二等辺三角形の鋭利の角度は
圧迫された空間に横たわる
平穏の日常までが揺れている
溢れた人命の数と延髄の覚醒
言葉はもはや暴力であるが
沈黙もどこかそれに似ている
都市はやはり欲望の結 ....
凍える肩を震わせて
傘の柄をつかむ手はかじかみ
降りしきる雪の中を歩き続ける
もう少しでたどり着く丘の上には
梅の花が咲いているだろう
犬に吠えられようと
何度も転びそうになろうと ....
万雷の拍手浴びて
荒野を行く俺なのさ
足もとが定まらねえ
だれと戦うのだろうか
風が吹いている
だれと繋がれるのだろうか
白黒の月の道化師
主役じゃないの ....
僕は人間的でありたいなんて思わない。
人類の一員という言葉が、あまり好きではないから。
僕は僕らしくありたいなんて思わない。
僕らしさが、僕を窮屈にしてしまう気がするから。
僕は風でありたい。 ....
朝焼けが目に染みる。
夜の魔法がゆっくりと溶けてゆく中、
寝ぼけた国道がやけに青白い。
心にゆとりがあるようだ。
夜と朝の境目の時間。
僕は一人車を走らせる。
バイク ....
私の心のなかに
しんしんと降り積もる雪
闇にうかぶ街明かり
温かさの中に
喜びと悲しみが見える
風化した心象風景
時の流れと共に傷ついたもの達
悔みはしないさ
傷痕は生きてきた証だから ....
歯車が鈍く動きだす
たいして動きもしないが
上に楯突き
下からは誤解され
誤解?
だれを護る?
なにを護る?
階段を上りかけ
まぼろしはまぼろしだ
....
深く眠って目覚めた朝のゆびさきは
少しまだ透明がかって
夜が
見えかくれしている
動いている心臓は赤い磁石
覚醒してゆく時間に
わたしのかけらを
元在った場所に吸い寄せて
願っ ....
心を込めて
力を入れれば
際立つやさしさ
心を込めて
力を抜けば
際立つ美しさ
心を放して
力を入れれば
際立つ激しさ
心を放して
力を抜け ....
戦いが終わり
今まさに戦火が消えようとしていた
惹き寄せられた私たちは
いつしか愛の戦いをはじめ
それは各々の自身との戦いでもあったが
動員された兵士たちは三々五々
ただこの戦火が ....
やがて過行く駅を見て
電車の音はごとごと揺れる
何時もより大きく響きながら
今日はやけに疲れるなぁ
通り過ぎる人の呼吸が
白く見えるのも
冬のせいでは無くて
やけに見開く眼光の奥にあ ....
浮上した潜水艦で灰色の海原をゆく
索敵されなければ帰れるかも知れない
よくある話だ
紛争地帯から戻ってきたカメラマンが
青信号の交差点で車に突っ込まれるなんて
たとえ港に ....
橋の向こうの
躊躇いの波音の隙間
流れゆく煙の外れに
眩いばかりの船が1隻
ゆらり
ゆらりと
日が沈むように消えていった。
耳につく
騒音と喧騒は、 ....
対岸の小さな明かりたちを
こぼしたビーズのように拾い集めている
たぶんもう二度と、永遠に来ないだろう完全な夜のことを思う
いつだってやり直したくなった頃には潮が満ちていて
もう引き返せない ....
歴史は繰り返すと言うけれど
僕は僕を繰り返さない
繰り返せない
たった一回こっきりの長くてあっという間のワンゲーム
今年は良くもあり
今年も悪かった
「まあまあだ」
ワンゲームを終え ....
あの子たちは軍服で
店にやってきた
礼儀正しくテーブル席に座り
人数分のテネシーを注文した
マスターは身分証のことには触れず
「お前たち幾つになる?」と言った
「20です。来年には」
....
今夜は淋しいよ
いくつもの夜に独りだったのだけど
今夜はおかしなほどに淋しいよ
友人と喧嘩したわけじゃない
さよなら もなかった
夕ごはんにパンを食べて
それからブラックじゃないコーヒーを ....
夏空がひろがる
口をあんぐりと空けて
空を見上げる
夏だなあ
夏空がひろがる
太陽が燃える
まぶしい
口をあんぐりと空け
手をかざす
夏にのみこま ....
もうこれで、と思ったときも
ページをめくると鳥がいた
青色の羽をしていた
羽毛が抜け落ちるのを
少し気にしながら
西日の当たる部屋
ソファの上で笑ったり
片方は詩人で
片方は旅 ....
日焼け止めを塗っても肌は焼けるし
信頼していても裏切られる
空腹に注ぐコーヒー
一杯のどす黒い目覚め
止まった時間が動き出してほしいと願い
欲しい物リストに時計を追加した
君と ....
うまれたての水のつめたさで
細胞のいくつかはよみがえる
けれど
それは錯覚で
時は決してさかのぼらない
この朝は昨日に似ていても
まっさらな朝である
それでも
あなたの水は
六月 ....
風を止めようと思いました
ふんわりと歌う 白いカーテンに 話し掛けましたが
反応が ありません
もしかしたら 聴こえていないのか、と思い
もう一度 声を荒げてみましたが
風は ふんわりと ....
積乱雲の真下は土砂降りで
私は一人そこに突っ立って
子供に戻りたいなんて馬鹿なことを夢想する
私はしばらく歩くと大きな大きな湖にたどり着く
道端には地蔵が佇んでいて
こちらを ....
夕暮れ時の紅い雲
スズメが三羽飛んでいた
セミ鳴き声が煩くて
窓を閉めても
それはジワリと部屋に浸透してくる
汗ばんだ肌が陽に照らされて
またどうしようもなく空虚な夏が来ると思った
うつ伏せになって
顔を枕に埋めて
声が漏れないように
大きく口を開けて
枕に押し当てて
全身を震わせて
止まらない涙を
枕に吸わせてやった
それでも朝が来ると
仰向けになっていて ....
気をぬくとすぐに空が裂けて
わたしのねじれに触れてくる
どんなにながいスカートを履いても
どんなにきつく紐を結んでも
許されない許されない
それは 味のないガムみたいにはりついて
....
灰色の街に
今日もじゃぶじゃぶ降りしきる
情報洪水の雨達
駅のホームに立つ人々は
小さな液晶画面
の上に
人さし指を滑らせる
ひとり…ふたり…と
人がロボット化してゆく様を
....
シラフの夜の夜間飛行
空港を飛び立って
何も見えない空を行く
ただただ海は輝いて
赤く輝くワインの海
あるいわ黄金のウイスキー
落ちたら戻ってこれません
空港は閉鎖して
航空灯火も消え ....
雨音で目を覚まし
見上げる空は
Gloomy gray
滴る雨は鉄格子
コンクリートの曇り空
こんな雨の日は
灰色世界の独居房
降りしきる冷たい雨
おれの体を溶かして
頭は重い鉛 ....
幾つもの空を超えてゆくのだろう
君は今
どんな空を見てる?
雨雲
曇り空
晴れ渡る空
どんな空でも
雲を突き抜ければ
青空が広がる
だから心配しなくていいよ
明日はきっと晴れ渡る
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