―歩いていたのは七〇年前―
前方は霧に閉ざされて
先導する人は見えない
が 上空に山の頂が透け
笛の音は聞こえる
山の頂き
そは 蜃気楼か 実象か
先導する者は知っていると ....
神様は意図的。
巡り合わせを信じる貴方の方が意図的。
またしてもカウンターの前に表れた、感じがいいから 、だとか、 好みだな、 だとか…
一瞬の煌めき
…ああ この人はひょっとしてこん ....
――卵がない!
よりによって
妻が亡くなってから
最初の息子の誕生日
わたしは初めてオムライスを作った
息子の大好物
記憶の中の見よう見まねで
決していい出来ではなかった ....
うまれいずるものを
おさえこむちからもなく
うまれいずるものは
しずくとなりわたしの腕から流れ出る。
宿命と名づけた
うまれいずるものは
わたしの耳を支配し
目をからめとっ ....
いつだか忘れるくらい昔のことだ
うたたねをしていたやかんは飛び上がった
お尻に大火傷を負い落っこちた
あららお水を入れ忘れた
それにしても駄目なやかんねえ
優しいおばちゃんは呟いた
無茶苦 ....
蒼くて暗い水槽で
浮かぶ海月のそのさまは
まるでたましいのようなこと
ふうわりとぷかぷかと
あてどもなくぶらぶらと
行きつく先もわ ....
ビニール袋に
丸く尖ったものを
詰めていく。
手のひらは赤く腫れ上がる。
丸く尖ったものは殖えていくばかり。
急いで袋に詰めていく。
やがて袋に丸いものの先で刺した穴が開く。 ....
窓を少し開けて鏡の中を覗き込む
壁と中途半端な景色に私の顔が重なる
「今朝も生きているのだ」と思えば、
、また嫌な気分になる
それはそうと、口を大きく開けて鏡を見るのは勇気がいるのだ ....
【幸福な魚】
福はあなたのまわりに 居ますか?
幸福のフクですよ。何言ってるのですか?
福は生き物に決まっているじゃあありませんか
なになに幸福が生き物だとしたら
め ....
朝夕と寒さの残る白樺湖のほとりの美術館で娘と戯れる。
初めて間近に見る大きな影絵は色鮮やかに娘の眼前に聳え立つ。
後往く月この戯れが続くのだろう。
残された日々はあまりにも短く感じる ....
街角の雑貨店に流れるオルゴールの音色が心地よい。
店番をしている若い雌猫のカフェオーレのような顔もまた楽しい。
店の扉を押し開けてのっそりと入ってくる常連の猫は
手入れの行き届いたひ ....
ぽちゃりと音がした
呑気な頬杖をつきながら
夢を見る
楽しいこと嬉しいこと
誰かが喜び私も喜ぶ
私のとっておきの物語に
あなたが笑う
ころころ笑い
私も笑いころころ転げると
....
かみつくことをくりかえす。
これがわたしの心の生き。
噛み砕くものが増えるたびに、
ささくれだつ感情は
上昇する海水になって目の前を超える。
(怖いのか)
己に問いただ ....
まだ 目覚めていない
血液のせせらぎを聞いている
群青の影が台所を滑り
頭の中 雀が何か啄んだ
フライパンに火を入れる
蓮の花が開くように
わたしは呼び覚ます
朝はひとつの卵から生ま ....
キレイから綺麗に変わる24時「逆シンデレラ」と君に呼ばれる
死んでたらフェニックスとは言わんやろやけに激しい風が吹いてる
世を忍ぶ仮の姿がテロリストやけに激しい風が吹いてる
{引用=お隣りさんから伸びている皐月の枝に腹を立てて
お父さん、チェーンソーで切ったのよ
根元から
}
母の愚痴のほぼ全ては父のことで占められているから
電話はいつも父への悪口で終わるの ....
自然にできたグループに分かれて
植民地時代のボストンの街並みを色画用紙で再現している
春陽に包まれた5年生の教室
その穏やかな空間に一瞬そよ風が吹いて
支援クラスに行っていた娘がひらりと入 ....
『難破船』 あおい満月
(書きたいなら、食べなさい)
誰かの声に瞬きをすると硝子の壁の向こうに、
肉や魚や、
色とりどりに切り刻まれ、
煮込まれた野菜たち ....
欲求不満の女は紫の服を着なさい神も見ている
舌先が鎖骨をなぞる夜にだけI LOVE YOUと聴こえる波音
おかしいななかなか来ない救急車やけに激しい風が吹いてる
歩いている
歩いている
歩いている
やはり
歩いている
道
のようなところを
雑草が茂っていて
誰かがいつか通った
だろうと思うけれど
他の人はいないから
分から ....
五感に塩漬けされた記憶の味が
酸っぱくなってゆくようだ
母は既に亡くなり
カビの生えた世間知らずの正義と理想を
空は紐で繋いで晒し者にする
生温い風に扇がれて
都会のビルの間で尾鰭を振 ....
あたしの母親の両脇腹には
あずき色に腫れあがった
おびただしいインスリン注射の痕がある
あたしの母親は重度の糖尿病で
両眼は白内障で目が見えない
向かって右目は
塩焼きにしたあ ....
夕方にややふくらんだ足があり人も満ちて夜をむかえる
それぞれの耳にはそれぞれの音あてがわれてイヤフォンの白い線
半分にきっちり分けること出来てやっぱり冷たいアイスモナカ
飛び立ったば ....
何かを食べる。
咀嚼する。
ばりばり、
見えない何かは消えていく。
(求めてはいけないよ、自然にかえればいい。)
そう肩を撫でられても、
わたしは雑踏の海を
溺れながら ....
どの君も覚えていよう桟橋にやけに激しい風が吹いてる
僕だけを乗せぬ列車のわすれものやけに激しい風が吹いてる
無名指で前髪を除けきみは言う「やけに激しい風が吹いてる」 ....
蒸発しそこなった昨日の雨は
道路の上で
小さな鏡になり
今日を映している
赤犬がうわずみを飲むたびに
現れるさざ波は
やがて左岸に消える
わたしは
人生において しそこなったことの
....
泡沫恋歌さんのおすすめリスト
(5138)
タイトル
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カテゴリ
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日付
「ハメルーンの笛」に曳かれて
-
イナエ
自由詩
11*
15-6-28
ひとめぼれ/仮に
-
アラガイ ...
自由詩
7+*
15-6-28
『年中行事』__卵から始まるはな詩⑤
-
ただのみ ...
自由詩
14*
15-6-27
ヤモリ
-
あおい満 ...
自由詩
7
15-6-27
やかんとおばちゃん
-
宣井龍人
自由詩
10*
15-6-26
蒼のなか
-
石田とわ
自由詩
11*
15-6-26
十字架が浮かぶ島
-
あおい満 ...
自由詩
4*
15-6-25
歯磨き
-
アラガイ ...
自由詩
10*
15-6-25
さかなかな(三篇からなるオムニバス)
-
るるりら
自由詩
9+*
15-6-25
湖畔にて
-
ヒヤシン ...
自由詩
6*
15-6-25
愛というもの~永遠と呼べる一瞬
-
ヒヤシン ...
自由詩
10*
15-6-25
呑気な頬杖
-
灰泥軽茶
自由詩
3
15-6-24
マンホール
-
あおい満 ...
自由詩
3+*
15-6-24
『目玉二ア』__卵から始まるはな詩④
-
ただのみ ...
自由詩
13*
15-6-24
キレイから綺麗に変わる24時「逆シンデレラ」と君に呼ばれる
-
北大路京 ...
短歌
4
15-6-24
死んでたらフェニックスとは言わんやろやけに激しい風が吹いてる
-
北大路京 ...
短歌
4
15-6-24
世を忍ぶ仮の姿がテロリストやけに激しい風が吹いてる
-
北大路京 ...
短歌
2
15-6-24
チェーンソー
-
そらの珊 ...
自由詩
15*
15-6-24
ものさし
-
夏美かを ...
自由詩
36*
15-6-24
難破船
-
あおい満 ...
自由詩
8*
15-6-23
欲求不満の女は紫の服を着なさい神も見ている
-
北大路京 ...
短歌
2*
15-6-23
舌先が鎖骨をなぞる夜にだけI_LOVE_YOUと聴こえる波音
-
北大路京 ...
短歌
5
15-6-23
おかしいななかなか来ない救急車やけに激しい風が吹いてる
-
北大路京 ...
短歌
3
15-6-23
見えないわけじゃないけれど見えるわけでもなくて
-
はて
自由詩
4*
15-6-22
六月
-
乱太郎
自由詩
11*
15-6-22
アリア
-
あおい満 ...
自由詩
7
15-6-22
水の月
-
そらの珊 ...
短歌
9
15-6-21
呼吸
-
あおい満 ...
自由詩
5
15-6-21
Intense_Wind
-
Rin K
短歌
7*
15-6-20
紫陽花の季節
-
そらの珊 ...
自由詩
13
15-6-20
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