ねじられた
つぼみは
夜のさざなみに
ゆるゆると洗われて
空が
ほんのりあけるころ
星の形に開きます
命、うすむらさきに笑ってる
私の心も
ほどけてゆきました
本日は
絶好の洗濯日和
見上げる雲は
穏やかな光に浸されて
へたくそな君のハミングが
靴下とシャツの森で揺れる
色とりどりの洗濯バサミが
タオルと枕カバーの ....
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*
* おばけあります
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居酒屋の柱に 【おばけあります】ってあるから
....
最前列に磔刑宛ら固定され
急な坂をゆっくりと上って行く
頂上に何が待ち受けているかは分っている
(何故こんな日に雨が降るのか) から
(何故雨の日にこんなことをするのか)
思いを行き来する疑 ....
餅つきに飽きて兎はナイターで月の氷を滑っています
煮詰まった砂糖が夜に冷えていきゆっくり月はべっこう飴に
おつきさま あなたの裏は永遠に知ることのない孤独でしょうか
月明かり 独り寝 ....
【記憶の塩漬け】
すべての壁は白い それぞれの壁が白さの中にも蔭を落し
直線で構成された 迷路
一陣の風がふいて 一粒一粒の白砂が
皺やよじれとなり集まり
....
午後と午前が一瞬だけ相槌を打ち
手渡される密書
時間を知る者だけに閲覧を許される
一日を均等に二分割したのは人間だけだが
月と太陽は有史以前から
地球に影を描いて輪切りにしていた
....
天気予報が
いい具合にはずれて
空に陽が差してくる
中学校の校庭
トラックに引かれた真新しい白線
「出陣」の文字が描かれた入場門
砂埃の匂いがくしゃみを誘う
テントの下に置かれたキャ ....
サーカスも消えた広場に
日付が変わった南瓜の馬車
燃え落ちた隕石
既に 青くない地球
十二色のクレヨンを握り
極彩色のテレビに見とれている児
やり過ごされていく毒の風に晒さ ....
はこぐまに であったのは
白いマストが海岸に現れたときだった
お蝶夫人の待ちわびた人は 波止場には 降りてこなかった
かわりに降りてきたものは
かるい箱のようなものを頭にかぶった熊だった
....
きっと目に見えないほどの
花びら5まい広げる花を
見つけるのだろうね
やっと つった足指を
起きない体反らせて
伸ばしてみても
それがそんなミクロの花には
....
キラキラと瞬くことが仕事です三日月の右やや斜めした
眠れずに消炭色にそまるきみ金平糖を抱きしめながら
星のない夜に星を数えています流れる星を貼りつけな ....
大きな雲は
空の広さを証明する
こんなに空が深くて
澄んでいることを
青空だけでは
はかりしれない
秋の午後を脅かして
突然の雨
雷の轟音に
台所から急いで
手をエプロンで拭きながら
昼寝している児のもとへ
布団に起き上がり
今まさに泣きだそうとしていた彼は
私の胸にかじりつく
よ ....
ダダ漏れのDark Matter 鉛色の重力
街を歩いてもアスファルトに走る無数の亀裂
から滲み出てくる闇を見つめるだけだ
ああ この皮膚がすべて剥がされても
感じているか ....
{画像=130917162815.jpg}
この幸せが
たとえば うつろいだと言えば
消え去ったあと
笑ってしまえる
この幸せが
たとえば とこしえだと言えば
消え去ったあと
....
「お父さんは、いつもむっつりしてたけど
家族は結構大切にしたんだよ。
日曜日の度に色々なところへ
連れて行ってくれたんだから。」
週六日精一杯働いて
やっと巡ってきた休日なのに
....
時間割通りに 進まない 気にかかる空気を吸い
吐きたい処に建てる 何処にでも城を
絶対死角から触覚で攻める 気儘な時間割り砕き者に
促すガスマスク 酸化した元素の気儘な様にムチで叩く ....
陽当たりと静けさを求めてこの
大きくも小さくもない寂れた町に流れ着いたおばあさんがいました
南西角の四階に住んでいました
階段の最上階です
知り合ったのは近所のスーパーマーケット
あまりに荷 ....
目覚まし時計の呼ぶ声に乳白色の霧をかきわける朝
夢の続きの小路をたどればあの古い石の門がが見えるかもしれない
丘の上の教会には孤児院が併設されていて僕の友達がいた
通りを浜のほう ....
ある満月の晩、女友達が私の家にやってきた。シャンパンを片手に。何かのお祝い? と尋ねたら「まあ、そんなようなもの」とほほ笑んだ。酔っぱらうと虚言癖のある彼女は「やっとわかったの。わたしは王女さまだった ....
いくつもの交差点を越えて
道はまだ続いている
緩やかに弧を描くカーブの先に
終わりはまだ見えない
進んで 止まって 曲がって 進んで
約束事を守って運転していても
右折してきた ....
慕情とか
郷愁とか
そんな古めかしい語句を
あてはめてみたくなる
吊り革につかまってみていた
車窓の風景
たくさんの人々の日常が
幾重にも重なり すれ違っているはずの
それでいて私 ....
九月十三日の朝
風のこどもたちは
キッチンの西窓の向こうで
すでに足踏みを繰り返していたとみえ
私が縦長の窓を押し開くと同時に
遠慮なんかこれっぽっちもしないで
じゃれあうように
とびこ ....
宇宙を 黙読しつづけて
何万回死んだかしれない
こむすめコスメ ポーチから
四方八方に轟く その呻き
きょうは
おとなしい おくさま風
おとなしいおくさま
おとなし ....
この夏を共になんとか生き延びて ずしりと重い冬瓜を買う
唐辛子 束ねて売れば店先が花屋になった花屋であった
セルリーがしなびて見切り三十円 手にとればもう戻せなくなる
無花果の星型に ....
深海魚が太陽を見る日
光のパレットナイフが
海鳴りの弦を切断する
青い狂喜で上塗りされ
それが比喩かも忘れて
人がひとり墜ちて行く
閉ざされた貝のように
白く饒舌な泡に抱かれ
記憶 ....
瞬時に言葉を
デジタル化させて送信する
そこにわたしの姿はなく
肉質を失って
闇の中には音がない
音がなくした闇は 門となる
両手で 門の形をつくり
ひかりにかざす
....
「one person, two persons, three persons」と数えてしまう人がいたら、
おしえてあげよう
「違う、one person, two people, thre ....
引越しが落ちついて
さあどこかに食べに行こうという算段になり
歩いていける距離といえば
とんかつかフランス料理風か喫茶店かお好み焼きだった
「お好み焼きアキちゃん」は
とびきりの笑顔のふ ....
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