貝柱バター醤油で焼きましてさあどうしようワケありホタテ
埃だらけのコンクリートに影を焦げつかせ、
立っているひとりぼっちの後ろ姿を見つける
のに君がずいぶん手間取ったのは、二歳の子
には高すぎる太い鉄柵がちょうど君の視界を
遮り、そこからコンクリ ....
空っ風の吹く夜は
別宅の湯屋のうすい硝子戸が
ぶるぶる震えて怖かった
ぼんやり灯る電球の下
木の蓋をとれば
お湯はもうもうと息を吐く
祖母は
もう、いいよ、というまで
ごつい亀の子 ....
愛染夜曲をききながら
たいして飲めやしないお酒をちびりちびり
いつの間にやら夜が更ける
*愛染夜曲 http://www.youtube.com/watch?v=gwc ....
永遠の生命ってよくSF
なんかに出てくるが退屈だろうなっって思ってしまう
もちろん駄作でも良いから
詩みたいなものを書こうとも思わないだろうし
有限な物の限界を嗤っても
生命の実感は ....
接続詞を
石の上に載せ
はげしさを宿した鉄でもって
あなたが叩いている
灰色の部屋に閉じ篭って
その外を通りがかると
カンカンと逞しい音がきこえる
....
明るさに越える 華やかな人生を進む
時に小さな石ころを山と見積もっても 積るのは徳だけ
迷いなんて解ける糸なんだ 解かなくても
一歩引いて望めば オーロラに映える等身大の雪の結晶
一粒 ....
言葉、とは
不思議なものだ
スリッパだと覚えれば
スリッパ以外の
なにものでもなくなる
寒い冬
人の足をあたためて
踏みつけられているくせに
そのいでたちは
ほんのり可笑しみを含 ....
あの日掬ったひかりは
いつかカタチとなり
カタチとなったからには
失われるのだろうか
案じながら
モニターで監視している
こんな灰紺の夜に
まばゆさを
*
....
人日に口内炎を見せる人
今年また七草粥を一気飲み
燕は何故に
王子の頼みを受け入れたのでしょう
王子の目指すのが不幸の撲滅だったから
と
わたくしは考えます
命をかけた燕の最後は悲惨でしたが
王子も悲惨を極めます
....
ただそこに在る 思考より感情を含む空気
色だけ覗けば 桜を待つ橙色 生命の明るい炎
窓を邪魔とも云わず 柔らかく射して来る ここへ来る
四季がまた美しく溶け出す マーブルにキラメキを添え ....
冬をついばむ
くちばし
幼い蕾が
羽ばたく季節の夢をみている
今はまだ色を持たずに
たくさんのおみくじが
今年の枝に結ばれて
羽ばたく明日を待っている
少し前まで
小さな ....
なんでこんな夜中に書いてるんだろうとつくづく自分を馬鹿だと思う。
トルコのセダトとムスタファがけっこう好きだった。
日本の大証上場をうたい文句の中企業で一緒に現場をやっていたのだが
さすがに ....
ひとりのひとを ほんとうに愛することができたら
多くの人に愛される 気がします
あかちゃんの頃から
ひそかやかに息づいている初々しい清水を
ゆっくりと 汲みあげ
丸い透明な器にいれて窓辺に置く
水の中に虹を 見つけた
こどものころから 不幸せな場所にな ....
ききみみは みぎか ひだりか
自分でも わからなくなったので
るるるっと まわして ききみみをたててみる
まさか ほんとうに
つまり これは 透明人間になったということだ
....
調律をした
二輪車が
周回路の直線を
駆け抜ける
咆哮はワウと呼ばれる
振動を伴う
それは乗り手を栄光のゴールに
恐ろしい競技だと思う
安全に返って来る事を
願って
部品を ....
えっ……、
「どうして? どうして会えないの。」
「外山先生はね、また、猫にもどっちゃったんだよ……。」
猫に……?
えっ? なによ、それ……。
「鈴木さん! わたしね、すごく真剣な ....
人がいないことのかなしさ
戻ってこない哀しみがおおう
巻貝の自由だってもうちょっとましかもしれない
ただ居ても伝わらないかなしさが一番だったかもしれない
いつも人を否定しながらそれ ....
手を貸さない優しさが
君の中から
溢れだし
依存させない優しさが
僕の中から
こぼれ落ちた
いま、
重い夜が明けはじめ
眩い光がひろがってゆく
それはきっ ....
あなたのかたい頬
思いのほかやわらかくて
その冷やかな瞳にも
熱い涙は宿るのだが
心の奥深くに一つの扉があって
それは故郷へと繋がっている
絶対零度の沈黙
この地上の何よりも冷たい場 ....
みえない森の方角から
霧を纏い
しなやかな足どりで
私の窓の下に来る
ひかる夜露に足を濡らし
銀色のうぶげを欹て
耳をすましている
胸を刺す
たしかな気配
明かりとり窓のはるか下
....
ほら
めかくしをすれば
大丈夫
この世の全てのかなしみを
わたしの手で
隠してあげる
あなたが
もういいよ、といったなら
指のすきまを開けましょう
朝
目覚めて
しずしず ....
強さとは野蛮とは何
研ぎ澄まされた刃で誰を斬るのか
姑息な闇はもういいとおもった
死がもたらすものの方が正直だと
首を刎ね八つ裂きにしても僕は生きるのだろうか
キンメリア ....
僕の家の水道水には
カルキとカルマが含まれている
カルキは浄水器で
取り除けるかもしれないけれど
カルマはおいそれと
消えて無くなってはくれない
僕は毎朝
カルマで顔を洗 ....
えら
背びれ
くちばし
翼
囚われている
その範囲からの逸脱は
一方には死
もう一方は生を意味する
彼にはその水槽こそが出発点であり
前提であり結論である
保障され ....
橙を頭にのせてハイチーズ
双六で『ひみつを言う』のマスとまる
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