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海は水平線を
鋭利なナイフのように突きつけてくる
想い出は残照の別称であり
水のように浸る憂愁である

夏が去り
海岸には打ち上げ花火の残骸が
寄せ来る波間に漂っている
{ルビ流離=さ ....
氷の針が心臓に突き刺さって苦しいと思うとき 海から全ての海水が巻き上げられてぼくの口へ吸入器のように入れられるとき きっときみはひとつの歌を口ずさむ ひとつの祈りを口ずさむ、ひとつの海の駅名を口ずさむ ....  剽窃したい人はそこに居て、夏のセロリをしっぽから齧っている。水は生温い 
 が金魚鉢の赤い魚たちは夢を追わずきょうも元気だ。猫は背を丸めしっぽりと
  寝ている。 
 猫を抱き ....
この前まで鉛筆をもっていたひとが
木の匣にはいる
燃やされてちいさくしろくなって
木箱にはいる
鉛筆で書いた文章が
もう そのひとだ
そのひとを見ると
鉛筆をもてない
あのひとのこ ....
 
昔、{ルビ通=かよ}っていた中学校の屋上に
天体観測の丸いドームがあった


天体望遠鏡を覗き込むと
こころの暗がりがみえた


こころはどの星だろうと
それから何十年も探 ....
 
浮いている
{ルビ圧=の}しかかる重力
月は平衡する
走る遠景を
雨の滴で回避して


狂っている
歩行する緑の
あらがう能役者が噂する
平成の{ルビ螺子=ネジ}
とまらな ....
クール宅急便が夏をのせてはしりさってゆくよ

   (運転手はたおやかな秋という名をもち

いつのまに曼珠沙華がスっクとのびたんだろう

   (花は放射線状に巻かれ彼岸という中心 ....
るるりらさんの白島真さんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海そして残照- 白島真自由詩16*17-9-19
塩の柱- 白島真自由詩31*17-3-20
剽窃_- 白島真自由詩21*17-2-15
鉛筆- 白島真自由詩23*16-12-10
天体とこころ_Ⅲ- 白島真自由詩21*16-11-8
斜視のくだる翡翠- 白島真自由詩18*16-10-30
たおやかな秋- 白島真自由詩316-10-4

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