水飛沫だけは一人前の
まるで推進力がないバタ足で
取り付く島を探し回る毎日
学校の水泳授業を
見学してばかりいたツケが
今頃回ってくるとは思わなかった
後輩の回遊魚達には
軽 ....
あるところに
猿がいた
檻に閉じ込められ
外に出たかった
いい子にします。
自由をくださいと願った。
散歩に出された。
そして曲芸の練習した
いつも首輪をしていた。
ある日首 ....
増毛剤カタログふえても髪増えず
亜麻色の髪の乙女に足踏まれ
夜が来る妻の叱咤の恐ろしさ
おじ散歩犬と一緒に立ち小便
借金のかたに妻をいらないか?
足摺岬とこずれの母思い出 ....
{画像=120616222037.jpg}
季節はなんて早く
通り過ぎて行くのだろう
もう春だと思ったら
陽の光は力いっぱいの強さで
もう初夏のようだ
季節の風は
確 ....
まるで雲のような人だった
すぐ 傍にいるのに
影も形もない その人を
それでも無心に愛し始めていた
まるで妖精を呼び寄せる儀式のような
冷ややかで優しいくちづけを交わした後のふたりは
際限なく 容 ....
雨の日に
西瓜をノックすると
入ってます、と声がする
ぽこん
西瓜まるごと持つと
かなりの重量感があるのに
成分はほとんどが水なんだってね
ふうん、そうなんだ
果物を食べると
....
きみは あまいよ
けれど きみの人生が きみに期待しているのは
すべての雨の音を聞いて
すべての風に こころを寄せて
甘く実らせることさ
-------------------- ....
暑い夜は
沢山の手が
跡形無く持ち去っていった
黒檀のヴァイオリン
夕暮れ
石ころが転がる河原で
ひとりのんびりビールと
割り箸に刺したはんぺんを
七輪でささっとあぶり
ちゅるちゅる呑みこんでいると
対岸にオレンジ
鬼火が屋台の提灯のように
等 ....
もうどうなってもいい
死んでもいい
もう二度と人を信じるものか
殺してやる。
人が自分を見ている。
彼は殺人者
怪しい人物
目を伏せる。
人は挨拶をする。
心を閉ざしているの ....
よくある話さ
きみのヒーローになりたいだなんて
地球や宇宙をまもるわけでもないのに
よくある話さ
きみのヒーローになりたいだなんて
ヒーローって
だれかのために ....
闇へと続く水脈が
君の涙で溢れ出す
その中に
一滴の僕を滲ませる
得たいの知れない揺らぎが訪れ
光の預言が放たれる
その中で 二人は寝乱れながら
散乱する無数の軌道を束ね始めた
....
目覚めると夜が転がっている
私たちは雑食で 草でも肉でも食べているけど
全て命あるものであって 命を頂いているわけだよね
つまり 私たちを創っているのは他の命で
私たちを動かしているのも他の命
私たちのために殺された ....
最新鋭の望遠鏡でも見えないのは
大気の揺らぎのせいだった
この揺らぎを測定し補正した画像を
何万光年さきの世界としてぼくは見つめていた
街道にはところどころに鳥小屋があった ....
渇いて行くあなたを見ていられなかった
この部屋で涸れて行くあなたを
一人放っておくことなど…
同時に指輪を外すふたり
合鍵はとっくに外れていたから
呼ばれるまま 流されるまま
だけど予定通りに恋が ....
息苦しい静寂が押し寄せる
一枚の薄い紙切れを真ん中に
無表情で
二人は向き合っている
いつからだろう…
野菜スープの煮崩れたジャガイモを
あなたが無言で
口に運ぶようになったのは
....
トラックのエレメントとオイル交換をしてもらう
33万キロも大地をかけぬけた偉大なポンコツだ
いきつけのスタンドの早川さんとちょいしもねたジョークで
あいさつして笑いあう
こんな日常もいいか ....
あんびばれんとな夜の街道を
風に揺れている二人の影や声や温度
はじまりの音色
揺れている
はじまっている
あんびばれんとな夜の街道を
風に揺れているビエロのやじろべ ....
突然雨戸が
何語かで話しかける どうしたの、何
小さなビスケットの家の
窓には童話色のカーテン
それじゃ無理
雨戸は不満を述べてノックする
何か起こったの、今から起こるの
小さな庭の ....
臭くて不味かった。
大きな種があった。
胃が痛くなり
腹が痛くなり
息が臭くなり
屁が臭くなる。
げっぷが出る。
もう2度と食べない。
ドリアンはアルコールを飲むのはダメで
....
もう老いてい行くのみ
良くなる事はない
段々できなくなる。
元気になる事はできない。
挫折と希望と不安と絶望と
明るい未来はない。
現状を食い止めるのみである。
起死回生を望むが無理 ....
透明な
大きい壷の中を
一匹の蟹が歩いてゆく
のすり、
のすりと
青空の注ぐ光に
気難しげに傾きながら
そして
太陽が地を耕し
若葉色 ....
幸福だ
カーテンを開けさせる
お天気を確かめさせる
朝を食べさせる
歯を磨かせて出掛けさせる
朝の空にきみは
いくつの星を見つける
才能を預かったことが
....
ベイビーこんな雨の日は
ひきずるようなブルースをきくんだ
だから
ともだちになってよ
それとも懐かしい曲で
こころを満たすかい
ベイビー3弦がきれたよ
へやのすみには
弾かない ....
雨の日は
透明傘がいい
値段の気安さがいい
ドームの曲線を
雨が流れていくのを見るのは
誰かが
泣いているのを
見ているようで
そんな後ろめたさもいい
そういえば女優でもないのに
....
俺なんてこんなもんだって思えたら、おめでとう
所詮、俺なんてこんなもんだ
そう、俺だけなら
頭のいい人は
腐るほどいる
アイデアが浮かんでも
すでに考えている人がいる
と考えるべきだ
そこにはパッションが必要だ
人を幸せにしたいと言う想い。
自分がいくら辛くても
他人が少 ....
缶チューハイが降り注ぐ夜
めんどくさい人生が酔ぱっらいのあたしに
くだをまく
だって嫌われちゃったのよ
あたしあたしがきらいになってゆく
缶チュウハイのレモンがあたしに
素直になりなといっ ....
巴里に咲く真紅の薔薇の下に猫
青かびを纏へるチーズ
喜びも光も食べる蝿の王
短めに髪の毛切って芒種かな
葛切りと京の祇園の唇と
蟷螂の子供びっしり葉の裏に
ロッ ....
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