調
酔ったように濡れながら
街角を幾つも曲り公園の
裸婦像の前

肉と骨の鳥籠に
冷たい火ひとつ
切りつけるナイフではなく
やわらかな雨

胸のジッパーを下ろす
煙のように吸い上げられる
メロディー 空は

傾聴し 忘却する
甘い痛み
足元からひとつ拾って



          《窓辺の思考:2019年4月7日》







自由詩 窓辺の思考 Copyright ただのみきや 2019-04-07 12:40:33
notebook Home 戻る