窓の外は、夜
それゆえ汽車は吐息のように
曇り曇って
揺れに
揺れ
そこからなにが見えますか
わかりやすいものは
なぜだか頼りなくおもえて
背伸びをしてみた ....
スターライト
誰かが何かを信じて蹴ったボールが
気の遠くなるような確率でほかの誰かに受け継がれ
ゴールにつながるその瞬間
遠く離れた場所でモニタ越しに沸き立つ人たち
スターライト
生ま ....
氷花咲いて 冷たく
紫色の唇噛んで
凍える手に息を吹きかける
冬の寒さ今は遠く遡る過去
ねむの木そっと
紫の綿毛咲かせ
触れる指先震える葉
夏の暑さ少し緩んで ....
冬だというのに
雨が降っている
朝 春のような佇まいに
白い木瓜が満開だ
咲き始めた紅梅の向こうに
なにもかにも霞んで見える
水を下さい いや 水を買ってください
水売り ....
暗鬱とした暗い部屋に
一人ぼっち
とどのつまり
忘れ置かれた
私自身
青タンつくって
黒いマスカラ涙流して
あなたからも置いて行かれた
白い壁紙
食卓に活けられた、かわいらしい花も
もは ....
そうじゃないんです
気持ちはうれしいんですが
そうじゃないんです
うなずいてはいますが
そうじゃないんです
ずばりと解決策をしめしてくれますが
そうじゃ ....
今は
モノが壊れ修理に出せば
直されるのではなく
取り替えられる
しかも悪い部分だけが
取り替えられるのではなく
まとまり全体ごと
抜き取られてしまう
使える部分の方が多いというのに
....
あぁ、そうか
僕は僕だったんですね
気付いてしまいました
つまり僕は今まで
僕を演じていただけで
なんていうのか
僕自身が勝手に
ありもしないドラマを
でっちあげて
{ルビ存 ....
悲しみが一つ
悲しみが二つ
数えだしたら、切りがないので
数えてみるのを
止めてみました
嬉しいこと
悲しいこと
切ないこと
苦しいこと
生まれてから幾つ
楽しかったこ ....
深夜に太陽が昇る
俺は頭に血が上る
まだまだ、自分の宿命を見つけることできず
モラトリアムな時を過ごす
あちこちに回る街には
それぞれのドラマがあって
知る由もなく
....
お昼時しか食べられない
よし牛の牛丼
なんだか
味が変わったような気がする
不思議だよね
東京タワーは郵便ポストより真っ赤だし
飯倉の交差点には
いつも機動隊の車両がとまっている
交差 ....
喫茶店の中は
小さなロッジを思わせた
ランプの橙色の明かりは
それでもやはり薄暗くて
カウンター席の後ろでは
まだしまわれていないストーブ
季節に似合わなくても
この店には似合ってい ....
多くの詩が生まれ
同時に多くの詩が消えてゆく
誰にも読まれず
誰にも語られず
誰の心の中にもない詩は
もはや生きていない
生きている詩は
誰かに読まれ
誰かに語られ
誰かの心の中 ....
割れた小窓の向こうに
子供の靴が転がってる
幸せはいつも
シャボンが泡立ったときの
匂いに似て苦しい
どうしてわたしは
名前を書いておかなかったのだろう
指を動かして
桟に父の旧姓 ....
猫が叫ぶ
真夜中 鬼が通る頃
赤いお月様見て叫ぶ
”明日は飯が食えるだろうか”
猫が呟く
真夜中 人が消える頃
青いお月様見て呟く
”今日は飯が食えたから
とてもいい ....
南極のオゾン・ホールが日本の面積の約80倍に....
そんな現実感のとぼけたニュース・テロップを軽く読み流しつつ
某建物の二階にあるコーヒーショップの窓辺からこの文章を書いています。
窓 ....
目覚めの悪い朝に
君が入れたほろ苦いカプチーノ
どんな音楽より
どんな甘い声よりも
僕を現実へと引き戻してくよ
お馴染みのキャスターと
昨日の野球の結果を知るための新聞と
少し眠たそ ....
軋むベットの脚は壊れそう
二人は一つになる為の過程を犯した
一つになれたのは本当に一瞬しかない
心を通じ合えた
甘い時間を過ごす事で辛い今日を忘れる
忘れるというよりは忘れたい ....
女は金を持ち
有力な血縁を持ち
権力を持ち
奴隷を連れては
男を自由に取り替えていた
女はボロボロの服を纏い
両親は何一つ残さず死に
奴隷のような毎日を送った
彼女 ....
いつだって
どこだって
飛んでいける
大きな翼を持つ君
それでも
君は飛ぼうとしなかった
「まだ飛べない」
そればかり
君は 気づいてないのかい?
いつもあの空を
羨ましそ ....
そういえば・・・
君がほしかったのって
少しづつ 塗り重ねて厚くした
ボクに付随する 数々のステイタス
ねぇ、いつかボクに言ってくれたね
「大好きだから離れたくない」って
....
人は空を飛べない
けれども
人は空を見て夢を描ける
飛べなくても
しっかりと地面に踏ん張ればよい
人は宇宙を泳げない
けれども
人は頭の中で宇宙を創れる
泳げなくても
{ルビ颯爽 ....
実家から帰って来てからそろそろ2週間だ
生活環境のまったく違う中
やっと京都での生活にも慣れて来た
実家では久しぶりの帰省だと料理も大判ぶるまいしてくれ
色々な場所 ....
いつしか
気がつけば仮面を被っていた
ずっとだ
今となっては
肉に食い込んで一体化して
はがすこともできない
仮面と書けば
異物感は否めないけれど
僕が造りだした僕の一部だ ....
ハンドルを握る君の横
喋らずに僕は目を瞑ってた
ラジオのボリュームを少しあげて
懐かしい歌に耳を傾けてた
きれいなメロディ 啜り泣くギター きっと君の知らない歌
あの子も好き ....
東京と東京のあいだは
やはり
びっしり東京だった
銀色のパチンコ玉で{ルビ犇=ひしめ}いていて
覗き込めば
ひとつ、ひとつ
{ルビ歪=ゆが}んだ顔を映す
冷たい光の反射に
じっと身 ....
寒波襲撃
そんなニュースを聞いた 真冬の14時
近くの雑木林に 散歩にいったときの できごとです
季節はずれに咲いてしまった
きいろい ぽぽんたと 出会いました
冬の装いにも 物おじしな ....
「女の人生はまるで芝居だ」と云ふ貴方
貴方は分かったように云ふけれど
命を賭けた名演技
貴方に添うその女も
科白をなぞっているだけよ
乞い買われて
飼いならすかのような錯覚 ....
農家のおばあさんが
小さな乳母車に載せているのは
自分の畑で育てた花だった
生まれながらにして背が低かった
歳をとり腰も曲がってしまった
それでも車いっぱいに花を積み込んで
今日も花を ....
春めくのか夜になると
もぞもぞするもの
それは
あなたのつくしんぼう
今夜のわたしは疲れているのに
背中を向けた闇のなかで
何かを探し蠢いている
辛抱が足らないから
貧乏なのか
芯棒 ....
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