ポトスを東側の窓辺に置いて眠るといいよ。
ポトスのポストに、朝陽の小包が届くから。
この花を満たすのは
オレンジ色!
まっすぐと大地から
花びらを八方へのばし
先っぽから力強い
生を世界へ
流しこむ
いま目覚めた風は
遠くのきみへ伝える!
きみは何色を
咲かす ....
枯れた樹木が
腐って落ちるように
あなたは居なくなった
あしもとには
かさかさの
かけらが残るばかりで
死んだから永遠
なんて
わたしは
疼く血が好きだから
そんなもの
信じ ....
満ちた月に
理屈はいらないように
満足した人に
口はいらない
だからかな
あんまり
満足してしまうと
心許なくなるのは
三日月のシャープさ
とても贅沢だね
うまくいえな ....
命がふわりと浮いている
軽く握ってしまえば
潰れて消える蚕のように
歯車は簡単に壊れる
ぎゅっと捻ればそれは
簡単に歪んでしまうのです
命は燃えながら、前を見据えて
必死に走り抜 ....
昨日から降り続く雨
嫌な気持ちにはならない
潤った街は人に優しい
乾燥しきった街は優しくない
何かのメッセージ的な雨が降る
雨が降っても
地味に見えない街並み
新しく生まれ変わっ ....
つい口ごもる
あなたの前では
それはもっと本当の
もっと本当のままで
いつかきっと話せるから
そんな顔をしている楓があった
……無口な楓
もう帰らない
ここには二度と
冬を待たず ....
視界の青が揺れている
鰯雲が流れてゆく
遠く遥かな半球を
地球の自転に呼応して
そこから此処が
見えますか?
青い青いこの球体が
視界の青が揺れている
鰯雲が流れてゆく
(ひ ....
たぶん、この秋にも、
たいせつな、なにかを、
書き忘れ、
なにも気づくこともなく、
日々を削り、抜けてゆくことだろう。
ページもめくれやしない、
錆びたナイフじゃぁ…
風のようにたくさんの場所を通ってきたから
ぼくらの言葉に、風景が滲むことがある
暗くなっていく夕方や遠い電車の音に、あなたを思い出すのは
あなたの声が、その景色を映していたからなんだろう
....
人が其処に居て、
此処に居て、
その空間を占めているということが
何もしなくてもただそれだけで
美しいんだ凄いんだ
明日へと影伸ばし歩む人よ、
ゆめゆめそのことを忘れるな
....
線路の脇の赤茶けた砕石の荒野
そこに芽吹いてしまったジシバリ
細長い茎のてっぺんに
ちいさいタンポポに似た花を掲げ
電車が来れば車輛の下に潜り込むほどレールに近いのに
倒れずに
ふらふ ....
心も身体も薄ら寒い
まだ、10月も半ばだというのに
秋の長雨はやむことを知らず
晴れの日は忘れ去られた
傘をさすのは好きじゃないから
濡れそぼって歩こう
この道は闇へと続いている
明 ....
枝葉に付着した
無数の丸い水滴は、
射し込む光に
光を通し輝き出す
光そのものは決して見えずに
只、
銀の透明響かせます
無垢なる人の魂に
この部屋は狭くて
一人用のベッドだから
一人分の夢を見て
落ちてゆけば良い
明日という言葉が
魚の骨のように
引っ掛かる
ここはどこだろうと
足の指で毛布を探るとき
寒さ ....
眠れない夜
殺してくれと頼んだ
生きることに疲れ果て
自ら死ぬ覚悟もできなくて
無理心中を試みる
死にたくないと泣く子供
現実に引き戻すには十分で
今日まで生き恥晒してる
生きるこ ....
ぼやけた眼鏡のひとが
わたしを連れていく
とんかつのお店
ご飯は小盛りで
と言うのでわたしも小盛りにする
遺伝子の特集をとりあげた雑誌をながめる
ばらばらになったいくつかの ....
終わりのないものなんてないんだ
終わらないんじゃないかと思うだけで
いつか必ず終わりの時は訪れる
山積みになった書類の整理も
果てしなく溜まった洗い物の山も
手を休めず進めていけば終わりが見 ....
声が揺らぐ
叫びが途絶える
断絶という渓谷
汚された霊峰
滅びようとしている深海の神話
悲しみは涙を覆う被膜
そして干渉する光
彼らの炎は緑濃く立上る
やわらかな重みを湛えて
握 ....
空を泳ぐ夢をよく見る
夢の中で僕は
空中をスカーリングで移動する
両腕を地面と平行にして
肘を少し曲げ8の字を描くと
身体はゆっくりと浮かび上がり
僕はヘリウムガスの風船みたいに
ぷかぷ ....
あなたはいた
いたはずなのに
見えない
いろんな音を残して
消えてしまった
いろんな音があるから
退屈しないはずなのに
何かがえぐられてるらしく
何も手につかない
どの音にも手が ....
陽は落ちて
辺りはひっそりと
静まり返り
あんまり暗い
夕暮れだ
玄関先では
見知らぬ声が
会話を交わし
部屋を
ノックして
歩き廻る
濃くなる夜闇が
ざわめき始め
....
疲れてるんだね
お疲れさま
もうすぐで今日が終わるよ
明日になればまた
今日が始まるよ
繰り返しじゃないよ
二度とない今日が終わって
二度とない今日が始まるよ
今日はお疲れさま
汚された問いたちが
土に染み込んでいく
痛みは深く沈み やがて
冷たい地下水へ触れ
泉となり湧き出す
目を閉じ沈黙の小川が流れる
恰もきらきらと明るい
朝露の中で
岸辺に小さな花が眠る ....
十月の夜の空
星が見えない
昼間なら何の拘りなく空を見上げられるのに
夜になるとそれが出来ない
怖くなってしまうのだ
未確認飛行物体の放つ強烈な光にうたれ
そのまま自分の存在が ....
さよならの船出を、彼女は待っていた。
美しく水がゆれるなら、心はにごって、
晴れることなく気もちは空とつながってゆく……
ただ、さよならの船出だけを。
そうね。ため息がひとつこぼれても、 ....
やすらかな、静けさと麗しさのかたよりのなかで、
彼はそっと目をしばたいたの。
そうして楽器を叩く。
若い彼は楽器をたたく。
塔のそとでは風がながれ、
落ち葉をはこんでゆく。
湖にしず ....
今の私はネガティブで
未来のことなど描けない
ポケットにナイフを忍ばせて
自分の喉をかき切る覚悟
骨を拾って欲しいとも思わない
この世にさよならしたいだけ
命あるもの生きようとする
....
長い旅路を運転するとき
車内でハードロックを鳴らす
音楽が傷を負うその瞬間に
ハンドルの中心がわずかにぶれる
音楽が上昇を始めるその速度で
車輪は倦むことなく道路を蹴り続ける
ハードロック ....
電話の音がしている
誰にも取られない電話の音が
留守電にもならないで
コードも抜かれないで
ただ伝播するものを拾っては鳴いて
何処かのくじらのように
きっと君はいつだって化石になれたん ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132