目の前にあるのは
二次元に描かれた幻想でしかないのだが
見る、という視覚に限定された感覚だけでなく
描かれた全ては私の脳に語りかけてくるようだった
ルーベンスの絵が見たいと呟いた私は
し ....
今日も雲が多いね
君が言うけど
雲があるから
太陽の存在が大きくなるんだろ?
一見
太陽の光を遮断したように見える
雲でも完全には遮れてはいない
だから君は空 ....
走ることは
ほんのすこし
歩くより早いだけで
大地に触れる回数は
結局少なくなってしまう
走るということは
触れないということか
月はやっぱり見えなくなる
世界から消えようとす ....
一人佇む夕暮れに
春を呼ぶ風通り抜け
時の移ろい見えたなら
春待つ喜び湧き出でて
畑の中の土を見る
土の匂いは春の声
歌はなくともリズムあり
その鼓動は夢語り
遠い空まで飛んでゆく ....
理屈じゃないんだ
理屈じゃ割り切れない
それを恋と呼ぶのは
間違っているのだろうか
あの瞬間に
あの言葉に
....
氷壁からは北風の怒号
密林からは原木の咆哮
荒地からは枯葉の乱舞
吐息は此岸ののりとに変わり
のりとは彼岸の呪いとなって
真っ黒になった耳かざりを震わす
そしてタナトス ....
彼はそこにひとりでいた。しかしそこにいたのは彼ひとりではなかった。
その屋上プールではたくさんの人間が半裸のまま死んだ魚のように浮かんでいた。
それは誰かが水中に劇薬の類を流しこんだからに違いなか ....
見上げた空は清々しいとは程遠く
目の前には道もなく崖が続いている
こんな心の中にも色々な言葉が渦巻き
足元は何もかもが混ざり合っているのが
透けて見える
選んだのは自分それでも引き止 ....
実は昨日で18になって
実感がないまま今日に なったわけですが
変ですね
二年前 死んでしまったあなたは
まだ 22のまま
なのに私はもう18
おいついちゃうよ
....
気に入りの
花模様の傘の
模様の部分が
随分と手垢で黒ずみ
若くない自分は
その傘を持って
真剣な顔をして
駅へ急ぐ
自慢の大股歩き
いまだに
何処にも到達せずに
いろんな誰 ....
漁り火が漁船の真ん中で燃えている
ほうらもうすぐ魚達が集まってくる頃だ
投網は十分前に投げておいた
暖かい光に師走の魚達は引き寄せられてくることだろう
腕組みをして魚を待っているおじ ....
トラブル続きの僕を支えてくれたのは
一度縁をきったはずの友人だった
初詣にトラブル事に巻き込まれません様にと
願を掛け何度か神社に足を運んだ
神様と宗教は信じていな ....
苦しいからもがいていたんだよ、悪い?
雑音が多すぎて耳をふさいでいたの
だからあなたの言葉なんて聞こえてなかったわ
缶コーヒーをぐっと飲み干して
かっこよくくしゃくしゃに潰した ....
これまでは恋人
今日からは友達
今は悲しみの方が勝っているけど
大丈夫だよ
心配しないで
決めたのは私
受け入れたのはあなた
楽しかったわ
....
春の代名詞
長い長い冬の寒さに耐え抜いて
温かい春を待ち望み
綺麗な花を咲かす
まるで
寒さに耐え抜いたすべての生物を
祝っているかの様に
しかし
その花も長くは続 ....
どこか遠くへ行きたい
どこでもいい
歩きではなく
自転車がいい
遠くへ行けるだろう
速く進めるだろう
風を感じるだろう
風を切るその瞬間が大切だから
どこか遠くへ行って
道に座っ ....
そこまで古くもないのに
とても遠い思い出の中でしか
もう息づいて居ないと思っていた
小さな居酒屋の中で
六年ぶりに合わせた顔達は
どれも少しだけ年老いていて
それでも変わらない声をして ....
いくばくかの希望
希望を泳ぐ
だれかの傍観者
だれかの人生、その舞台
はやく咲いた梅の花
素直に愛でることを忘れて
新しくできた喫茶店
ぼくは韓国のひとが ....
争いは終わったよ
もう戦わなくていいんだ
いろんな人の血と血が混ざり合って
大地を染め上げた
みんなおんなじ色だ
ただ真っ赤に
ただ朱に
混ざり合って誰の血か分からない
....
扉が開く
扉が閉まる
最後の客人が去って
君の誕生日は終わる
ソファーに残ったやさしい温もり
弾けないピアノ
吸えないタバコ
ところで
光より速いものが存在しないのならば ....
いつもキミは毅然と
肩で風を切って歩いていく
キミの碧い目は
まっすぐと前を
揺ぎ無い未来を見据えて放さない
キミが言葉を発する時は
頭の中でよく考察した
....
ごめんね
誕生日も
星座も
忘れちゃったよ
だって生まれた日に惚れてたわけじゃない
ごめんね
血液型も
下の名前も
忘れちゃったよ
だって名前に惚れてたわけじゃ ....
グラウンドを白線が伸びあがり
休日の足跡をふまえるとき
光線はオレンジの斜面を傾ぎながら
予定の収穫を浚おうとしている
土の内部から気泡が生まれて
倒れた彼女を包み込んだけれど
それは ....
夕焼けも闇に染まり
少し先の道も見えない
自分の前を歩く人の足音を頼りに歩く
アスファルト特有の硬さに安心した
後ろからは僕を急かす様な声がする
誰かが苛立ちながら僕が歩くその ....
その日曜の朝
世界は僕らを迎えに来た
君は犬を放し公園ではしゃぎながら
犬の首輪を世界にかける
陽だまりの中に寝っころがり
お気に入りの文庫本の好きなページを開く
太陽の光 ....
ふとあの日の自分に誘われて
学校に足を伸ばした
理科室
実験をして失敗してる
あの子がいた
家庭科室
裁縫をして指が絆創膏だらけの
奴がいた
体育館 ....
もう墓標を背負う男は飽きただと
俺はちっとも飽きてない
まだまだ言いたいことは沢山あるし
第一墓標が立ってねえ
だが女たちに言わせたら
俺の言葉遣いはいかにも男を演出してるっぽくてムカム ....
蒼い空を背景に
独り歩き続ける
足元には踏まれた
蒼く染まった薔薇
悲しみの無い心を探して
迷い始めたのは過去
今を見失った
孤独の扉を開放する
-BLUE ROSE-
誰も ....
あの急な下り坂で
自転車のペダルから足離して
猛スピードで駆け抜けた僕等
どっちが早いか競争中
なんていう最初の目的忘れて
風をきる感覚に二人して溺れた
それから
競争だって言っ ....
たった一言なのに
たった数秒の出来事なのに
暗闇に突き落とされたり
天国に舞い上がったり。
永遠に引きずったり。
貴方の一言一言があたしの心には収まりきら ....
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