耕運機のように
ゆっくりと掘り返し積み重ね進んでいれば
あなたが悲しいとき
ぼくも悲しみ
疲れ
あなたの思うぼくになれたのかも知れない
でもぼくは耕運機じゃなかった ....
ははーん 友達減らす作戦決行中だな
生放送に空気読めない素人がいる
巨大な風車の影が
枯れた笹原と採石場と
牛舎の上を繰り返し通り過ぎて行く
くねくねと形を歪めながら
くねくねと
大地の歪みをなぞり
絶え間なく地を這う影は
まるでコトバ
人の心 ....
季節の足跡が白い凍土となり
剥がれた絵の具のように
海鳴りが景色に仕方なく張り付いている
此処には君はいない
それでも此処は君のいた場所
今日君はい ....
きのう駅までの坂道をのぼりきったところで倒れた
こんな感覚はじめてだった
喫煙所のスーツたちが対面の病院に連絡してくれた
あまりに近かったものだから乗用車で迎えに来てくれた
そのあいだも馬鹿み ....
チェシャ猫はティーパーティーが大好きでした
アリスも呼んで午後のひとときをなごやかに過ごしたら
白ウサギが言いました
すでに時は来たりまた次の物語を綴らなければ
不思議の国は終 ....
裏切られるたび疑い深くなる
そしてそんな依存はやめようと思う
溜め息を吸い込むようにして
他人のこころをからだに通してゆく
ちいさな自分に開き直りながら
そのなかに常住のこころを探している
{引用=――はるな「物語たち」に寄せて}
つめたい夜がやってきて
わたしの両手の爪を、一枚いちまい
丁寧にはいでいった
つめたい夜がやってきて
物語の ....
助手席専門家 御嬢様ではない
サイドミラーはテクマクマヤコン
太陽の光が一番美しく顔を映す
助手席専門家 顔写真つきの身分証明書がない
飲み物をたまにこぼす 運転者に文句は言わな ....
スタートラインはみな一緒だった
だけど長く厳しい走破の途はそれぞれ
舗装された途を走るもの
獣道を注意深く走るもの
畦道を田圃に落ちないように走るもの
砂利道を痛みに耐えながら裸足で走る ....
本当に欲しい物を 手に入れる旅に出かけよう
必要な物だけ鞄につめこんで
きみは ひとり 旅に出る
大きな山脈も 美しい谷川の水も
たくさんのビルも 小さな村も
まるで どこかで見た景色
....
その何気ないひとことに
心は固まってしまった
季節は巡って
またバラの花が咲く頃
立ち止まって
うずくまっている間に
バラの季節は何度通り過ぎたのだろう
....
?
どこやらの詩人も嘆いていたが
愛は日々の暮らしにぶつかって
粉々にくだけ散るものなのか
唯物論者の群れに追い回されて
メッタ切りの憂き目に遭う運命なのか
....
村上春樹ではない僕の風の詩を描こうと思った
ラヴェルのモダンなピアノ曲を聴きながら風を思った
風は自由だ
あくせくしないし
僕たちは単純に生きる事を学べるのではないだろうか
ゆるやか ....
夜でもない朝でもない
真昼が俺にはお似合いだ
納屋の小麦を盗み喰う
そんな手口もいたについて
俺は名無しのガスパール
尖った爪で花を摘み
あの娘の窓辺に飾るのさ
誰ともし ....
回収する気のない伏線を張る
恋の病と連投続き悪霊憑依でかたおもい
大きな地震がありました
とんでもない津波がありました
爆発して放射性物質が飛びちりました
自然もにんげんがつくったものも
にんげんも
こころの行き場に無関心でした
....
だらだらと生きている
のうのうと生きている
うだうだと生きている
世間を欺き生きている
自分を騙して生きている
笑いをつくり生きている
怒りを見つけ生きている
元気にみせて生きている ....
優しさで解決できないものは本来問題ではないのだな
めざしのような
ししゃものおなか眺めては
惚れたと思ったあの気持ち
いったいどこへやったのか
箸でみそ汁つついて探す
夕餉の残 ....
こころを見つめていた
だからなにをやっても
伝わっていなかったんだ
傍観者ではだめだったのだ
こころをこの肉体に
いちどはぜんぶ通してみなきゃ
傍観者ではだめだった ....
晴れた日にうたう歌がある
雨の日ににうたう歌がある
僕には、歌がある
意識の地中に
閉じ込められた想いは
言葉になることも許されず
凍てついた時間の底で
膝を抱え込んでいた
想い出したように吹く
溜息によく似た風を頼りに
出口を探したこともあったが ....
化石少年は砂岩の中にある海中生物の
痕跡に魅入られていた
数十万あるいは数百万年の時を経て
無名の海底生物の生きた証左が地の中の眠りから
主亡き痕跡という奇跡の造形のままよみがえる
....
プラナリアに会いたい
永遠の命かもしれないプラナリア
世界は、春霞ではない 黄砂だ
降り注いでいる微妙な沈鬱が 世界を覆っている
それでも 季節はまだ めぐっている
水仙の花は ....
鼻がかったほのかな声
それを聞いていると
口では言いたくないことを
つよく固く思ってしまうのだ
おまえのすべてがうまくいきますように
すべてのなかのその一つが
しょ ....
露天の さまし湯に 独り
寒緩む月の右側に 一番星
やがて 一つ二つ
あとは
何を思うわけでもなく
考えるわけでもなく
湯煙と たわむれながら
....
絶望のしずかな荒野に
インスツルメンタルが鳴り響いていた
降りつもる痛みや悲しみ
こぼれ散るひかり
ゆっくりとゆっくりと
絶望のしずかな荒野に
インスツルメンタルが ....
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