最近になるまで気がつかなかったことであるが、わたしは仕事でよく手を使う。いや、手が仕事だと言っても過言ではないくらいに。べつに美容師やエステティシャンやマッサージ師ではない。某公共料金の申込書の封入 .... きみの取扱説明書をみつけた
ちょっと古びて
もう保証書もどこかへいってしまった

皮膚を剥いでゆくように
すこしずつものを整理してゆく

基本性能だけでいいのだ
死ぬまでにデフォルトの ....
雨は降り続け雨は降り
雨雨雨雨 降り続ける

雨が降り続き雨が降り
雨降り続けて秋深まる

雨雨雨雨 降り続けて
蝉の死骸は濡れ溶けて

濡れ腐る蝉の死骸は空
雨雨雨 只降り続ける ....
かき氷を
噛み締める音が
透き通る
氷の粒の結晶は
ちょうどひかりが
零れおちるみたいに
花火の黄昏にある音のように
ころんころんと
ふたりの記憶のなかでも
響いている

ずっと ....
かつて まつげに
マッチ三本載せてみせた
少女は
そこへ
小さな蒲萄を
たわわに実らせたという

おとぎ話は
完結してからのほうが
むしろ真実だったりする

まばたきのたびに
 ....
おさなごには まず ハーモニカが あたえられる
くちびるにあたる真鍮のつめたさに
まぶたは すこし 重くなり
息を吹きかければ
こころは しだいに透けてくる
 
ひとつひとつの ....
時と場所が
選ばれながら
Cigaretteの煙が立ち昇る
日々はどんな天気でも
ずっと続いている
隔離された
都会の喧騒や
夜空の果てでさえ

微かな炎による煙は
あらゆる病気を ....
光と樹木が交差する
あの夏の濃い陰りを抜けて
ヤンマゆくよ

感光した記憶の傷痕なぞり
迷える樹海の鬱蒼を越えて
ヤンマゆくよ

うすい双翅に光彩を弾き
風の流れを遡り
この目が耳 ....
私がいないなら、
あなたがいる。
あなたがいないから、
私がいる。
いつも時計のように
交わっては消えていった、
数秒の肌の記憶。

何度生まれ変わっても
告げられな ....
あとだしのあいしてる




あとだしのあいしてる




あとだしのあいしてる




こんなんで勝っても




うれしくない。


 ....
かなしみのほうに
かたむいていく白い朝は
つかみそこなった
ひなたちが
さかみちを
ころがりおちてゆく

いきさきは
とおい御国か

秋という字の
右耳に
火がともっている
 ....
右手の痺れがとれない
小指と薬指の感覚がない

いつもの山田先生はひとこと
これは頸椎だから松崎先生のところに行きなさい
まだ午前中で間に合うから
ちゃんと血圧も測ってね

松崎整形外 ....
お母さん、私ね、学校にin loveなboyが八匹もいるんだよ

金魚に餌をあげていたら 
次女が後ろで不意に大きな声を出すものだから
目の前の水槽に
突然金魚が九匹飛び込んできて、
その ....
トロイの木馬作戦が漏れているやけに激しい風が吹いてる 長かった髪をばっさり切った夜やけに激しい風が吹いてる  放課後、中学校の西向きの図書室には、まぶしいばかりの光が降り注いでいた。

 全校六百人ほどの生徒の中で、読書なんて今時流行らない趣味を持つ人は、おそらく少数派だ。調べ物ならパソコンで事足りるし ....
酒の自動販売機の前で
近所のおじさんは
ワンカップのボタンを押す

がたたん

おじさんは
しゃがみこむ

しばらくして
立ち上がったおじさんの手にあるのは
完全に飲み干され
 ....
空蝉を踏みつけ踏みつけ子がはしゃぐ

足の先までもが蝉であった殻

蝉成れず死んだのだろう重い殻

蝉殻に残された唯白い糸
           今年も八月が終わります。
           もう、命日の回向すらありません。
           でも…

    * * *
 
  色褪せたフェルトで覆われ ....
わたしたちが集めていたのは
瓶ビールのふただった

父の晩酌のたびにそれは
どちらかの手に入る

栓抜きでこじ開けられた痕は
同じ方向にひしゃげて
それは何かを証明するように
ひとつ ....
きみの夢は軽いけれどもきみは重い
人間ひとりってたいそうな荷物だ

きみを背負うには僕がかぎりなくかるくなければならない

すべてのものをかかえて吊り橋は容易には渡れないものだろう

僕 ....
やや黄味を帯びつつ光る宝石が恋しい海を呼んでます、ほら

台風のあとの野原の美しさ触れればくずれ珠の水々

絹糸でつながれた白玉の一番端にわたしをくくる

宝石箱のいくつかはイミテーション ....
風の強い日にも蝶は飛ぶ

気流に乗って巡り

波を越えたり潜ったり

泳ぐようにすり抜けては

喉を潤す 揺れるクローバーに佇んで

ヨットのバーでカクテルでも飲むように

洒 ....
疲れてる あの人この人言うことの悪意ばかりを追いかける夜  心はいつも籠の中。
 苦しさ紛れの言葉遊び。
 朝方の霧雨に煙る旅情。
 夜はまだ先。

 渓流の流れに似たひと時。
 我が腰の辺りを啄ばむ猛禽。
 湖でもがく 浮上の兆し。
  ....
――皿が割れた!
まわす皿はもうない
みんな落として割ってしまった
誰かのせいにしたくても
皿を落として割ったのは自分
落として割れたのは自分の皿
何事も寸分変わらない
仕方がなく
架 ....
自分という存在が、絶対的にひとりだと、気づいたのはおそらく子どもだった頃と思う。
なんでもない日の、なんでもない朝。赤いランドセルを背負い、竹で出来た定規をそのふたの隙間からのぞかせていた、小学校へ ....
川沿いに腰を降ろしてひと心地
よく晴れて広い空に浮かぶ雲の
自由な大きさに目が眩む

私はこの空の下に生きている人を
ほとんど知らない
それなのに時々窮屈な気持ちだなと
思うのは何故だろ ....
あみ戸をほんの少しだけ開けておく。
すかさず外にいる犬がやってきて、
そのすきまのそばで入りたそうにしている。
すきまを少し広げる。
あたまがひっかかる。
犬はあきらめる。
ネコなら手で開 ....
亡くなった翌年の父の誕生日プレゼント
花束はバースデーなメロディ付だった
録音部の端を知らずに千切って
乱雑に放り出したらハッピーバースデー
痛みだらけのハッピーバースデー
それでも何百回父 ....
泡沫恋歌さんのおすすめリスト(5147)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
紙折る手- あおい満 ...散文(批評 ...2*15-9-1
空っぽについてのマニュアル- 梅昆布茶自由詩1915-9-1
雨は只- たけし自由詩815-9-1
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まつげに盛られたファンタジー(或いはモナリザの微笑み)- そらの珊 ...自由詩15*15-8-31
真鍮の都- るるりら自由詩8*15-8-31
Cigaretteに灯された火- りゅうの ...自由詩4*15-8-30
ヤンマゆくよ- ただのみ ...自由詩18*15-8-30
はなびら- あおい満 ...自由詩14*15-8-30
しょなし- もり自由詩2*15-8-30
おとづれ- そらの珊 ...自由詩16*15-8-28
痺れた日々- 梅昆布茶自由詩1515-8-27
ボーイが八匹- 夏美かを ...自由詩35*15-8-27
トロイの木馬作戦が漏れているやけに激しい風が吹いてる- 北大路京 ...短歌515-8-27
長かった髪をばっさり切った夜やけに激しい風が吹いてる- 北大路京 ...短歌415-8-27
【驟雨】志なかばでお亡くなりになられた松山椋さんへ- そらの珊 ...散文(批評 ...6*15-8-26
おじさんの伝説- そらの珊 ...自由詩11*15-8-25
空蝉- そらの珊 ...俳句8*15-8-24
叔父さんに- イナエ自由詩10*15-8-24
耳さらい- そらの珊 ...自由詩19*15-8-23
半魚人の夜- 梅昆布茶自由詩1615-8-22
真珠のうた- そらの珊 ...短歌9*15-8-22
風の強い日にも蝶は飛ぶ- ただのみ ...自由詩16*15-8-21
~2015.08.20- もっぷ短歌4*15-8-20
怯える心- ヒヤシン ...自由詩10*15-8-20
皿まわし狂言地獄- ただのみ ...自由詩22*15-8-19
夜更けの紙相撲・静かなお盆- そらの珊 ...散文(批評 ...10*15-8-18
ひと心地- 灰泥軽茶自由詩415-8-18
夏休みの日記より。- そらの珊 ...自由詩17*15-8-14
歳を取ったハッピーバースデー- 宣井龍人自由詩10*15-8-13

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