すべてのおすすめ
虹のかかりそうな空の
抗えない速度の下で
私は雨に濡れ
乾き
また雨に濡れる

生まれた時から
生きることを強制され
生かされ
死ぬまで生きねばならない
たとえどこかが欠けても崩壊 ....
田植えが終わって
福島の祖母の家に行って
山菜を食べて
車の中でうたた寝をして
帰ってきて
隣の家から頂いた筍を灰汁抜きして
なんだか冷たいものが食べたくなって
サイダーを飲んだら
し ....
はい、と返事をせず
あい、と返事をする
言葉に力を入れない
あなたに呼ばれるときは
もたれかかるように
あい、と返事をする
あんなに簡単だった
ブランコもすべり台も
なんだか怖い

大人になるのが
あんなに怖かったのに
いつの間にか
子どもではなくなっていた

どんなに速くても
どんなに高くても
気持 ....
小学生の時
わたしは薄水色だった
黄色のハンカチ
黄色の傘
黄色のお気に入りの服
だけど、わたしは
小学生の時
薄水色だった
黄色の長靴で
水溜まりに入るのが大好きだった


 ....
月曜日
仕事から帰って
メイク落としシートで顔を拭いた
ゴミ箱に捨てる瞬間
シートがため息を吐いたような気がした


火曜日
上司に怒られた
理不尽なことが世の中には詰まっていて
 ....
姉は鏡を持って出てきた
お母さんは?
と聞くと
買い物に行った
と言った

彼女は看護士をやっていて
だから、医者とは絶対に結婚しないそうだ
まだ、結婚に可能性のある姉が
希望をひと ....
ゴミ箱を作ったので
いらないものを捨てた
だけど、ゴミ箱はまだ満足していなかった
仕方がないので
最近、増えすぎて
持ちきれなくなった不安を捨てた
ゴミ箱は少し満足したようだった
その日 ....
街なかで白い小鳥を配っていた
籠に入ったたくさんの小鳥を
小鳥配りの人が要領良く配っていく
受け取らないつもりでいたのに
いざ目の前に出されると受け取ってしまう
わたしが手に取ると
それは ....
雨の中に鯉のぼりがいて
彼らは空を飛ぶことしか知らない
だけど、濡れた体を揺らしてみると
遠い昔を思い出したみたいだった
青い空を飛ぶよりも
うんとなめらかに飛んでいた


***
 ....
図書館の本は
公務員みたいに黙って
読まれる、という役目を
少し怠そうに待っている

田舎の図書館は
どうも品揃えが悪くて
本にも覇気が無い

手に取ってみても
抵抗はしないけれど ....
赤くなった紅葉を
散歩のお土産にくれたのは
あまりにも小さな手に思えたからなのでしょうか

わたしはそれを栞にしました
いつかわたしを未来へ繋いでくれる{ルビ娘=こ}へ
贈ろうとした名です ....
月曜日
わたしには仕事などない
だけど、うちにばかりいると叱られるから
とりあえず、仕事に行くふりをして
たんぼの畦道をよろよろと歩いた

畦道は細くなったり
太くなったりして
歩きや ....
灰色のコンクリートには
ない、ない
としか書かれていなくて

薄紫色の夕暮れには
さあ、さあ
としか書かれていなくて

茶色の地面には
まあ、まあ
としか書かれていなくて

青 ....
さっきまで見えていた晴れが
今ではすっかりどんよりです
雲はお日さまをひとり占めして
わたしの気分は最低です

犬はいつだって健気にこちらを見て
わたしたちが振り向くのを
ド ....
たっぷりと綺麗なお湯を張り
たぷん、とそこへ身体を潜り込ませた
暖かな気持ち良さが
ほんのり心地よい

綺麗な
本当に綺麗なそのお湯を
手で掬ってみると
遠くの飢えたいの ....
合掌をしていただきます
生きるために
その命をいただきます
博愛主義でも
食べなければならないのです

わたしの肉じゃがは
一年前とはくらべものにならないくらいに
旨くな ....
1486 106さんの小原あきさんおすすめリスト(17)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
虹のかかりそうな空- 小原あき自由詩520-11-9
デジャヴ- 小原あき自由詩3*17-5-12
あい- 小原あき自由詩4*17-5-9
ブランコ- 小原あき自由詩4*17-5-6
- 小原あき自由詩23*08-11-7
メイク落としシート- 小原あき自由詩22*08-7-12
- 小原あき自由詩20*08-6-25
ゴミ箱- 小原あき自由詩32*08-5-23
できごと- 小原あき自由詩34*08-5-17
五月(さつき)- 小原あき自由詩13*08-5-6
- 小原あき自由詩39*07-11-7
- 小原あき自由詩15*07-10-29
なんでもない一週間- 小原あき自由詩36*07-10-26
人生ノート- 小原あき自由詩24*07-10-7
ちいさなしあわせ- 小原あき自由詩9*07-3-16
いのちのかなしみ- 小原あき自由詩11*07-1-27
肉じゃが- 小原あき自由詩19*07-1-13

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する