すべてのおすすめ
酒なくし味醂を啜る
焼き海苔に
祖母のこだわり
いま思う
紅鮭に
玉子納豆
ねぎの味噌汁
痛む喉気遣いながら栗を剥く
投げるから捕ってねと言い虚栗
差し障りある表現か秋の雲
愚痴多いランチの庭に秋の蝶
枝豆やあっけらかんと生きており
白桔梗紅一点のベーシスト
段差ないところで転ぶ昼ちちろ
葛餅を土産に四条通りかな
人渡る綿毛が渡る交差点
秋には秋のバラが咲く
かたらいは満ちることなく月満ちて
人しれず録画の灯火浮かぶ夜
闇の闇の中にも闇のある
イキヅカイ犬の腹午後の怠惰のせ
....
1 靴擦れで坂道上る猫背でね
2 一人酒しいたけを焼く七厘で
3 緑色湯がいて食べるオクラ哉
4 ブスばかり想像しながら射精哉
5 黒板にチョークで顔を書く男
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写真撮りたる係百物語
出前また出前百物語かな
百物語すべてとけきっている
こだませる言葉を決めて登山口
しりとりのルの出てこない登山道
空に向け背骨を伸ばす登山口
空蝉を踏みつけ踏みつけ子がはしゃぐ
足の先までもが蝉であった殻
蝉成れず死んだのだろう重い殻
蝉殻に残された唯白い糸
見送りの駅のホームや金魚玉
振り切った涙一粒金魚玉
越後屋と悪代官や金魚玉
六月のソーラーパネル青い眉
六月の匂いでなおる夫婦仲
滴りや濡れたる翼なき背中
滴りの一粒地球削る音
滴りやかつて地蔵でありし石
「ばかやろう」私にゆける海文月
雨の日は別の海月となりにけり
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