うららかな新春の陽
罪深い右手をかざす
神とは偉大なもの
すべて必要なものは与えられてる
新たな旅立ちの準備を整え
道端の野草ひっそり見守る
綱でくくられた生活
生きてい ....
甘過ぎず
でも 決して
苦くは無い
そんな ミルクな
可愛い恋も好きだ
けれど
甘く無く
でも 決して
苦過ぎない
そんな ....
お風呂に浸かって
六十兆の細胞を丹念に洗いつくす
明日消えるものには別れを
新入りの細胞には洗礼を
すべての細胞を磨き終えたら
今日も一日が終わる
さよならした細胞
初 ....
強く願ったはずのことを
もう、忘れてしまっている
一年前の自分たちを窓から次々に捨てると
とても身軽になれることを知った
ポケットを裏返しても、もう
何も出てこない
ささくれがどこかに引っ ....
幸せになりたかったと彼女は言った
たった二十三歳で、早くも全てを諦めようとしている
お前よりも苦しい人がいる
お前の五体は丈夫だが、あの子をご覧と人が言う
彼女にその声は届かな ....
俺はちょっとした基地外ってヤツで
知ってるだろ
時々オカシクなっちゃうのさ
ガール
ガールガール
俺の世界を知ってるだろ
ピーナツバタージャムチキンツナサンドイッチ
山葵醤油辛子生魚 ....
本当はあれが欲しい
昔風の、赤いトースター
あれに、真っ白真四角の
スーパーのパンを入れて
しばらく待ってると
2枚一緒に
「パンッ!」と顔を出すのが
心憎いから
でも ....
青く光る宝石
透明で輝いて綺麗で
命を大切にする石
全てを吸い込む
悲しみも
嬉しさも
寂しさも
楽しみも
気持ちを全て吸い取り
石にしてくれる
素直に正直に
話せば、石 ....
冬の寒気が細く伸びて
岬の先のほうへ
鋭く尖っていった
遠くで生まれた赤土の丘が
最後に海へこぼれ落ちていく場所で
わたしの そしてあのひとの
フレアスカートのはためく裾から
なめらかに ....
今の瞬間を繰り返しながら
生き延びているだけのこの姿は
その小さな四つの瞳に
どんな風に映っていたのかな
幼い頃から何度も摩り替えつつ
一つを否定して一つを肯定して
いつしか永らえるだ ....
山の中の湖は
冬の空を見上げていた
晴れた空は気持ちいい
葉の落ちた周囲の桜は
寂しいけれど
光がその分入ってくるので
むしろその方が都合がよい
うんと背伸びをする
湖面が揺れ ....
まだ遅い 朝に
ミントを少し
香らせて
最上級の糖分と
平凡な水で 溶くの。
溶けて 沈んだら
最後に
5文字をくゆらせて
そっと
僕に ....
今日はのんびりと家族団欒だ
朝早く起きおせち料理を食べて
皆で箱根駅伝を見る
昔から箱根の山は天下の険
と言われるほど険しい山々が立ち並び
昔は温泉地、関所、 ....
かいちゃんはくつしたが大嫌い
はかせても はかせても
脱いでしまう
そんなにくつした嫌かなあ
確かに裸足は気持ちいいけど
今は冬
君のあんよが真っ赤なのを
ママは見るにしのびないんだ ....
圧倒的
壁
らしき詩。
それはたちまち
僕らを包んで
夜の闇へ
放り出す。
泣き声は聞こえないさ
"Don't forget me."
....
恋い憂い
慣れた瞼に引く線を
やらかくなったと
母が微笑む
小春日の
朝その記憶胸に秘め
ともに嫁いだ三面鏡と
恋い憂い
朱をさす頬に
触れてみる
秘事は睫毛の
....
あなたが私を食べたいと言うものだから
服を脱いで綺麗にクリームを塗りつけて
真っ白な皿の上に乗って待って居たのだけれど
なかなか来ないので
これじゃ余りに色気がないのかなと
レタスやらキャベ ....
死んでしまえ
そう誰かが言った
死んでやる
そう誰かが言った
命は一つだけで
生きていれば
確実に死に近づいていくのに
どうして 死ねと言える?
「死ね」と言われた人の
心を ....
焦らずに
焦らずに
道は長くても
道は消えたりしないから
道に沿って
君を見守る花がある
ゆっくりと
ゆっくりと
夢は大きくても
夢は消えたりしないから
夢に沿って
....
スライムお前は
ぐにゃりとしてて
すねているようにも見える
ドロドロとあふれ出そうで
あふれ出ないもどかしさ
固まったまま じっとする
ああ憎たらしい
ああ憎たらしい
ワゴ ....
身から出た錆を舐め、血の味を知る
路上に浮かぶ陽炎と蜃気楼
鋼鉄を纏った人々と八畳間の唯我帝王
冷め濡れに笑っている・・・
汚れ知らぬ糞どもと頽廃思想にブラボー
血の流を求める ....
長い人生とゆう旅路の中で
人は様々な生きようを遂げる
悲しみは雪のように降り積もるけど
喜びは長くは続かない
楽しみも同じで
苦しさは長続きするけれど
....
死は、私にとって
小さな頃から身近な存在だ
産まれてから
喘息発作で死にかけて
何度となく入院し(記憶にはない)
幼い頃に
弟や父親の死というものに直面した
看護師の職に就き ....
哀しみが河の流れのように
続いていくとしたら
流れはどこまで
どこまでいくのだろう
喜びの大海へと
注ぎ込むのは
いつの日のことだろう
哀しみが星のように
またたくとしたら
輝き ....
強制終了しようとしたら
フリーズしてしまった
8年前からずっと
宙で止まったまま
地面にさえ
たどり着けない
自らの足で大地に立つ
風の香りは
今ここに自分が存在することを
意識させる
自らの手で大地を{ルビ掬=すく}う
土の匂いは
今ここに自分が生存することを
認識させる
自らの目で ....
はるをいたみながら
ひとつ、指を折り
なつのまよいに
迷えないまま
指折りは、
ふたつ
みっつ、を数える指には
こころならずも
あきがなついて
ちからずく、のよう ....
人と人
理想が異なるから
諍いは絶えない
人は増え過ぎた
神はどうするのだろう
生まれてきた目的も違う
見る景色も違う
性別も違えば
歳も違うし
顔形も違う
....
文句を言うんじゃなく
嫌なことがあったら
それを変えたら良いんだよ
むずかしいかもしれない
だけど努力をしないと
手に入るものなんてなにもない
Change it
本当にありがとう
....
目が覚めて
階段を下りたら
まだ雨戸の開いていない
暗い部屋の食卓に
お{ルビ節=せち}料理の重箱が置かれていた
「 寿 」と書かれた紙に入った{ルビ箸=はし}が並ぶ中
ひ ....
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