還ろう
思いついたのは少しばかり前
私は未だバス停で一人
自分を運んでくれるものを待っていた
歩みを止めぬ私の足は
段々足元の土と飽和 飽和
それでもいいと思った
私にとって ....
終着駅から
半歩前の所で
君は
手を振っている
僕は
その姿を知りながら
振り向きもせず
再出発のベルを
待ち望んでいる
さようならは
とうに
枯れ果てて
し ....
ふれたいの
手も髪も、声も視線も
くちびるも、指も肩も
全部、
ホントはね、
ふれたいの
なれてないから、
....
春の
梅の匂い
桜吹雪
蛍のとんでいる
夏の景色
赤や黄色が織りなす
紅葉の秋
寒い冬の
満点の星空
季節を問わず
雲の間から差し込む光
山の間から出 ....
潮の闇
せまり来る
夜の底は
白く輝く
繭があるから
微笑みの絶えない
静かな 沈んだ 夜
離脱した 魂は
深海に 浮遊して
消えては 灯り
微笑みは 光
沈 ....
ハロー、ハロー、聞こえますか?
ここは地球です
あなたの星から地球は見えますか?
いつかみたいにまだ青い星ですか?
ハロー、ハロー、聞こえますか?
ここは地球だと ....
お前の家はゆるやかな
川のほとりに建っていて
細い路地だけが道である
川はかすかに早春の泥の緑を湛えている
その路地をお前は確かに歩き
お前の大きな背中にはいつも日が差している
お ....
ねぇ 今君は何を見てる?
同じ月、見上げてるのかな…。
でも なぜだろう。
窓から見える月は
寂しそうに独り光ってるんだ。
泣いてくれた君を
僕は忘れる事なんてでき ....
ぼくの作り話
きみは泣きながら
うん、うん、って頷くから
なんだか可愛くて
宝物のオルゴールをあげた
十年前に流行った
あの名曲が
今を迷いながら流れているのを
ぼくら ふたり
....
のぼる、のぼる。
風船。
ふわっと、すっと。
見上げる子供。
怒る母親。
子供は泣く。
風船を手放したのは。
息苦しそうだったから。
『バイバイ』は、
....
プラットフォームのうえで
学生が夕焼けにさよならしてる
桜色の空の真ん中では
ぐるぐるトンビが廻ってる
ぼくは君がくれた
読みかけの詩集を閉じて
琵琶湖と比 ....
暗闇に置いてきた
僕は脆く
崩れ落ちて
反響に似た響きで
誰かの声が
木霊している
あの街で見掛けた
黄昏時のカフェからの
芳しい香りよりは
(分かりきった事だが)
暗いもの ....
今日読み始めた日記は、
昨日あなたが書き残したもの。
今日書き残す日記は、
明日あなたが読み始めるもの。
明日、あなたがいなくなるとすれば
明後日、私がいなくなるっていうこと
そし ....
ねぇ
だれか教えて
大人ってなに?
大人の定義は?
どこまで歳をを重ねれば子供から抜け出して
どこまで成長すれば大人と認められるのか
きっとだれも答えられない
....
その鳥はとても小さく弱かった
食べ物を見つけても
すぐに他の動物に横取りされたり
時にはその鳥自身が食べられてしまったり
することもあった
その鳥にとってこの世界のどこかを
支配するどころ ....
カタカタカタカタ
歩き始めたばかりの幼児が手押し車を鳴らす
母親はその直ぐ後で
我が子を支える為の手を広げたまま
少し腰を屈め歩いていく
坂道に差し掛かりよたよたと
ふらつき出した{ルビ母 ....
数を重ねる度
不安になっていく
応える声は
段々と
失われていって
鼓動が
妙な速さを
記録する
結局は
自己満足を望む
私も
不完全な人間で
あ ....
上がったり下がったり
俺の心の温度
行ったり来たり
俺の旅路
どこに向かうかなんて考えるのは止めにした
自分の位置を知りたくて
確認するのももう面倒くさい
ただ今を生きることにし ....
「春のはじまりに」
春のはじまりに
ぼくらいい気になって
待ち合わせをして
薄着過ぎるままで
ふたりで桜めざした
*
始めのうちは
すこし肌寒いけど
これ ....
あいつとの想い出を すべて塗り潰したい
記憶の改竄を 密やかに行いたい
本当の終幕を 君の手で引いて
あいつと行ったケーキ屋に突入
苺タルトを美味しく食べて
君の楽しい話に ....
僕が見た
真っ赤な海や月
僕は見た
真っ赤な血の惨劇
濃く染まる
僕の腕
すぐ迫る
恐怖や悲鳴
次は僕だ
2色の景色
赤と黒
静かな世界
物音1つしない
感じるんだ
....
薄情なのは
どうやら僕も君も彼も彼女も
みんなそうなんでしょう。
無礼なのは
どうやら僕も君も彼も彼女も
みんなそうなんでしょう。
きっとみんなわかっちゃいないんです。
愛や ....
晴れた空はすがすがしいね
透きとおるアオは
憂鬱な気持ちも吸い込んでくれるから
でも雨降りも嫌いじゃないの
シトシト雨は
時間をゆっくりと進めてくれるから
....
遠くから早朝の街のざわめきが聞こえてくる 僕は早朝の東京が好きだ
光化学スモッグと酸性雨の詰まった雲とその他諸々の物質 化学物質の無限構造になっている東京の覆われた空 特に排気ガスで空気が汚れて ....
太陽の光がアスファルトに反射して暖かいが
ビル風が体には厳しい季節
ビルが立ち並ぶ都市部
エンジンの不快な音とクラクションのけたたましい音
排気ガスの黒い煙が立ち込める大道理
歩く人 ....
ハジメの一色は
空と同じ水色で
それを見つけた
他の色が
相談しながら
決めた7色。
雨上がりに
よく現れるのは
皆が空を見上げる回数が
増えるか ....
確かに
夕に散らす
斑雲に向かって
君を探す
夕日に成れたらいいのにな
麗しい君を
ずっと見ても良い
特権を得た僕は
英雄みたいに気取っていたのかもね
不甲斐 ....
悠々と二羽の鳥が、碧い空を裂いてゆく、
鮮やかな傷口を、
銃弾のような眼差しで、わたしは、追想する。
その切立つ空を、あなたの白い胸に、捧げたい。
・・・・ ....
雀 東の空で響いて
朝の訪れを歌う
ひとつ囀り、遠く空へ
夕の幕が閉じるまで
澄んだ声で鳴いて
溶けていく夜の名残
昇る光、地平の先で
形作られる「今 ....
愛を一滴馴染ませて
晴れ桜 袂に滲む掬い人
花屑浮かび詠み返す歌
流れゆく詩達 恋の行方の様に
“さよなら”を知らない
湖に沈む月に咲く子供達
綺麗な形を愛と呼ぶ
水底に流るる ....
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