己が一番美しい時に
化粧を覚えた少女は
素の顔を誰にも見せぬまま
女となり
老女となり
やがて
横たわる冷たい屍となる

その顔に
再び恭しく施される
化の粧

唇に置かれた紅 ....
彼はどちらかといえば
常識的な犬であった

子犬の時代には無邪気さがそのまま
天衣無縫な彼らしさとして愛された

けれど訓練士によって人間の基準を
与えられた代わりに彼は常識的な成犬にな ....
ほら、風だよ
君のやわらかなほっぺをなでていったのは
みえないものは優しい友達

ほら、風だよ
みえないものは みえなくていい
みえないものは みえないからいい

ほら、風だよ
いつ ....
蛇がとぐろを解き始める まっすぐ進む為に

山々は賢者の年月を重ね 黒髪の若さを絶つ

純白の息を積もらせる この冬

 爪垢の取れない曇り空 目に入る雪の棘

 名残の竜は最後まで  ....
イルミネーションに着飾った
賑やかな街をぬけて
ヒンヤリ静まり返った冬夜の住宅街を
君と僕は二人きり
ふざけあいながら歩いてる


頬に突き刺す冷たい風に視界の街灯が滲むけど

僕の ....
遠く遠く僕たちは白い道を歩いてきた
乾いた地面だけが妙に優しくていつも言葉を交わしていた

ロードムービーのしらけた優しさが僕のはじめての街の外だったのかもしれない
泣く場面さえ無い役者はただ ....
まどのこちらで膨らむレース
とぎれなく ひたながく
ひかりでいっぱいにささくれた
哲い うすみどりの風がおしいるのは
それは祝福ですわと
すずめたちがけたたましく喉をまっすぐにする
色とり ....
勉強が嫌いな私教師です学生服が大好物の 蚊の鳴く声に起こされる 炬燵から家族の頭生えている 女子十二楽坊のはなしではない。
もちろん彼女たちもまるで天女のごとく神々しく映るのではあるが。

僕の中学時代のマドンナはピッコロを吹いていた。
紛れも無くルノアールの美少女にも似た麗しのいと ....
枯れ落ちて、
地面に溜まった
老葉達が

カサカサ、かさかさ、冷たい早朝の風に
震えてる

白い息を吐きながら
ジョギングする人

大きい犬を散歩する
ダウンジャケットの人

 ....
カップがソラだとしたら
コーヒーが注がれて
夜が来る

苦い夜がニガテであれば
ひとすじのミルクが注がれる
銀の匙は使わない
やがて白い雲は 時間に溶けてゆく 

どこかに月が隠れて ....
友よ 教えてくれ
いったい何処へ行くのだろう

君とは長い付き合いだ
離れてはいても仲間たちと繋がり合っていた
私は決して孤独ではなかったが
すぐ側にいた君と親しくなるのに時間はかからなか ....
君は少年のような頬と
薄い胸をしていた

感情が高まった時に
鋭く視線をさまよわせては
まるで炎を吐くように絶叫するんだ

震える肩からは
幾筋かの血が流れ
世界を汚していった

 ....
モンマルトルに世界樹が生えている
世界の中心から その根は 枝をほそらみ
スローモーションで 人々が朽ちるときにだけ
冴えざえと 好き勝手に舞いながら 全体としてと統一のとれたリズムで
 ....
{画像=121205153412.jpg}

稲荷寿司と太巻きが

如何に御馳走であった事か

材料は安価であるが

手間は恐ろしくかかる

ハレとケの区別があった時代

日々 ....
胸の中に生まれた種子に密かに雨を降らせる

晴れた昼下がりに教室を抜け出して光を与える

水槽から逃亡して肺呼吸を取り戻せ

摩擦による熱で発火 ノロシ

発芽に必要な条件を満たしてい ....
たまたま進化考古学という謳い文句の本で
出会った言葉

物の形の変化を三つのレベルで示している

時代地域を超えて普遍かつ不変な要素をフォーム

スタイルとはフォームの機能を満たしながら ....
わたしはまだ、
本当の血を流していない

わたしの足元から
見えない厚い雲が
ゆっくりと動く
雲と呼吸を合わせると
静かに痛む、
嘗てのわたしの部屋

大きな流血の ....
悲しんではいけないよ
なんて決まり文句
どこでも拾うことはできるけど
悲しみ
そこいらに落ちているもんじゃない
背後から黙ってやってきて
いきなりけられるようなもの

泣いてはいけ ....
枕元に
吾輩は目覚まし鳥を飼っておる
朝六時
けたたましくそいつは鳴く
日に ひとたびしか鳴くことが叶わぬゆえ
遠慮などこれぽちもしない

起きなければならぬ
なんとも理不尽であるが仕 ....
エントランスとか言うな

工業地帯にほど近い

どこか鉄の匂いのする町の

杉板貼りの二階建て

くもりガラスの引き戸

開ければ土間と廊下

左手に下駄箱あり

廊下のは ....
蹴らないで踏んでくださいお嬢様子猫が踊るワルツにのって 万馬券的中したの報告は誰にもできず独り焼き肉 記憶はなにを食べて生きながらえているのだろう

指先から冷えていくのを彼女はまだ気づいていない

埃を吸ったあとの掃除機をそっと抱きしめる

モーターの余熱が伝わって やっと明日につながる ....
寒中恋酒女

壊中金銭薄

身中満妄念

偲遠過去多々罪障

望月落涙虚

残少人生希清廉

要身辺整理整頓


遥山冠雪語狭小我

宇宙大深志更遠

自由何処在 ....
フレドリック・ブラウンの死にいたる火星人の扉という創元社の文庫本
推理小説だが
彼には火星人ゴーホームという超絶な作品もある

火星年代記というレイ・ブラッドベリの名作

火星の赤い砂はア ....
  積み木の赤い部品が
  緑のうえにそっと載る



  駆け抜ける電車の影が
  血の気のない床を砕いて
  それから
  途絶えて消える
  轍のひとつも残さず
   ....
  おまえはだれだと
  蟻が訊く
  秋枯れの
  木の根をしいんと横切り
  くたびれた靴の色より
  鮮やかなぼくの影
泡沫恋歌さんのおすすめリスト(5138)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
化の粧- 夏美かを ...自由詩22*12-12-8
自殺志願の犬- 梅昆布茶自由詩812-12-7
遠い丘から- そらの珊 ...自由詩1012-12-7
蛇年へ- 朝焼彩茜 ...自由詩512-12-7
小さな愛- キダタカ ...自由詩3*12-12-7
月___桑田のおまけの歌- 梅昆布茶自由詩312-12-7
まなざしにも自由の刑の宣告_(幻肢の砦たち)- 乾 加津 ...自由詩15*12-12-6
勉強- 北大路京 ...短歌412-12-6
蚊の鳴く声に起こされる- 北大路京 ...自由詩612-12-6
炬燵- 北大路京 ...俳句312-12-6
器楽女子的幻想- 梅昆布茶散文(批評 ...312-12-6
そんな気分- キダタカ ...自由詩3*12-12-6
朔_或いは静かな底で- そらの珊 ...自由詩2712-12-6
存在と錯誤- ただのみ ...自由詩28*12-12-5
パティ・スミスのように- 梅昆布茶自由詩1212-12-5
樹木のセミヌード- るるりら自由詩9*12-12-5
御馳走について- ドクダミ ...自由詩7*12-12-5
ゴールド_レクイエム- そらの珊 ...自由詩712-12-5
フォーム___スタイル___モード- 梅昆布茶自由詩312-12-4
『生血』- あおい満 ...自由詩8*12-12-4
ぐっどらっく!- 乱太郎自由詩19*12-12-4
吾輩はペットである- そらの珊 ...自由詩1212-12-4
「アパート」四歳の記憶- ドクダミ ...自由詩7*12-12-4
- 北大路京 ...短歌412-12-3
- 北大路京 ...短歌312-12-3
自家中毒- そらの珊 ...自由詩16*12-12-3
えせ漢詩- 梅昆布茶自由詩1012-12-3
火星の銀色の月- 梅昆布茶自由詩2112-12-2
積み木- 草野春心自由詩712-12-2
- 草野春心自由詩712-12-2

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172