春です
あなたは誰かを愛していますか?
小さな命を大切に
大きな命と寄り添い
あなたは幸せですか?
夏です
厳しい季節ですが、お元気ですか?
子供の汗の匂いから
....
冬の雨が 雪に変わりつつあった午後
凍る寸前の雨は
テラスの さみしそうな植物をぬらした。
ヒーターの音だけが 響く部屋で
僕は彼女をベッドに誘った ....
期待させるようなことを しないでほしい
どれだけ振り回されてきたか
それでもいいって 納得させてきたけど
ちょっとずつ 悲しい気持ちが溜まっていく
キスしてくれるなら
も ....
藍いろの町に
ワルツの煙り
雨のアスファルトに
やわらかな音
寂しいことも
おんなの吐息が
俺の台詞を語りだす
秋のともしびが
俺の町にながれだす
....
長所と短所
うらおもて
さびしくなろうよ
九月の雨は
人に優しく
おまかせしようよ
藍のいろ
煙っている
アスファルト
ただの夜のいろ
....
必然は
哀しいことのほうが
多いようです
偶然は
寂しいことのほうが
多いようです
藍の色
夜のはじまり
中秋の
月が鏡のよう
必然 ....
あのひとのまちは
晴れるだろうか
あのひとのまちは
曇りだろうか
あのひとのまちは
雨だろうか
………
あのひとの季節には
どんな花が
咲いているのだろう か
....
あの青は
今 見ている青と同じだったかな
ありったけの筆と絵の具を持ち出して
焦燥に駆られ 書きなぐる
あの頃 見ていたあの色に
名前などなかった
塗りたくった 色の塊 ....
頼りない足取りをコンビニに向ける
マニュアル店員が挨拶をする
また、寝られない夜の序章
寝なくていいじゃん
友は言う
一日一日が走馬灯のように駆ける
喉に苦い唾液が出 ....
{引用=
月の光があたりを
照らしています
むかし海辺の寒村に
傾いた粗末な小屋があり
結婚間もない若い二人が
寝ていました
あまりに貧しくて
布団の代 ....
やさしいのか
やさしくないのか
雨の日のあなた
約束の時間に
遅れたわたしに
何も言わないので
カフェオレを頼んだきり
わたしも黙って俯いてい ....
疲れ果てた制服
ひとり、風を切って歩く
見慣れた通学路
憂鬱のひとつ
いつもの癖
何年も前に短く切り落とした髪
触りながら嫌気を紛らわせる
首筋を
秋の風が駆け抜ける
....
胸の孤独に 居場所がなくなるとき
懐かしい場所に帰りたくなる
プラットホームの人混みに まぎれてしまえば
夢を見ながらでも行けるはず
時を止める力など ないけれど
....
おおきく吸い込んだ
この世界の何かが
わたしの中で今
その命を終えようとしないままで
だれかの心に入りたくて
いつだって柔らかに拒絶
知ってることと知らないことがあること
わたしは勿 ....
足元に何もないと思ったら
雲のステップがあった
『信じてみる』ことにしたら
心が軽くなった
軽やかになって
信じられなくなっていたものが
「そんな場合もある」と
受け入れられた
....
体が
向かい風にほぐされる
気の遠くなるような 長い
坂道で
すっかり気が抜けた街は
午後の光に洗われて
いつかどこかで見たような色合いに
染められている
道に落ちた影の輪 ....
音がたりない
音がたりないよ
音がたりないんだ
はやくはやくはやく
きみみたいになれないぼくを
どうか許して、かみさま
願いが叶いますように、なんて
ちょっと図々しすぎないかなあ ....
おりがみの花は 指先で生まれ
おりがみの花は 手のひらで育つ
思うようには動かない きみの指先から
空の色をした 花が生まれて
思うようにはならなかった 私の手のひらを
四月の色で満たし ....
コンクリートの壁に囲まれた
独房のような病室のベッドの上
路上に倒れていた男の
ふくらはぎに密集して肉を喰う
すべての虫を布で拭き取る
白い服の老婆
「 マザー・・・
....
雨に打たれた少年は
人知れず涙を流す
こぼれた涙は空に溶け
悲しみ混ざった色を成す
涙の理由は
君なのに
君は何も知らないね
涙の理由が
気になるの?
君には何も言えないね
....
問題
次の数字を答えなさい
【七千三百五十一】
この問題は漢字を数字に直せという意味で
もちろん「7351」が正解です
しかしウン十年前
....
さよなら
気泡みたいなことばを
無造作に夕暮れに飛ばしてみると
橙にすっと溶けていったのは
声が震えていたせいかもしれなかった
車輪の音、渇いた
ペダルを思い切り踏みしめて
陽炎 ....
青色と緋色の境界
急ぐ足
丘を駆けて
このまま翔んでゆきたいと
神様という やさしい人が
与えてくれた やさしい時間
わたしは悟る
誰しもが赦されるため
生まれてきたと
....
あのリゲルに真っ白な息を吐き
プロキオンとシリウスの間を
天の川に乗ってベテルギウスへ
陽の光を反射して
深い闇を照らしていて
暗いこの場所でも
僕らがけして深みに嵌らないよう
....
大好きだったあの人と別れて。
そろそろ一年。
そろそろ、だなんて曖昧ですね。
仕方ないでしょう。
憶えてないんですから。
あの頃の記憶を穿り返せば、
何となく思い出せる気がしま ....
波打ち際で
砂に埋もれかけた
木製の小舟が
少年の夢にたたき起こされ
夕映えに浮かぶ
かもめが船頭になって
赤く染まった海を進んでいく
静まりかえった海面に敷かれた
赤い絨毯は
....
目を閉じれば、朝が来ないかも知れない。
明日、が、無くなってるかも知れない。
俺、が、亡くなってるかも知れない。
世界、が、失くなってるかも知れない。
次の幕開けを待つ、暗闇の ....
三角形に群れ成す小鳥たちを追いかけて
真夏の夕暮れを歩いていたのでした
あてもなく 陽炎の足取りで
小鳥たちが眠る樹の隣り
辿り着いたのは
あなたの家でした
2階にほのかな明かり ....
いちまいにまいと
うすい花びらを放ちながら
わたしたち
星になりましたね
あなたに教わった
カタカナの星の名前は
異国を旅するようでさみしいです
星のように
輝くことはできない ....
わたしはニュースを見た
あたらしく建てられた家の
正午の寝室の小さなテレビで
あの日から時は止まっている
止められたのだ
動くこともない
三十年ものあいだ
沈黙したままで
少しばかりの ....
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