荒んだ世界が
嫌いだった
 
だけど
空からの招待状は
来なかった
 
それが
よかったのか
悪かったのかは
わからない
 
今もやっぱり
僕は空を目指してる
 
だけど ....
狐が連れてってくれた
クジラの宿
鳩と鴉の交尾が頭の上で起こって巣作り
カモメが卵をさらった
それはフェイクで
本物はチキンと生まれた

ゴリラの渦の中
蟻の生命が花咲き
ウ ....
懐かしいと思ったのは、
かつてそれが自分のものだったから?

それとも自分だったものは
もうどこにもいないから?

でもぬけがらを手に取って
こんなことを考えてる、

そんな自分は誰 ....
 竜の谷にはドラゴン達が住んでいる
 岩壁に洞穴をつくり
 そこで生活している
 秘境に相応しい
 人間達が訪れたことはない
 ドラゴン達は殺生を好まない
 山になっている実や森に生い茂っ ....
バランスをなくした 積み木はまた崩れて
四方に散らばった欠片を 僕はゆっくりと拾い集める

カタカタと無言で 最初から積み直す僕に
ベッドの上から 時期はずれのミッキーマウスが声をかけた

 ....
最近のバスは気が利いている
近隣のかたのご迷惑になります
停車場での禁煙にご協力ください

つぎは ファシストジァパン
お降りのかたは パラシュートをどうぞ〜

街に買い物にいっても
 ....
強い風が叩きつけるように吹く中で
極彩色の旗が暴れている
数え切れない数の旗は
数え切れないほどたくさんの色で溢れていて
極彩色の荒れ狂う海になって
目の前の景色を飲み込んでゆく

きみ ....
昼下がり

やる事の無い俺はコンビニの前でだべる

隣に座る友達とタバコに火を点ける

止まったような時間

煙が目に染みて不意に上を見る

どこまでも突き抜ける様な空が広がる
 ....
遠鳴りを
たずねてゆびは
更けてゆく


 傾き、
 あざむき、
 なき、みさき、


橋の向こうを告げられぬまま
こころもとなく
火を浴びて

頑なに
待ち人の名を ....
影がありそして光があるように
光だけでは光は見えず
影のみでは闇も知れぬまま
互いの温度の違いの中に
愛する人の存在を感じ
すれ違うことで孤独を知る

寄り添うように生きるこ ....
長距離トラックの爆音と
パトカーのサイレンで夜は塗り潰されていって
そのわずかな隙間を縫うように加速して
おれたちはスピードそのものになる

昨日の夜テレビで見た
水銀灯に群がるアルミの蝶 ....
桜を煩わしいと
思ってしまうのは
どうしても
思い出してしまうから

葉桜のほうが好き
そんな嘘をつくのは
桜そのものを
嫌いになれないから

どうしても
思い出す
あなたの頬 ....
咲かぬ花を温めて
孵らぬ卵を包み
私たちは手を繋がず
夜明け前に夢を見る

鳴いてはならぬ 暁の鳥
目覚めてはならぬ 琥珀の瞳
結んではならぬ 明日の実

空には真白な三 ....
春が咲く
心が開く
風が芽生える
夢が始まる

春が咲くと
なぜだろう
不思議と気持ちがすがすがしい
空気が軽くなったのかもしれない

春が咲く
時がさえずる
地が羽ばたく
 ....
金色のコインは
自分だけの幸運のお守り
誰もが金色に目がくらんで
うらやましがって 欲しがって
本当の価値を知らないくせして

落とさないように
盗られないように
強く握りすぎたコ ....
背後から抱きしめられる気配が
して
「だぁれだ?」
そんなのあなたに決まっているのに
他のだれかを想像してみる

雪の降らなかった今年の冬を
ひとりで歩いてみた
行き先なんか
決めた ....
常に ゼロ、
今が、ゼロなんだ。
だから、僕は生きる。

目的、理由、使命、
そんなものが人生にあるべきなんて、僕には思えないんだ。
呼吸する一つの体と、この心だけが
ただ、 ....
春の気配を漂わせても
外はまだモノトーンの景色

窓辺
揺れる裸の枝先の
まだ開かぬつぼみ

食卓を飾る赤は
花瓶に押し込められた薔薇
生気のない色はイミテーション
ならばまだ ....
おねがいです
楽しい歌や
美しい歌など
けっして
歌わないでください

美味しい酒や
贅沢な料理も
ここでは
けっして
食べないでください

家族や恋人同士で
ほほえみを交わ ....
夜風が音を立てずに私の髪の間をすり抜けた
それは君が私の髪に触れた時の感じに似ていた

闇に姿を合わす木々達が音を立てる
自分の呼吸の音を聴けと静寂を消し去る

私の{ルビ足=ヒー ....
猫の鈴が暗い緑を揺らす
さわりのない ぺたんこの靴と
長くて白い靴下

じゃんけんで負けたように肩を落としていましょう
まだ 存じません
鳴るかも知れません

唇をつきだして
ふふふ ....
胸をお借りしても いいですか

肩に少しだけ 寄り掛かってもいいですか

もしよかったら 抱きしめていただきたいのですが

そんなこと 頼んでも いいですか



貴方と私はついこ ....
昨夜の大雨で 
水{ルビ溜=たま}りに{ルビ浸=つ}かった靴に 
古新聞を丸めて入れる 

翌朝 
すべての水をすいこんだ 
古新聞を取り出し 

しめった重みを 
ごみ箱に捨てる  ....
久しぶりに良く晴れたその日の夕暮れに
私の体温が奪われていく様子を
歩道橋の上から透明なカラスが見ていた

カラスはその向こう側が
全く透けて見えるほどに透明だったけれど
そのカラダの形 ....
1つ屋根の下
君の吐息が
髪を揺らす
 
透明の境界線が
越えられなくて
今日も左肩は冷たい
 
4?の世界を
1?の世界に変えることができたら
なんて思っても
左肩の冷たさに
 ....
空からほぼ頭上にめがけて降ってくる
降ってくるというか堕ちてくる
当事者の目を落下衝撃で眩ませ続け
身近に存在する異性へ視力を依存する

目眩から醒めるまで行為は止まらない
翌日醒める場合 ....
当時はもてはやされた
流行のデジタルカメラ
今では部屋の片隅で
勢いで買った専用のプリンタとともに
すっかり埃にかぶっている
電池も完全に切れている
プリンタに差し込まれたままの紙は
純 ....
たくさんの事
不揃いな事

集めて

一つの袋に
ないまぜ

振ってみても
心地よい音など鳴らないが

愛しさの重みがある

証だね

隣の人がぽそりと言って

私は ....
 つないだ手のぬくもり
 暖かな日差しに照らされ
 おもわずステップしてしまいそうな
 そんな


 ある春の日


 公園にはいり
 芝生の上に仰向けで寝る
 鳥達のさえずりが ....
もう少し、
もう少しだけ此処に居させて。
君の隣りに居させて。
この夜の体温を感じさせて。

もう少し、
もう少しだけ残酷に愛して。
残酷に夢を切り刻んでしまって。
手遅れになった私を ....
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