わたしは
片付けきれない部屋
足の踏み場もなく
散らかったまま
古い紙袋からは
見つかってはヤバいものたちが
虎視耽々こちらを窺う
ベッドの中には
初恋の人を模した
バラバラの詩体
 ....
今思えば、私は最初から躓いていた。


小学校一年生の算数の授業。

たす、ひく、たす、ひく。

簡単な問題でも両手を使う。

両手で足りなければ両足を使う。

えんぴつ ....
梅雨を仰ぐひととき 燦をご褒美に置いておく
今は灰色が銀色と柔らかな同盟を結ぶ 梅雨が前髪に透明な雫を創る
弾き出す紫陽花の衣に 新鮮な時代を吸い込むように 前を向く

天然に無意識に私の魂は ....
滞ることなく継続していく時間
の中に縒り込まれ生命
いつかは剥がされ
抜け落ちるとしても 
まだ先のはずであった

だが 
左足小指の
先に出来た米粒ほどの腫瘍は
細胞を溶かして ....
ピーマンだった朝
ごぼうと言われた昨日の昼
もやしっ子と中学時代揶揄され
これまで
土の匂いが抜けたことは一度もない
ハウスに移り住んだのは妹と義理の弟
僕は小さな畑の端っこで
売り ....
血管を流れる血のように
岩を滑る垂水が
ぼくの中に流れていたころ
ときどき 桃が流れ着く岸辺で
老女が野菜を洗い米をとぎ
男の子が笹船に乗って
都の方へ出かけて行った

川の畔の小さな ....
おやすみのキスして君と眠る日がくるまで送るおやすみメール 天井を見ている
小さな丸い大きな目を開けて
右手は暗号を司る 特徴のある握り拳
海ぶどうのハーモニカのような 足の指
口は ホーホーと開いている

天井を見ている
見渡せる限り 見ている ....
小学校2年生の時
大好きだったチクロ
世間の皆にチクロが後ろ指さされるまで
名前を知らなかったチクロ
十円や五円の駄菓子にも
たっぷり喜びをまぶしてくれたチクロ
今から思えば冤罪だったのだ ....
詩人は誰もに見向きしてもらえることを望んだ
私たちが時に異性を恋人として求めるように
己の詩を聞いてもらえる事だけを願って生きていた

書いて 書いて
時に声を張り上げ詩を詠って
己の周 ....
会社まで歩く毎日心身と靴の踵がすり減っていく 遠足の帰りのバスの子守唄 フィクションの多い結婚式に造花ではないブーケ ちゅんとしか
啼けないでなく
ちゅんとしか
啼かない

くちばしの
下にある
君の発音器官が
そう決めたから

多くの言葉を持つ人は
たくさんの選択肢を持つけれど
ほんとうに伝 ....
萎んだ心に息を吹き込む
空気のように目には見えない
大切なものが漏れて往く
紙屑の皺を伸ばすように
 歌い出す 
いのちの輝きは遥か
記憶の地平の彼方
燃え落ちる花のように笑っていた ....
向かい風は願ったり叶ったり
よく上がるぞ
追い風なんて当てにするな
向かい風を受け止め
駈け上がれ

多少の雨なんか放っておけ
雨雲は低いんだ
すぐに突き抜けるさ
雨粒を弾き飛ば ....
{画像=140622083456.jpg}


*


言葉が漲っていますか
心が漲っていますか


前を見ていますか
手を握っていますか


感じていますか
感動してい ....
読み人知らずの
ささやかな空気の振動を
耳たぶでそっと掬って
外耳道へ流し込む

外耳道の突きあたりの
気弱すぎる鼓膜のときめきを
耳小骨は丁寧に拾い集め
蝸牛の殻に押し込める
 ....
出産を終えた私に指立てて「グッジョブ!」と言う2歳の娘 合格の通知来ぬまま卒業式 新札にて切りたる指や暖かし 汗をかいた

汗で目がしみる

生物として
人として
うれしい

曇っていても
太陽を感じる

風が吹かなくても
体温を感じる

くよくよするな
汗をかけ

ひか ....
私の スカルは 玻璃(はり)の うつわ
スキルは からっぽ なにもないわ
I am a ボーンヘッド頭が固いって言われてる 
けど いつかきっと はじけるのよ
石頭なりに 夢見ているの 

 ....
僕が使徒を引き連れて
詩を書き始めるきっかけは
十九歳の夏
或る女との
一方的な
失恋の果てにある

契約までかわすこと
になったのは
その歳の秋頃だろう
なぜか失意のうちに
幻 ....
ただしい孤独は
凛として涼やかな音色であった

愛しい憂鬱は
窓辺に花をさして髪を梳かす

美しい季節は
褒めそやされて散る花びら達で
そこそこ保たれるものだ

どうしようもない時 ....
団地の狭い庭に桃を植えて
安くて新鮮な桃を食べようなどと
欲を張ったのだが
日当たりは良くないので
おいしい実がなったかどうか
それも分からないまま…

たっぷりの肥料と 
水やりをし ....
飴を取るときはひとつ
飴を頂くと手のひらにふたつある

言葉の意味を調べてひとつ知る
誰かと話をしていると
いつの間にか言葉の意味をふたつ知る

買い物帰りに今川焼きを買うときは
ひと ....
ああ神よ どうか
四十五パーセントくらいの誤解をお与えください
少なくても三十五 三十は行き過ぎです
勝手な想像と思い込みで
悩んだり喜んだり
怒ったり主張したり
素敵な誤解を捧げあって
 ....
僕の実家の近くに、一軒の八百屋があった。その八百屋は『杉本青果店』というごくありきたりの名前だった。その八百屋では、おそらくは杉本夫妻であろう中年二人の男女がただ淡々と働いて、野菜を売っていた。僕は登 .... 草餅を摘んだ手にも指輪あり
泡沫恋歌さんのおすすめリスト(5147)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひとつの殻の中で崩壊して往く- ただのみ ...自由詩23+*14-6-29
数学的思考能力の欠如- 時子自由詩23+*14-6-29
灰色と銀色の梅雨- 朝焼彩茜 ...自由詩16*14-6-27
喪失ー友へー- イナエ自由詩15*14-6-26
野菜生活- 乱太郎自由詩23*14-6-25
ボクの中を谷川が流れていた頃- イナエ自由詩15*14-6-24
おやすみのキスして君と眠る日がくるまで送るおやすみメール- 北大路京 ...短歌614-6-24
天井とお空- 朝焼彩茜 ...自由詩19*14-6-24
ごめんねチクロ- ichirou自由詩7*14-6-23
光と闇の詩人- Neutral自由詩714-6-23
会社まで歩く毎日心身と靴の踵がすり減っていく- 北大路京 ...短歌214-6-23
遠足の帰りのバスの子守唄- 北大路京 ...俳句214-6-23
フィクションの多い結婚式に造花ではないブーケ- 北大路京 ...自由詩514-6-23
はずれくじひいたみたいなすかすかのオレンジを憎んでみたりする ...- そらの珊 ...自由詩21+14-6-23
歌いたい- ただのみ ...自由詩17*14-6-22
凧になって駈け上がれ- ichirou自由詩10*14-6-22
自分に問いただす言葉_/_信じています- beebee自由詩24*14-6-22
聞こえた- nonya自由詩19*14-6-21
出産を終えた私に指立てて「グッジョブ!」と言う2歳の娘- 北大路京 ...短歌814-6-20
合格の通知来ぬまま卒業式- 北大路京 ...俳句414-6-20
新札にて切りたる指や暖かし- 北大路京 ...俳句2*14-6-20
もうしばらく汗で目がしみていたい- ichirou自由詩10*14-6-20
セモリナ_フラワー- るるりら自由詩15*14-6-19
使徒の竜と契約を巡って- りゅうの ...自由詩5*14-6-19
ただしい孤独について- 梅昆布茶自由詩2014-6-19
夢を食う- イナエ自由詩19*14-6-19
ひとつよりもふたつ- ichirou自由詩11*14-6-19
イノルフリ- ただのみ ...自由詩25*14-6-18
_僕が『小説』を書くきっかけになった、とても小さな出来事__ ...- yamadahifumi散文(批評 ...5+14-6-18
草餅を摘んだ手にも指輪あり- 北大路京 ...俳句314-6-18

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