こぽこぽと水の音がする
気泡とともにどこからか湧き出てくる
そんな風景を思い浮かべ
(妄想しながらカタカタと)
水の音の行き先に思いを馳せ
有限であるのだろうけど
....
紙テープが切られないように
どこか遠くまで行きたいな
最終電車が去った後で
輪っかを作ったその中には
星を追い駆ける線路もなくて
カルピスの甘さが舌に残る
銀河の時間は永遠に夜を
氷に変 ....
幸せを訪ねて歩く道が良い
君の背中が振り返る瞬間
落とし物を見つけた気持ちになる
最初から決まっている物語
読む人はひとりだけど続いてく
この胸を鳴らす花の香りが
瞳を潰すほど新しい声に
....
穏やかに広がる一日も
暮れてしまえば遠ざかる
音楽の鳴り止んだあと
空間のどこにもその音が
残っていないのと似ている
それでもその一日はそこにあったのだと
信じることを支えてくれる
....
外国の唄がながれた
ノース・マリン・ドライヴ
それは海沿いの道で
ぼくたちが車にのって
風を感じる午後のこと
永遠が存在すると いうように
太陽のひかりはまぶしく 淡く
ぼくたちは
....
一羽の鳥が
海をわたる
白梅の枝を咥えて
一つの花の
一つの種が
初めて見る森に宿る
一晩の雨が
根をつけた
風が根を強く伸ばす
白く小さく
可愛い花が
一人の魂に恋 ....
教室で指がふれただけ
あなたが渡す消しゴムが
上手く取れなかっただけ
初めての温もりが
一瞬で消えそうで
ポケットに手をしまいこんだ
夕日の差し込む長い廊下に
シクラメンの鉢が並 ....
なんて酷い人生
こんなことなら
生まれなければいいと
今日も部屋で一人泣いていた
ずっともっと昔
一人の男の子を好きになって
毎日いつか結婚すると信じてた
でもそんな夢も
高校 ....
赤にならなかった感情だけが
恋と呼ばれるのを知っている
誰かを許したり守ったり
淡く伸びていく春の影は
花びらよりも重なる思いが
クローゼットの扉を開けるから
人の心は明るくなるんだ
赤 ....
私たちの それぞれの思いは
どこまで届くのか あるいは
どこまでしか届かないのか
羽根のように
世界中の空に
いくつもの思いが飛んで
散らばっていった
白や黒や灰 あるいは孔雀の羽根 ....
始まりのような終わりを迎えに
五線譜をはみ出してどこへ行くの
音程の取れない歌みたいな
急ぎ足で試された運命に
本当は抗う力を信じてる
嘘のまま優しく傷つけても
遠くへ行けば小さくなるか ....
導かれることを望まない答え
頁をめくられることを望まない書物
人生を望まない子供
見られることを望まない夢
如何なる声さえ聞くことを望まない耳
捕らえられることを望まない ....
雨降りの休日に訪れた西洋館。
静かな音楽が流れ、時が緩やかに過ぎてゆく。
思い出すのは祖父の家。
誰もいない応接間に幼い僕がいる。
飾り棚に美しい酒瓶、アンティークドール、日 ....
月の見えない夜に想う。
沢山の愛に包まれているのに何をまだ欲しがるのか。
本当に孤独の人の気持ちはわからない。
失礼を承知で自分の孤独を唄っている。
濃紺の夜空に星達は輝き、 ....
純白の心から
真珠の花びらが
あちらこちらに落ちて
消えることのない
永遠の波紋になり
愛をくばりながら
広がっていく
愛がこぼれてしまったと
一晩中泣いてる子に
真珠の花びらが ....
私はあなたが思うほど強くないのよ
いつもあなたの後を追いかけて
走って転んで背中にしがみついてた
好きだよって可愛いねって
笑いながら言ってくれて
抱きしめてくれた
雲の上でお昼寝 ....
あなたを見送った交差点で
お揃いで編んだ手袋を
私は見つめる
あなたはもう手袋など
どこかへ置いて
私のことも忘れているかしら
青い光が
一緒に歩いた海と空を見せる
黄色い ....
君はいつも太陽を握りしめ
僕の顔を見て出発すると
夏色の風を半分にして
横一列の自転車で走る
立ち読みの漫画が紐で縛られ
不自由だったから
僕等の方がきっと
世界を創りやすいだろうね
....
夜を溶かす飴玉みたいに
透明な包み紙の中にいる
自分の声に気づけないから
きっとこの先に続く言葉が
枕を湿らせる夢を見ても
先頭を走ることは難しい
日常に解き放たれたように
たった一度の ....
いつものように笑うことを諦めたままで
きみはちょっと怖くもみえる
顔をしているけど
ぼくにだけ
わかってしまうよ
恋だ
きみの恋は困難で
いいかえればとても時間と手間と苦労をきみに
....
枝とわずかに残る葉も
みんな白く凍りついて
星の妖精のように
光を森のすみずみまで配る
氷の木々が珊瑚のように
森の海底で静かに息をする
足跡のない雪は
砂の ....
花屋を覗いている子猫
少し曇ったウインドウを
手を伸ばして拭いてみる
拭いても見えないよ
少し開いた扉から
外に漏れてくる花の声
ステラの妖精が息を吹く
ガラスが透き通って
子 ....
日曜日の図書館で
天井まで届くような
大きな書棚で二人はすれ違う
数えきれない本から
世界中の無数の魂が
過去から未来の二人を見守る
晴れていた空が
雲を誘って雨を頼む
このま ....
君に会う前は知らなかった
淡いパステルが重なる場所で
透ける心に手を伸ばそうとする
光と体温が仲良くなる
春は脱ぐものがないから
そのままの姿で笑っていて
僕に色を与えた人の声を
かすれ ....
ほどなくして 彼女はこの世界へと目覚めていく
陽は勢いを増し 陰りを拭っていく
時を労せずして 窓を開け放ちこの部屋から世界を望もう
故あって理解に及んだ2人の軌跡
あわよくば まだこれを ....
満ちては引いていく
あなたの全年月
誕生も死もすべて含んだうえで
あなたは満ちてまた引いていく
火花が飛び散り雷鳴がとどろく
涼風が吹き小春日和が続く
四季折々の風景を包み込んで
すべて ....
スペースコロニーの波に乗って 見上げている
この星だけが生きている訳ではない 知っているよね
宇宙に一粒 私の一本線 神経の経由
死を迎える前に見てみたい 価値を置く最上段からの景色
人 ....
塩水を一緒に舐めたりして
舌がピリピリするような味は
いつまで経っても残るものだった
マンモスの足跡が踏んだ
地層のミルフィーユを崩すから
同じ石に躓いて泣けば
砂時計の中みたいだね
ふ ....
満月が雲に隠れて覗いてる
でも隠し切れない光の雨が
流星のように夜空を照らす
くるくると花びらが
回転しながら降ってくる
星のため息のように静かに
雪が溶けた隙間にそっと
星の種 ....
木立の枝に
雪が綿のように眠る
隙間から光がいくつも流れ
見上げる瞳に丸い虹がうかぶ
遠い宇宙に
星が生まれたよと
アネモネの妖精が教える
星の産声が聞こえたよと
遠い時間の
....
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