雨が降る
雨がカーブして降ってる
横殴りの雨だよ
音も無く鳥が飛んでいて
考えてるフリをして
後ろ足で頭掻く僕
午前零時の果て
風呂に入る
左足から入る
何も見えなくて
出 ....
何気なく
夜空を見上げてみた
闇の中で
星たちが輝いていた
闇に溶け込んでしまわないように
キラキラと輝いていた
セカイという闇の中で
ボクは輝けているのかな
星た ....
もどかしさを知らなかった頃
いつだって笑っていられたような
そんな幼い頃
僕はまだうんと子供で
いろいろな大きさの虚像を見て育った
何も知らない方がいいのだ、と
父親が言ったのか
....
どかんどかんどかん
爆弾が落っこちる時に
天使達は歌わないのだとしても
どかんどかんどかん
爆弾が落っこちる時に
詩人達は歌えるのだろう
小さな小さなガラス玉
空に向かって眺めたら
白い雲が動いてる
自由に鳥が飛んでいる
小さな小さなガラス玉
海に向かって眺めたら
白い波が動いてる
自由に魚が泳いでる
小さな小さ ....
もうそろそろみんなそれぞれの道へ行くんだね
僕らももうすぐしたら旅立つんだ。。。
この町ともお別れだね
2月は例年より温かいみたいだね
ポッカポッカ陽気から幻想 ....
夜は海
街も時間も
何もかも飲み込んでしまう
私の体も海の底
静かに息をしている
夜空の星たちは海に沈んだ金貨
海賊たちに盗まれぬよう
あんなに高いところにある
ああ もうすぐ夜明けだ ....
凍りついた重たい大気に圧されて
密やかに凍えるお前を
私はそっと抱きしめる
けれどお前は
私に触れられた瞬間
はっとしたように
すうっと空気に溶け込み
私の指の間をすり抜け ....
競うみたいにして あたしたち
みんなが欲しいものを欲しがる
脅されてるみたいに あたしたち
誰かのまねをして安心する
そうやって色を確実に消していって
どんどん透明になっていく
....
そこに咲く花の名前を知らない
知らないからと言って嫌いなわけじゃない
いや好きだ
この時代にあまりにも早足で飛び込んだから
花の名前を覚える暇がなかった
それでも 名前を知ら ....
空気読めよ
話聞いてた?
優柔不断
何それ全然おもしろくないんだけど
わがままだな
ついていけない
自分さえ良ければいいんだな
知りたくもない、そんな不幸話
違う生き物だから無 ....
ふわっ、ふわふわっ。
綿毛になって一週間になる。
何を間違って
自分はタンポポの綿毛になんてなってるんだろう。
ついさっき母体であるタンポポを飛び出したところだ。
せっかく仲良くなった他の綿 ....
夜に出でし月は
右より欠けて浮きつつも
心鎮むる情けありて
ただひたすらに眺むらむ
何をか語らむその月は
暗き空に染むるる色は
今に咲く黄梅と思ほえ
心なつかし
夜に出でし月は ....
それはある夏のワンシーン
暑い暑い昼が過ぎてヒグラシが鳴き始めた夕暮れ
まだ残るむせ返るようなジメジメした空気が僕と君を包み込む
君はうつむいたまま答えに ....
もしも 出来るなら
もっと背がでっかくなりたい
もしも 出来るなら
もっとがっちりしてて ほどよくマッチョな男になりたい
もっと顔がよくて
性格もよくて
もっと もっ ....
ねぇ、
少しだけ教えて
何かを抑えるために腕を切ってしまう理由。
私は彼女に問うてみた。
彼女は、眉間に皺を寄せて
苦しそうに黙ってた
優しくしてあげたいな
でも
彼女にとってのや ....
暮らしてゆくことの総体について
暮らしてゆくことは
時計が一日を削ってゆくのと同じように
すり減らして
終わってゆくことなのかもしれない
けれど時計はひとまわりすると
....
今日はずっと雨だ
だから歩かない
雨が降るとこのへん一帯
泥沼みたいになって
すげえ時は渦を巻いてその奥へ引き込まれる
墓標の上に座っていれば引き込まれることはない
さあさあ降り続 ....
静かな真昼の道端に
ぼくは黙ってころがったまま
小さな石ころのようです
三月の風がやって来て
ざわざわ気持ちをなでるのです
ほらブランコもゆれてい ....
腕があればキミを抱きしめられる。
片腕が無くなっても、もう片方の手で抱きしめられる。
その腕が無くなっても、足があればキミに寄り添っていられる。
足が無くなっても心があればキミを想っ ....
狂おしい程に君を抱きしめた
背骨のが歪み軋む音が聴こえた気がする
優しく静かに心地良い音色
懐かしい思い出ならば色が落ち
白と黒と茶色で動いている
友は手を振りながら私の名を呼 ....
宇宙に終わりがないように
人の心にも終わりはないのです
ですから
自分で勝手に
終わらせないで下さい
風はいつでも吹くように
心も新しくなるのです
ですから
自分で勝手に
しまわ ....
泥になって歩く
海の方から風が吹くと
私じしんである 泥
がかわいてしまいそうになる
おまけに潮のにおいまで
はりついてしまいそうになる
この湾岸沿いの道は 淋しさ
そのものが細長く伸び ....
仕様が無い
そうやって誤魔化していれば
納得してもらえるなんて
思っているわけじゃない
作り上げた構造に
己の意思が介在する要素が
1パーセントに満たなくったって
目の前にある現 ....
夢の中に出てきた白いうさぎ
ゆっくり時間を止めてゆくように
振り向きもせず私の伸ばした腕を
そっと摺り抜けて消えて
追い付けない追い付けない
この脚じゃもう走れないのだと
気付かされて ....
温もりを感じたくて手を伸ばす
あなたは私の手を握り返し
日溜りの様に笑う
優しさは
あなたの手から私の手へ
じんわりと伝わってくる
私もあなたに笑みを返す
嬉しさは
私の手からあな ....
何も思い描けないのであれば
少しそこで休んでいるといい
休んでみてまだ無理であれば
思い描くことをやめればいい
容易くできればいいけれどさ
人間そんなに巧くはいかない
過去を顧み過 ....
遅れてくる 朝に
日輪の再生が 静かに 遠く
密やかな冬至は 過ぎて
節をも分け 春分に 向かう
風もなく 穏やかな 一日なのだが
澄んだ 透明な陽光 麗らかな
味の無い 真空の時 ....
その先には何か有ったのだろうか
線路は緩やかに弧を描き
まぶしげに白く光る
僕は改札を後にする
何と言う悲しい道だろう
駅前のロータリーは同じ場所を回り
出口を見つけ出した人だ ....
夜になると
緑色に輝く布に僕は立ち上がりながら包まれ
凍った吐息を漏らす
指の爪が長く伸びて尖って
僕は白い吐息を何度も吐く
夜を駈けたいと思う
地上に落ちた三日月を横目で見 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132