指の形を覚えている
緩やかな節への流れと
その静かな温度を

ある日私の地平の向こうへと
吸い込まれていった
橙の夕暮れも透明なカラスも
かつてはその指を知っていた

今は置き去りに ....
流動する記憶

見えないものの中で感じるいくつかのこと

痛みは遠い記憶に重なって静かに座り込む

知っているその感覚に仕方なく私も座り込む

うずく固まりは忘れかけている孤独の影を映 ....
      
ここから見える景色は
いつも同じで
夕日が沈む頃になると
誰かが食事を用意してくれる
      
食べる物には困らないが
自由がない
いつかこの狭い空間から
逃げ出そ ....
霞みの径がいくつかに枝わかれして
闇は星運きに尋ねられるくらい澄んでいたから
夢をどこまで昇れば神さまに会えるのか思いあぐねた
うまれ始めた虹をいくつか過ぎる夢
きのうの歌を唄う夢
大気をよ ....
確かに通り過ぎていく時間と 多すぎる人々
その中から 出会えてココにいる 奇跡
全てが 未来へと続く偶然


心って素直になろうとするたびに
そっぽを向いて
伝えたいこと 伝わらなくて  ....
 
 
まだ夜の明けないころ
街は少し壊れた
機械の匂いがする
昨夜からの断続的に降る雨が
いたるところ電柱にも
あたっている
いくつかの窓の中には
ささやかな抵抗と
使い古された ....
詩を詠おうと鏡の前に立ち
増えた白髪の数を数えた

擦り抜けた散り散りの感傷が
部屋の片隅で溜息を零し
歯に噛んだ笑顔を向けてる

捧げたい言葉があるんだけど
きっと哂い無しでは生まれ ....
十年ぶりのあなたを見て
すこし寂しくなりました

わたしが
紅く染まり
散っていくさまを
じっと見ていたあなた

その輝かしい憂いを失い
探しているように感じます




 ....
高い所から見下ろした街には
やさしさ みたいな光が
たくさん走っている
その一つひとつが
ゆっくりと目蓋を撫でて
今日の寒さを忘れさせてくれる
どうしてだろう
遠く離れてみた方が
 ....
泣くな屍
乾き始めたその目の変わりに
俺が大きな涙を流してやる

お前は遺体
もう人ではない
身体の機能に欠陥などなくとも
脳に損傷などなくとも
動かす何かが抜け落ちた

冷たくな ....
あの角を曲がると
地平線の見える公園
二人が若い頃
いつも待ち合わせした
白いベンチ

あの頃語った夢と
想像した未来
ちょっぴり違っていても
私は幸せ

あの時私は…
遠 ....
未来とは

刹那の最果てのことである

未来とは

刹那のはじまりのことである

未来とはつまり

現在、という

この一点に包含され

現在、という

この一点を包含 ....
1枚めには
あなたに会える喜びを
風に吹かれて待っている

2枚めには
悲しみが潜んでいる
私のことを忘れないでいて

3枚めには
胸いっぱいの愛を
あなただけにあげるの

そ ....
胸は
すぐに
いっぱいになります
それゆえわたしは
多くを連れて
行けません


あなたを
はじめて呼んだ日に
こころの底から呼んだ日に
海は向こうになりました

永 ....
過保護な獣は病みやすく
保護なき獣は
{ルビ傷=いた}みやすい

野に{ルビ棲=す}む者よ
たがいの{ルビ荒=すさ}びが
見えないか


涼しさ寒さは紙一重
闇夜も夢も
紙一重
 ....
空がこんなにも 開けて
甘い曇天が ひっそりと退くと

天空から秋の雲が垣間見え
私は視線もろとも 空へ 飛び込んでいる

空中を滑空する 夢
この秋空のなみなみとした 胸

陽光の ....
いつの間にか
風は冷たく
木の葉が色づき
貴方の周りは
ひと足早い秋

この空と大地は繋がっているのに
貴方と私の心は
手を離れた風船の様

渇いた心、募る思いを
鞄に詰め込 ....
かきあつめて かきあつめて
真空パックにして送ります。
半年後の私に。

桜が散った頃に、
ふうを切ってあけて かいで。

いやいや、ポテトチップスのふくろみたいに、
ぷっくりまるくし ....
溶け込んで

溶け込んで

吸い込まれて



求めて

求めて

集めすぎた
おはじき



土の柔らかさは
幼少に還り
セピアの草原は
少女に歌を教え
風と恋をした木々は
乙女に夢を託した



 ....
僕の
頭の上で

機嫌を損ねた
灰色の空が

意地悪そうに
雨を降らせる瞬間を
見計らっている

僕は
被った帽子を
顔の半分まで引き下ろして
小さく
舌打ちをしたけれど
 ....
{ルビ海鳥=うみどり}は
{ルビ淋=さみ}しくないて いますよと
波間のふねを
そよ風が
帰っていって 透きとおり
なき声ひくく羽ばたいて

夕べの斜陽が今朝方に
燃え映ってしゃらしゃ ....
こころから溢れてくる そのままの言葉を

あなたの胸に届けたい 形を変えずに伝えたい

季節の流れ 秋は歌う 木々は色づき 秋桜 咲いて

涼しい風は爽やかで 何処からともなく鳥の ....
逃げ場所は どこだ
酒かタバコか 男か女か

逃げ場所は どこだ
週末か未来か 妄想の中か


声をかけて張られるバリア
視線そらさないで ホント凹むから

そんなに僕が嫌いか ....
書けない言葉の奥の
足りない夕日の中に
今も聞こえている風景がある

諦めたその視線に映る手のひらと
日々表情を変えていく ベランダの空

懐かしむかわりに そっと靴を履く
今の僕らな ....
僕の右手が
何度も触れようとした、空の隅っこは
夕凪に吹かれて
いつも少しだけめくれていたのを
僕は、微かに覚えている。
 
 
その話を
黙って聞いていた君が
急に、眠りにつくだな ....
苛烈な夏の記憶で、まだのぼせている頭を
しとしとと冷ましてくれる午後の雨

熱いアスファルトに幼子が撒く打ち水のあわれ
小さな木陰からはみ出た肩を焼かれながら涼む老婆
グランドで叫ぶ少年 ....
前に来たときは

僕の知っている
道だった。



やがて

僕の友達が
やってくる
さよならをいいに



友達は
この道を行くのだ


さよなら

さよな ....
それはきっと

お月様
木漏れ日
嵐の夜の海
森深くにある空気
金木犀の薫り
我が子の寝息
君と触れ合う指先の
ぬくもり

当たり前にあるすべて

当たり前じゃない

す ....
灰色のコンクリートには
ない、ない
としか書かれていなくて

薄紫色の夕暮れには
さあ、さあ
としか書かれていなくて

茶色の地面には
まあ、まあ
としか書かれていなくて

青 ....
椅子の並んだ暗い部屋
映写機の背後に立つ人が 
かちっとスイッチを入れる 

 闇をつらぬくひかりの筒 

スクリーンに映し出す 
交差点を行き交う 
無数の人々の足 

試写室の ....
1486 106さんのおすすめリスト(3930)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
指の記憶- 松本 涼自由詩607-10-12
流動する記憶- mayaco未詩・独白3*07-10-12
自由の代償- @ショコ ...自由詩307-10-12
書簡- soft_machine自由詩4*07-10-11
Next- 桐野晴自由詩307-10-11
拝啓、君は元気ですか- たもつ自由詩36*07-10-11
ただ抱かれて眠りたい- 松本 卓 ...自由詩307-10-11
花詠残影- 悠詩自由詩4*07-10-11
やさしい人- Tsu-Yo自由詩507-10-11
相棒- 木屋 亞 ...自由詩1*07-10-11
地平線の見える公園- @ショコ ...自由詩207-10-10
未来- 吉岡ペペ ...自由詩407-10-10
クローバー- 未有花自由詩11*07-10-10
肺呼吸- 千波 一 ...自由詩27+*07-10-10
野に棲む者- 千波 一 ...自由詩8*07-10-10
朝に空を見上げて- アハウ自由詩807-10-10
冬が来る前に…- @ショコ ...自由詩207-10-9
小包- Souko自由詩307-10-9
散歩- 見崎 光携帯写真+ ...2*07-10-9
気ままな散歩- Porter自由詩2007-10-9
ある港によれば- こしごえ自由詩8*07-10-9
秋の朝- 和泉蘆花自由詩107-10-9
どこに手を伸ばせば繋がる手があるんだろう- 北大路京 ...未詩・独白10*07-10-8
風景が、聞こえる- 自由詩9*07-10-8
夕凪ノスタルジア- 山中 烏 ...自由詩7*07-10-8
秋の雨- いねむり ...自由詩207-10-8
せめて空なんて飛ばずに- 佐藤伊織自由詩3*07-10-8
kamisama- こころゆ ...自由詩7*07-10-7
人生ノート- 小原あき自由詩24*07-10-7
空の映写機_- 服部 剛自由詩607-10-7

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