あのときのあこがれが
いつの間にか
ふりかえる場所にいる

今年も何事もなく
君の季節が
通り過ぎてゆく


知らずに
とは
言ってられない国になってゆくから
少しだけでも
 ....
 
 何を思っているかわからない

 何を考えているかわからない

 何をしたいかわからない

 何をして欲しいかわからない

 本心はどこにある

 自分でもわからない

 ....
自由 希望に愛と夢
要らなくなった言の葉に
花束を捧げてみようか

服従 責任 妥協と死
目を背けている意味達と
杯を酌み交わせたらな

しがらみを思い知らされて
生き様を足元に置い ....
どれだけのことを忘れたならば

わたしはソレを思い出せるのだろう

ソレに対して抱いていた感情は

喜怒哀楽だけではとても足りなくて

不足を思わせない大きなソレは

世界のは ....
もうこんな季節だねと
誰かが言っているうちに
時は絶えまなく流れているから

いつも気づく頃には
紅葉は枯れ
雪は解け
桜は散り
蝉は死んでいる

この瞬間は
すぐ枯れて解け散り ....
ひつじの形の雲が
めえ めえ
山の上から降りてくる

ひつじの形の雲が
めえ めえ
高いタワーを取り囲んで

ひつじの形の雲が
めえ めえ
それをむしゃむしゃ食べはじめる

め ....
遅番の勤務が終わると、すっかり夜の真ん中だ
人も車も絶えた県道
遠くまで並んだ青信号

夜取り残した原色の電光看板
この店の窓はいつも結露でいっぱいだ
入り口を入って、半島型のカウンターを ....
感情を持った人々が
僕のそばを通り過ぎる
川の流れのように 車の流れのように
傷つかないように気を配りあって
気がついた時には人の海の中
グチを言いながら世界を味わう

すべての飢えた子 ....
傘を差す人が

行き交う街で


足早に散る

桜の花びらが

今年も短い

春を伝えた


雨上がりの

水溜まりに映る

ぼんやりとした

虹を渡りながら
 ....


誰かの笑い声が聞こえる 僕は壇上に立ちつくしたまんま
何か気の利いたことを 言わなきゃって心の中を探すけど
そんなもの最初っからなかったんだ 分かっていたんだ
僕の右往左往する様を見て ....
欲望と言う列車に揺られ
君も僕も地平線を超える
果てが無いのが円球なのに

いっそ古代の様に
平らかな地平には果てがあり
絶望と言う名の断崖があれば良かった

望みが単純化する程に
 ....
病院はしろい
せんせいもしろい
かんごしさんも
しろい笑顔であるいてく
しろいかべにかこまれると
なんだかうまく息ができない

みせかけの庭園に
かわいいオブジェがあるけど
夜中には ....
さみだれている庭
ひと雨ごとに、育つ緑がここにある
雨の匂いと土の香り

湿気は、ほんのささいなセンチメントも
美しくふくらませる
庭を見渡せる屋根付きテラスで
濃く煎れた紅茶を飲んでい ....
文鎮が
ふうわり ふわりと宙に浮き
驚く書生の顔前を ナマコのように漂って

原稿用紙が舞い上がり
驚く書生の目の前で 舞子みたいに踊りだし

万年筆が身悶えし 書生の指を逃れ出て
ぽ ....
{画像=120712232443.jpg}




陽の当たるところ


その建物は言いました
都会には幾つも建物があるけれど
そのなかでもぼくが一番さ

ぼくは一番大きな建物 ....
段々と仕事が減ってきた
解雇された 潰れた あの日本橋の会社のことを思い出す
しがないソバ屋の2階だった
すでに 未来に希望を持てる国では無くなった
音のない無言の空間の中で
僕は のん ....
 

優しいひとがいた
いつも笑ってくれた
唇かみしめた日も
肩をたたいてくれた

優しいひとがいた
馬鹿のつくほど素直な
人の心なんて知らねえと
言いながらも泣いていた


 ....
後悔なんて
してるにきまってる夜に
あなたの涙が流れて
いないかだけが気になる

泣かないで
なんて言う資格も
ない私だから泣かない

寒いとき
寒いねって
言えることが幸せなん ....
教室で友人の頸を切る少女
返り血が飛沫く制服
 
教室で手首を切る少女
誰でもよかったの

教室で友人を全裸にする少年
そのままパン買って来いよ

教室で友人の人体実験を始める少 ....
人は皆
ありふれた日常のなかで
少しの無理や
少しの後悔と
日々闘っている

そんな自分を
たまには労わってあげよう
ほんの少しの贅沢と
ほんの一握りの愛情で

コーヒーに一匙の ....
ありふれた言葉が好きだ
使い慣れた工具のように
なんだって 作れるから

人を切り裂くような刃も、包み込むような温もりも、
言葉の鉱石を鍛え 糸を縫い合わせて
この手に 携えることが出来る ....
 
 
熱帯植物園の温室に
雪が降り積もる
さっきまで君と話をしていた
多分、話をしていた
メリーゴーランドの馬たちが
干し草を食む
クジラが次のバス停を目指して
暗い海を航行する
 ....
絶望があるのと同じように
希望も存在する

楽しみが永遠に続かないように
苦しみも永遠に続かない

人生を希望の方向へ
希望の方向へと
向けていきたい
太陽に向かうひまわりのように
 ....
忙しそうな街を
60年代のジャズを聴きながら人波に乗る

風の無い街に人は似合わない

行き交いが生む風で人は活きる

その中で私達は生きている

風は吹いているか?

その中で ....
今だから言うけどさ
好きだったこと、あるんだぜ

君はいつものようにいたずらっぽい眼をしていうんだ
「へええ。それっていつのこと?」

そうだねそれは
あの日から、昨日まで
昨日までの ....
 
 
レジの長い列に並ぶ
列は進んでいるのに
なかなか順番は回ってこない
季節はいつしかすっかり秋となり
半袖のTシャツでは
肌寒く感じるようになった
小腹も空いた
トイレにも行き ....
  わたしはあなたを愛しています
  日は沈み夜が街をつつみます
  空を飛んでいた鳥たちは
  どこへ消えていったのでしょうか
  わたしはあなたを愛しています
  なぜならあなた ....
もしも今君に 何か告げられる ことがあるとしても
言葉は空しく凍りつく 涙を前にして

君は谷底にうずくまり 「何故か?」 と問いかける
闇は静かに見つめ返す 何一つ答えずに

それでもい ....
岬の突端にある一本杉
その根元には猫の額ほどの草原が
崖下に望める港町は
なだらかな坂のある町で
火の見櫓以外高い建物もなく
斜面にへばりついた小さな
小さな灰色の箱の集落

漁船が停 ....
黒い鳥が飛びはじめる

暗い朝

口笛のような哀切

後悔は

仕方ないわけでも

意味があるわけでもなくて


ただスマイル

スマイルだけが

宇宙をわたる方法だ ....
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