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父の背中
53年の背中
もう隙間がないくらい
父の背中
背番号53の背中
数字がぎっしり埋まっている
その背中を擦ると
数字がぎしぎし唸り出す
私が石鹸で流せる ....
君は笑っているのです
この世に何の跡形も無い
存在の事実さえ消え去ろうとしています
その君がここにいてくれる
きっと素晴らしいことに違いありません
君は笑っているのです
決して交わ ....
いやになっちゃうであろうが
きらいになっちゃうであろうが
見映えも聞き映えもあまり良くない
ここは一応いやになっちゃうにさせてもらう
嫌になっちゃうと聞くのは嫌になっちゃうし
嫌にな ....
エネルギッシュなはずの街を見回しても
私以外は答を導くことが出来ない
時計が回るだけの何の変哲もない日常
下を見ても上を向いても川は流れる
なぜ いないのか
なぜ おまえだけがいない ....
野良が挨拶しているよ
疲れた毛を励まして
露出した皮膚を隠し
道の真ん中を
人々の営みの中を
堂々と
野生の威厳を振り撒き
声ひとつたてず
冷たい日差しを歩いているよ
こそこ ....
【龍人】
滑らかに曲がって
緩やかに曲がって
何時までも曲がって
何処までも曲がって
掌の記憶の球体
見覚えのある顔
球体を眺める
目の奥が笑う
掌の人の形
見覚えのある顔 ....