八月に入って
夏の子が孵化した
春の子はカラスにやられて
しばらく空き家になっていたキジバトの巣
避暑に出かけたカラスがいない間に
夏の子はすくすくと育った
キジバトの巣は我が家のケヤキの ....
月までは案外近い
いつか行き来できる日もくるかも、と
あなたはいうけれど
それが明日ではないことくらい
知っている
人は間に合わない時間が在ることを知っていて
間に合う時間だけを生きてゆく ....
{引用=夜明けのこない夜はないさ
あなたがぽつりいう}

懐かしい歌が
あの頃の私を連れてきた
そして今の私が唄うのを
遠い窓枠にもたれて
聞くともなく聞いている
夜のはてない深さと距 ....
路上生活者のように毎日が過ぎてゆく
ランボーのように地獄の季節も創出できず
安吾のようにデカダンに遊ぶ余裕も無く
冷たい缶ビールで無聊を凌ぐ

僕の故郷であるペンギン村では
あられちゃんが ....
コンビニのドアが開き
ひらひら舞い出たモンシロチョウ
誰も見てはいない

光は雨みたいに激しく額を打ち鳴らし
影はつま先から滾々と湧き出している

こんな日だ
わけもなく後ろから刺され ....
気休めな水に放てば金魚らはひと夏きりの命を泳ぐ

六月に不似合いなほど晴れていて昨日の雨がわたしを映す

透明な花瓶の中で紫陽花の茎の模様が屈折してる

雨か汗滴り落ちて黒く染み黒いTシャ ....
臨界に旅立った母は、すこし痩せたみたいだ

もう、帰りたい。という
ここには団欒がない。という

距てるものは何もないのに
働きすぎたのだろうか
午後十時二分の、電動歯ブラシは
 ....
酒なくし味醂を啜る 焼き海苔に
祖母のこだわり
いま思う
紅鮭に
玉子納豆
ねぎの味噌汁
秋と冬の境目の
限りなく冬に寄り添う秋だから
ならべてみたくもなる
あったかいものをしこたまに
{ルビ炬燵=こたつ} 湯たんぽ 綿入れ{ルビ袢纏=はんてん}
焼き芋 甘酒 鍋料理
{ルビ熱 ....
 名も知れぬ花々が倦怠を司っている。
 彼方に聳える山々が郷愁を誘う。
 人間は目に見えるものを真実だと捉えがちだが、
 夢の中までそれを固持することもないだろう。

 夜空に浮かぶ三日 ....
 天の慟哭か大地の怒りか人間が驚愕するのは決まって夜だ。
 神秘の詰まった夜を私は愛する。
 それはロマンに満ちた星空だけによるものではない。
 何とも言えぬ甘美な恐怖とそこはかとない漂いが ....
痛む喉気遣いながら栗を剥く カレンダーめくる無職の手が白いあした天気になりますように 赤飯を炊こうと言った親睨みあした天気になりますように 麗しくあれ、麗しきものであれと嘯いた
眩い季節が、火葬場の炎に、紅く紅く舞い散る
それを麗しいとほめそやす、餓えぬ人々の足元
舞い落ちた死灰を踏みならし、忙しなく行き交ういきものの
剥き出しの ....
ただ一人懸命に掃除した、水道の蛇口が赤茶げて
所詮こんなものさと自嘲(あざわら)っている

うらぶれた、うらぶれた、朽ち果てた半紙の”夢”の字が
帰っておいでと嘯いている

うるさい、うる ....
秋という服が来訪した
木陰の脇からは紅葉が芽を出し
人々は山へとその景色を見に行く

楓が道に落ちている
秋とはそういう季節だ
物事が落ちるのが似合う季節

店頭の様相も変わった
街 ....
あなた方の死骸を埋めると 私が芽を出して育っていく
アイ、の呪いはコトバと声を包んで あなた方を肥やしにどんどん伸びる

声が子守歌に変わる夜 
初めて骸の種となったあなた方に 向き合う ....
真夏の鳥取砂丘には
ただ一本の樹さえなく
にぎわう人と数頭のらくだの黒い影を
その茶色の肌にゆらしていた

運動靴を履いてきたけれど
砂に足をとられて歩きにくい
切れる息
額から滴る汗 ....
「自分に味方しないものは敵だ」
という考え方と

「自分に敵対しないものは味方だ」
という考え方は

同じようでいて ずいぶん違う

生まれつきの敵も味方もいやしない

パレスチナ ....
無音の夜
食卓を引き

白い骨壺
カタカタ鳴る

「寂しいのか」と尋ねると

無音の夜
ますます深く広がり

足許カタカタ鳴り響く白い骨壺
不意に亀裂走らせ粉々に

沈 ....
焼きすぎたパンにマーマレィドをぬろうとしたら
イチゴの瓶をひっくりかえしてなんもかんもべたべたジャムまみれ。
こねくりまわしたミックスジャムでパンに張り手くらわしてペロリと食べた。

あは ....
投げるから捕ってねと言い虚栗 差し障りある表現か秋の雲 嫁見ると嘘発見器の針揺れるあした天気になりますように ラーメンの
魚介の薫りに
誘われて
そっと暖簾を
かきわけてゆく
夜が皮を剥いで、
真っ赤な朝を迎えたような傷が、
手のひらに滲んでいる。
あなたは見えないナイフを手に私を傷つけた。
 ....
 
静かの海は
氷砂糖のようで
わたしの身体
ひいやりと
あの影の部分
ホルマリン漬けの子宮
眠ってる
おおぜいのひとが
わたしを可哀想と泣いてしまうので
わたしはなんだか可笑しく ....
泡沫恋歌さんのおすすめリスト(5147)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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夏の終わりに- そらの珊 ...自由詩20*17-8-21
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朝めし- レタス俳句115-11-21
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痛む喉気遣いながら栗を剥く- 北大路京 ...俳句415-11-21
カレンダーめくる無職の手が白いあした天気になりますように- 北大路京 ...短歌415-11-21
赤飯を炊こうと言った親睨みあした天気になりますように- 北大路京 ...短歌115-11-21
霜月- あなろぐ ...自由詩315-11-21
廃校舎- あなろぐ ...自由詩315-11-21
11月の雨- 鷲田自由詩315-11-20
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すなやま- そらの珊 ...自由詩16*15-11-19
どっちにもなる気はない- ただのみ ...自由詩19*15-11-18
夢現- たけし自由詩7*15-11-18
毎日がパ!レィド!- レモン自由詩6*15-11-18
投げるから捕ってねと言い虚栗- 北大路京 ...俳句515-11-18
差し障りある表現か秋の雲- 北大路京 ...俳句215-11-18
嫁見ると嘘発見器の針揺れるあした天気になりますように- 北大路京 ...短歌515-11-18
中華そば- レタス短歌215-11-17
パズル- あおい満 ...自由詩915-11-17
- レモン自由詩12*15-11-17

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