誕生日
私の多面体の面が
またひとつ増えた

生まれた瞬間は
まんまるだったはずなのに
歳を重ねるごとに
ひとつずつ面が増えて

今では寄せ木細工にも似た
得体の知れない多面体 ....
石灰岩の岬で その木は咲いていた
岩礁を咀嚼する波しぶきで、真夏だというのに咲いていた 桜の木
あの花は  きっと永久の入り口を見たのだ

桜は黄泉を観ていた
泣いている人々のことは  ....
君はダイイング・メッセージをのこしていたのかもしれないが
わたしは自分のことで蹲ってしまっていて

予感もあったし想定内だった
また、かい(幾度目のため息だろう)

もう同じ名ではここへ来 ....
儚そうにしているので
水をあげる

儚そうにしているので
そよ風に頼んでみる

儚そうにしているので
歌って聴かせる

儚そうな顔をやめないので
そっと立ち去る


ものかげ ....
満開のソメイヨシノ

春の強い風に散り
工場のタンクや配管に
まばらな花が咲く

工場の町の春景色


自家不和合性のこの桜は
開花して
ソメイヨシノどうしで
受粉して結実 ....
<さよならのあと>
さよならと言えないでいるのは
さよならが辛いからではなくて
さよならのあと私ひとりで
さよならより狂おしいものが降りそそいできた時
それは必ず降りそそいでくるのですが
 ....
最近の子供は、外で遊ばない。
だからだめなのだ。
体も、心も、社会性も育たない。
家の中で、しょっちゅうゲームとSNS。
昔はこうじゃなかった。
最近の子供は、まったくだめだ。


 ....
コツコツコツ深夜の足音
ゴソゴソゴソ深夜の物音

何をしているのだろうと
訝りつつ目覚めれば深夜

安眠を妨げる足音や物音
決まった時刻に乱される

ドアを開け見渡しながら
誰もい ....
破裂した精神から
無数に咲き乱れる
色とりどりの気球
大気圏を目指すアストロノーツ

「僕らはこの星の火傷そのもの
 剥離する瘡蓋だ―― 」

 ――なのに捨てきれない!

抱き寄 ....
誰もが夕暮れには傾いて見える
家へ酒場へあるいは虚空へと

夕暮れに姿勢がいいのは
電信柱と案山子だけなのかもしれない

僕はきみに傾いてゆきたい
いつかきみの傾きとぶつかるまで
春風を聴きながら
英語の詞を追う
淡い面影を見出しながら
完結された物語のプロットを手で温めている

この説明のつかない衝動に
小さく恋と名前を書こう
もはや自傷に近い愚行だと
ささく ....
いまは幾度めの春なのだろう
遠い昔のような
つい昨日のような

子供たちもそれぞれに
この世界のどこかへ
紛れていった

いまも日々の食をもとめて
彷徨う身にも春はやさしい

な ....
空がこんなに青いのに
死にたいと嘆く 冷蔵庫101号室に住んでいるレモンなんてジュースにして
空のそらぞらしさなんて
御構い無しに たわわに実った 金柑の実を小鳥のようについばんで
よもぎのパ ....
君に会えないその時は
花でも摘みましょうか
それとも窓辺で
恋歌でも歌いましょうか

花占いももう飽きた
君は{ルビ何処=いずこ}の空の下
誰を待っているのでしょう

さらさらさらさ ....
コロコロココロコロガッテ

何処かへ行きたくて

誰かと出会いたくて

コロコロココロコロガッテ

新しい匂いを吸い込んでみたり

柔らかな生まれたての感触を

頬にあててみた ....
アートとして オブラートとして
暈しの中に一点を見極める器量を求める

100人せいぜい10色位なもんだ
大まかに跨ぐ心理のテキスト
詳細なんて気にするな 単色がラッキーカラー

君は何 ....
一本の桜樹の隣に佇んでいる
赤いスカートの少女の笑顔は
難しくてきっと誰にも
読み解くことはできないだろう

花は満開で風から逃げながら
逃げ切れずに儚くしている
舞う薄桃色に歓喜する
 ....
聞こえるだろうか? 一枚の、

絵画が

まるで、狂喜の

舞踏会 そして 夜のしじま

戻りなさい  

描くように 描くように 

微笑みを浮かべながら

描くように
 ....
桜は
冬から咲く準備を
しているらしい

前へ
前へ
進まなければ

今は明日のため?
今日は昨日の結果?

のんびり見上げたはずの
桜が遠く感じる
春は自分を省みるとき
乗用車一台通れば
塞がってしまうほどの道幅
両側の家並みに
人は暮らしているのか
いないのか
どこも無口で
通り抜けるにも 身構えて
足音忍ばせ 
辺りに目を配る

ここは都会 ....
昔大きな戦争があったことを
食卓のバナナは太陽に教えてもらった
黄色い時代だったという
バナナは自分が青かった頃に住んでいた国について
通りかかった風に話し始めた
小さな島がたくさんあっ ....
待望のデートを流す土砂降りはテルテル坊主のジェラシーのせい ちりちりと音立てもえる炎には
踊る火の子どもがいて
芋が煮え 栗が爆ぜた

囲炉裏の炎に燃え上がった
ファンタジー
雀が踊り 鬼が泣き
ああ 狸の背でもえる炎
を冷ややかに
うさぎの ....
重力を連れて散歩に出る
途中で箱に捨てられた電卓を見た
すでに衰弱して鳴く気力もない
可哀想だったが液晶は嫌いだ
電圧に媚びを売る様が正視できず
家に連れて帰ることができないのだ
ポケット ....
ねえパパ
最近 
珈琲カスをあまり食べられなくて
ミミズがかわいそう

娘たちがリビングで飼育している
数千匹のミミズ達は
私がドリップした後の珈琲のカスが
大好きなのである
だ ....
結論がない朝 風が素通りする 乳児用の細軸綿棒で耳掃除をすると
耳の奥深くに綿球が入り込み
ふつうの綿棒では届かない部分で感じるわずかな痛みと恐怖が
心地よい

目には見えぬ自分の鼓膜付近で
薄い皮膚と細い紙軸の綿棒が ....
かなしみをください
あなたの傷口のように深い夜に

ことばをください
書き忘れた遺書のように
端正に綴ってみたいのです

桜が眼に沁みてなぜかせつなく
なにかを教えてくれるのですから
 ....
両腕を広げて君は雨を待つ買ったばかりのレインコートで 陽炎や判子をつきて終わる恋
泡沫恋歌さんのおすすめリスト(5140)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
多面体- nonya自由詩27*14-4-7
【嵐】_根を張る- るるりら自由詩16+*14-4-7
にゃーご十匹- もっぷ自由詩314-4-7
その花は- もっぷ自由詩914-4-7
恋い焦がれてソメイヨシノは咲く- ichirou自由詩15*14-4-5
さよならのあと_など四篇- クナリ自由詩2*14-4-5
バブルス_チルドレン- クナリ自由詩10*14-4-5
足音・・・- tamami自由詩1714-4-5
地球詩人- ただのみ ...自由詩24*14-4-4
夕暮れ- 梅昆布茶自由詩2514-4-4
恋と創作- モリー自由詩4*14-4-4
三毛猫のうた- 梅昆布茶自由詩1914-4-4
ちいさなコントラバス- るるりら自由詩21*14-4-3
花曇り- 未有花自由詩20*14-4-3
コロコロココロ- 灰泥軽茶自由詩714-4-3
アートとして_オブラートとして- 朝焼彩茜 ...自由詩11*14-4-2
桜の若樹と赤いスカートの少女- もっぷ自由詩514-4-2
薄紅の炎- ハァモニ ...自由詩4*14-4-2
省みる春- 朧月自由詩514-4-2
- イナエ自由詩9*14-4-2
落花生- 乱太郎自由詩25*14-4-2
待望のデートを流す土砂降りはテルテル坊主のジェラシーのせい- 北大路京 ...短歌514-4-1
IHクッキングヒーターが来た日に- イナエ自由詩9*14-4-1
重力を連れて散歩に出る- 自由詩1614-4-1
珈琲好きのミミズの件- ichirou自由詩5*14-4-1
「現代詩フォーラム」について- 空丸ゆら ...自由詩714-3-31
細軸綿棒- ichirou自由詩8*14-3-31
憧憬。春- 梅昆布茶自由詩24*14-3-31
両腕を広げて君は雨を待つ買ったばかりのレインコートで- 北大路京 ...短歌514-3-31
陽炎や判子をつきて終わる恋- 北大路京 ...俳句314-3-31

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