砂浜からおーいと呼ぶけれど
友だちはもうみんな遠くへ行ってしまった
かもめかと思っていたら
船だったので
白い帆はどんどん小さくなって
水平線の向こう側へ
目的地が ....
小さな塵が蒸気を集めて
やがて雨になっておちてくるように
僕の小さな悲しみを
あなたが優しくくるんでくれるから
ほら
こんな簡単に泣けるのを
僕は雨のせいにしている
五月雨た空が悲しい日、
君は誰かに捨てられた猫のように
俺を求めてきた
都心のベッドで戯れて
埋まらない隙間に二人、
必死に何を詰めていたのだろうか
*
お前の一 ....
本当はあなたが生まれたときに
おめでとうと言いたかった
私の知らないあなたの時間に
こんなにも嫉妬しながら
また季節を一巡りして
出会えた感謝を伝えたい
公園のブランコの影がのびて
....
地に足が着ききらない物語
表面にとどまる心象描写
もっと深いところがあるんだ
と
したり顔で批評するのは
簡単だけど
人の声を得て
人の身体を得て
息を吹き返した言 ....
空を切る
豊かな梢
水色が蒼くて
空が悲しんだ
母のわだち
面影は
追いこす光
空を切る
豊かな梢
水色が蒼くて
空が悲しんだ
東京の街に出てきましたという君がうらやましかった
*
そこにある建物が
中学2年生のころの記憶となくなってしまう
電車通学の
黒光る学生服が世界との接点だったころのぼくらに
溶けて ....
いつも答えを探してる
路上の白線の上
電車の床下
人工の護岸
森を吹く風
だけど
最後の答えは
世界中のどこでもなく
この脳の中に生まれる
与えることと求めること
その間の
不確実さに揺さぶ ....
目を追った先の、
飛行機雲が描いた、
初恋の計算式
イコールが、ひとりぼっち
わたしは駆ける
みずいろの自転車に
またがり
草風がその前輪に巻きつき
死んでゆくのだけれど、
だ ....
<髪>
額にかかる倦怠を
耳元でうねる躊躇を
きっぱりかきあげて君は
さらさらと綺麗に笑った
<目>
ホントを見過ごしてしまったり
ウソを見破れなかっ ....
誰もいない
冬の海辺に
かもめが
飛んでる
えさを
必死で
さがしているよ
かもめが
休んでいる
みんなで
羽根を
休ませてるよ
なにかを
思い出したかのよう ....
君がいれば もう私は詩を書かなくて済むかもしれない
という素敵な詩を書いたのだけど
君がいれば もっと素敵な詩が書けそうだという もっともっと素敵な詩が生まれたので
ここにご報告 マデ
....
夜中にテレビを
消音にして見ていると
隣室から
パチッ。
という何かのスイッチの
音が聞こえた
5分後
バラエティ番組を映す
テレビ画面の上部に
速報がながれた
ひとり死ん ....
{画像=080805022047.jpg}
掴まり立ちする息子を支え、
私に振り向く妻の肩先に思い出す情景がある。
思い出すとあの日私は
父親の傲慢な仕打ちに猛然と腹が立ち、
押し入 ....
膝に水をためた
母は手術で水を
抜いてもらった
肺に水をためた
父も手術で水を
抜いてもらった
誰にでも
水がたまる
時がある
人は誰もが
抜いてしまいたい
水を持っ ....
月を見ていたら
涙も
涙まじりの鼻水も
潮の味がしたから
海で生まれたこと思い出した
風は漣
木の葉は波音
空は海原
雲は島
月は
ぼくらを導く灯だ
....
遠い日の君の面影は僕に何を
伝えているのかな僕にはわからない
最初から僕らが出逢ったことに
意味などないなんて言わないで
きっと側にいることがすべてではないけど
でも側にいるほど君は遠く ....
EF55の復活↓
{画像=080804150208.jpg}
レールがあると列車が走る。 そんな気持ちにさせられます。工具店には金敷用にレールを10cm位に切ったものが売ってます。ロ ....
夏の始まりはいつも目が覚めると
私の視界はぼやけていて、ちょうど海の中で目を開けた時の様に、視界がゆらゆらと揺らめいている
足元は雲の上を歩くようにふわふわと足場が悪い
時折私は雲と ....
私達は炭酸水の泡のように
ぷつぷつとガラス瓶の底から立ち上ってゆく泡のように
生まれてすぐに吸い上げられるように駆け
天辺を転がって弾けてしまう
たまに大きなのがいたり
派手 ....
いつかの
茜空。
うろこ雲は
何も語らず
ただ
漂って、いる
徐々に
唐紅を
纏いながら
ただ
漂って、いる
澄んだ夕陽が 麗しく
私の光る爪が
....
そんな日は
きみが
こわれちゃいそうだから
誰よりも強く
抱いてあげたい。
そこにいて
なんて言わないから
歩き疲れて倒れる前に
きみの手を握って
笑えたら い ....
白い風が高くから落ちてくるから
静かなる木々は光を持て余してざわめいた
浮かされた心はじわり汗ばんで
翳る度にいつかの幻を見る
この空の蒼さは罪を隠すかな
咲き誇る花の色はただ
....
揺れる大空を
手のひらで掬ってみた
零れていくのは
昨日までの涙
真夏の炎天下の昼間に
涼しくて気持ちいい
この飛んでみたくなる水色を
ごっくん
今日は
とても
暑い
夜風に
吹かれて
風鈴が鳴る
「チリーン チリーン」
家の窓につけている
風鈴は
風にあおられて
くるくる
回っていた
夏も終わろうと
して ....
1.
まだ小さな姉妹たちが
夜明けの色をした色鉛筆で
たくさんの羊の絵を描きながら
うとうとしていたら
一匹目の雄羊が
夏の部屋の小さな黒い空を
食べ始めました
たいへんお腹が減っ ....
親友の奏でる
「久しぶり。」
なつかしい声、
じん‥とくる
彼の奏でる
「久しぶり。」
なつかしい声、
じん‥とくる
祭りの夜は雨でした。
カメラを片手に
あなたを探して
緊張を撮影した私
ぼやけた色とりどりの風景に
あなたはいない
溜め息を雨粒がさらってゆきました。
意味の持たない写真達
....
自分が何者なのか
まだ分からなかった頃
なだらかな猫背の丘の上の
手のひらの形をした大木によりかかって
毎日のように雲を眺めていた
飽きもせずに眺めていた
いわしはうろこが剥がれた ....
白いボードを指さして賢者のフリをする
希望という字を探してみても結局はあれだ
僕の腕を支えているのはそんなまやかしではなく
他ならぬ自分だと
遅かれ早かれ気付いてしまうから
時折、こうし ....
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