きみのゆかた姿が見たくって 誘った夏の金魚花火 まつりの雑踏の中に 大好きなきみのうなじ
手と手をつないでぶらぶら歩く でも知ってるんだ きみが想いをよせてるひとは俺じゃないって
いとしの ....
あつい雲に夜空は覆われ
月の光がとどきません
それでも夜空をみあげ
かすかな光を探すのです
愛を謡う千の夜がありました
....
幼い子供達とはあまり遊んだことがなかった 家のローンがのしかかっていた
人生でもっとも不要なもののために 一番大切なものをないがしろにしていた
時代の風は遥か家族の上空を吹き過ぎて行ったさ ....
憂いでも
蔑むな
笑っても
嘲るな
怒っても
憎悪を飼うな
泣いても
己ばかりを憐れむな
楽しめ存分に
できることなら誰かと一緒に
叫べ
耳は塞がずに
....
星降る夜に
ノクターンを
あなたと並んで
聴いている
深い漆黒の風
灯りは湖の漣だけの
ショパンが
似合いすぎる時間
千回目のメールの後に
やっと会えた二人
だから ....
焦げつくほどの灼熱の道
このまま歩いて行けるだろうか
じりじりと焼かれ続け
息絶えてしまうのではなかろうか
あぁ、それでも
....
LDだの、ADHDだの、自閉症スペクトラムだの
九歳になったお前に 世間は余計な名前を被せたがる
だけど お前に授けた唯ひとつの名前、
それはマリだ
英語ではMarie
表記上 e が入る
....
プロペラから
風が生まれる
その中心を
つかんで
風を止められるかどうか
幼いきょうだいが
度胸だめしをしている
扇風機の首振りボタンで
風を分けあって
涼と熱を共有していた
....
あなたの心が雨ならば
花柄傘を差せばいい
花柄傘が無いならば
お部屋で写真の花をみる
お部屋に写真が無いならば
お部屋で鏡をみればいい
あなたのお顔が映ったら
お口の両端あげてみて
ほ ....
星からおちた小さな人が 走る
走れることが ただ 嬉しくて
他の子たちが小さな人を 追いかける
笑いながら走っているから 追いかけたくて
星だったころだって 走っていた
回れ ....
35000フィートの
高さで
時速580マイルの
速さで
華氏ー45度の
冷たさで
まっすぐ伸びていく
今日の航跡を
昨日の
何処かから転がり出て
一昨日の
坂道に置き去 ....
光と影が交差した
あの日、
蝉が死んだ
探し求めた、あの日から
どこへ行ったのか
....
愛は心臓ではありません
ひと刺しくらいで死にません
悶え苦しみ血を流し
こと切れるまで幾日も
血が乾くまでに幾月も
断末魔のその姿
もとに戻るには幾年も
愛は蛙じゃありません
....
【ロゼット風】
両手両足は よく動く パペットマペットをつけたみたいに
たんぽぽの根は 大地に動く
たんぽぽの種は 空に動く
いまは 雨で どこにもたどりつけないよう ....
問【食べ物を残すと祟られるのだろうか】
答【ライオンに きいてみました】
ライオンとして 食べ残しは ハイエナにあげました
すてきな死肉でしたが ハイエナは かみさまに感謝したでしよう
先 ....
象
ふるさとの草原も夕日も君は知らない。君の母親も父親もふるさとを見たことが無いからその広大さも見事さも話に聞いたことすらない。そこに憧れることもなく、ただ与えられたスペースを歩き与えられ ....
上野発の夜行列車に乗り遅れた時から 不忍池のベンチで夜を明かした ホームレスの気分
元カノから会いたいという連絡あり やけ棒杭はいまさら火がつくのだろうか
かつては大好きだったのに冷めてしまう ....
夕暮れても
大地の熱は
冷めやらず
もうすでに
花も穂も枯れ
ただの茎となったすすきは
すとろうとなり
土に埋まる子らは
それを吸って
生き返る
一本であったら
孤独に揺 ....
朝顔のみつめる先に雲の白
夏残る一握の砂星の砂
雪予報お庭を思い眠るポチ
聞いてるかい聴いているよとイヌフグリ
コカ・コーラレモンを添えて夏を飲む
....
テディの目ボタンがわたしを素通りし壁をみている壁になりたい
きょう美術館でシャガール展は観なかった
美しい青が踊り
悲しくなって微笑んだ
僕は僕の人生とミスマッチしている
一人の時にだけ呼吸する
奇妙な半魚人だ
夏に生まれな ....
枝豆を茹でる
さやには産毛がひしめいて
そのあおい膨らみに
おまえが未成熟のまま
刈り取られてしまったことを
想う
夕立は夏の序曲
塩をふって
硝子の器に盛り
冷蔵庫に冷やしてお ....
どの道も
少し進んだところでたち消える
草原の三叉路
生い茂る草は風の方角に
倒れては起き上がる波
恋慕い
探し求めたものを見失い
(つまり触れ得た事のないものの喪失のあげく)
....
幅の広い
プラスティックの襟を
唐突に立てて
上目遣いで
僕を見つめる君は
結婚しなかったエリザベス?世ではなくて
去勢されたうずまき猫
好奇心のまま
何処かに突っ込んだ
左 ....
夜の無人島は試金石のようだ
あなたの口が おさかなみたいに
「ほら みてごらん海蛍だよ」とうごいて
漆黒に さよふく海の限りの無さを
その生き物は 敬虔な光りで流れる
潮に洗われて ....
パチンと弾けとんだ
洗濯バサミ
ひらいて、はさむ
どんなに風の強い日だって
あなたがいいというまで
ただもくもくと
しがみついてきた
のに
繰り返されてきた
しごく簡単な仕組みが ....
一日の始まりに洗濯をする
きのうの下着やタオルを
まっさらにして天日に干す
暑い暑いといいながら
熱風のような空気の中で
....
太陽のしたり顔を避けて
君の水辺へ下って行きなさい
蜉蝣の翅のように影を透かしながら
夏の斧で頭を割られるその前に
美しく人目を避けながら
地下のカフェへ逃げ込みなさい
壁画を歩く蛇の ....
酸欠状態で喘ぐ金魚が
水面を見上げる角度で仰いだ空は
怖いほど明るい色をしていた
アイスクリームよりも呆気なく
溶けて流れ出したフレーズを
おろおろと掬い上げようとしたら
それは舗 ....
水中花は
水がある限り
生き続けます
におい
こえ
てざわり
ある種の予感
見えはしないのに
確かに在ったものたち
次は
何に生まれ変わりますか?
一秒に
『チョモラン ....
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