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夕暮れがやって来る頃決まって私の腕に止まる君
ねぐらへ帰る途中なのだろう
一羽であることもあるし
友達を連れてにぎやかにさえずることもある
いやもしかしたらきょうだいだったのかもしれない
あ ....
二十年来使ってきたざるを買い換えた。そのざるには欠点があり(それは使い始めてすぐにわかったことだが)持ち手になる場所にほんの少し金属が出ているらしく、私はなんどもそれによって手を傷つけてきた。傷とい ....
それまで
水の中を泳いでいたものが
産院のベッドの上で
あし。になる
それはまだ
自分を支えることも
出来ないけれど
あし。と呼ばれる
こんなに
ちいさく
まだせかいを歩いてさ ....
ひきちぎられたこころたちが
あきのてんじょうを
およいでいる
うめつくされて
ひしめいている
ちいさないきもののように
おびえながら
むれている
ねてもさめても
どこへにげて ....
窓硝子の向こうに
しがみついている一匹の虫
短い発車ベル
いくぶん傾いた駅を電車が出てからも
飛び立つことをせずに
じっとしている
終点を知らされていない線路はゆるやかなカーヴを描き
....
夏のあいだ僕らは
危うさと確かさの波間で
無数のクリックを繰り返し
細胞分裂にいそしみ
新学期をむかえるころ
あたらしい僕らになった
けれど
ちっぽけなこの教室の
ひなたと本の匂いとザ ....
{引用=お隣りさんから伸びている皐月の枝に腹を立てて
お父さん、チェーンソーで切ったのよ
根元から
}
母の愚痴のほぼ全ては父のことで占められているから
電話はいつも父への悪口で終わるの ....
いっとき
誰かをおもい
泣いたとしても
朝が来れば
人は顔を洗い
食事をし
読みかけの本の頁を開く
晴れていれば
陽を浴びに出かけ
つばめが巣立てば
ほほえむでしょう
四葉のクロ ....
いくつかの
起承転結が
たとえば
レース編みの
小さな花模様のように
点在しているような
ひざかけを
(今朝、突然に秋が来たので、
それが不意打ちであったため
タオルケットだけの ....
スパイダーマン
バットマン
スーパーマンたちが
こぞって
窓拭きをしている
ヒーローたちは
そこでは闘わない
闘っているのは
きみたちだから
沸騰させた水が
マグカップの中で
常温を目指している
まだ
ひりつく
くちびるに
おそらくとても
優しく
同化していくことだろう
情熱だとか
とがりだとか
叫びだとか
....
よそへいくための服は
襟のレエスがまぶしくて
びろうどのスカートが重くて
ぴったりしずぎてきゅうくつで
母さんが
帰宅するやいなや
着替えさせてくれるとき
ほっとして
わたしは
すこ ....
覚えたての縦笛から
頼りない汽笛のような音が
飛び出したから
思わず笑って
私は手をふる
どこかへいくの?
またかえってくるよ
音を作るこどもたちが
今でもほら
とても楽しげ ....
洗いすぎて
ごわりとした
ネルの小さなパジャマ
ふたつめのボタンだけ
なぜか赤い糸で
不器用にくくられている
夜泣きのたびに
私にしがみついた
熱を帯びた袖
黄色いライオンの模様
....
手近な男とくっついちゃって
あたしもヤキがまわったかなあと
それが照れ隠しなのは
彼女の顔を見たらわかる
手近な言葉
ありふれた言葉
黒板消しで拭くたびに
私の屋根に白いチョークの粉 ....
ここに居た
そこに居た
あちらこちらに
居た
ことを記す
愛を叫ぶ雨蛙を乗せた丸い大きな葉も
その傍らに転がっていた水晶のような玉も
美しい色を持つ手が
幾重にも重なったよ ....
早瀬のそばの竹やぶに
住んでおりましたので
笹舟を流しては遊んだものです
手を離すと同時に
それは勢いよく
旅立っていきました
赤い橋をくぐるまでは
なんとか目で追うことができましたが
....
黒いアイリスは
男の喪に服した女だ
ジョージア・オキーフが描いた
花の絵は
どれも女の顔に見える
花が儚く美しいという概念は
もしかしたら幻想なのではないか
もうこれ以上
対象に接 ....
かあさんの
みずたまもようのワンピース
あれ、手作りなんやでって
こそっと打ち明けた
キヨちゃんが
ほんま? すごいなー
でもどこからが手作りなん? って
イケズゆうから
どこもかしこ ....
夕闇がやってくる気配
それは決まって
南向きの玄関の隅から生まれた
冷えていく板張りに寝転がって
図書室で借りてきた本を読んでいると
ふいに呼ばれる
声、
のようなものに
夜が
....
きょうという日に
きょうという火が
ともされる
約束したわけでもないのに
東の空に
明るく
温かい
平等な
きょうが
どこから生まれてくるのか
ボクは
みつけた
旅の途中で ....
記憶の糸をほどく
風景や音や肌触り
縫い合わされていた
いくつもの欠片が
ふたたび熱を取り戻して差し出される
思い出は語られたがっているのだろうか
子供の頃ひと夏を過ごした祖父母の家
....
わたしが
命をもらった日から
吸って吐いて
繰り返されてきた
呼吸の仕組み
その息は
かじかんだあなたの指を少し温め
その息は
幼子の風車を廻し
その息は
ケーキに灯されたろう ....
母の手作りする洋服は
大体において
あらかじめ寸法が大きかった
未来が足されていたから
子どもはすぐ大きくなっちゃうからって
それは言い訳というより
有無を言わせない印籠のように掲げられた ....
わずかに赤を含んだ
初秋のねこじゃらしが
風にそよぐ
そよがれて
よみがえってくる
植物ではなくて
あいつらのしっぽだった記憶が
猫が
ねこじゃらしの横を
素通りできないわけは
....
そら
くう
から
空
変換キィで
世界は変わる
くうですか
くうですね
ひとしくみんなくうになってゆきました
昨晩はよくふりましたなあ ざんざばらん
おかげでからっ ....
プロペラから
風が生まれる
その中心を
つかんで
風を止められるかどうか
幼いきょうだいが
度胸だめしをしている
扇風機の首振りボタンで
風を分けあって
涼と熱を共有していた
....
ぷらすちっくの小さな筒型の編み機には
五つの突起がついていて
人造絹糸を星のかたちに結わえたら
それが
りりあんの始まり
食べ散らかした夏蜜柑の皮
白黴の生えた白パン
蟻の住処は大洪 ....
──わしが死んでも
この時計は捨てんでくれよ
親父はよくそう言っていた
死んでから
それがたったひとつの
遺言らしきものだったと思い当たる
祖父がやっていた
はんこ屋の店先に ....
【緑の風】
一輪車に乗った子供が
緑の風をうけてゆく
不安定なのに
軽快に
不安定だからこそ
愉快に
たったひとつの輪さえ
あればいい
【蕗によせて】
....
あおばさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト
(50)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
すべての梢は止まり木である
-
そらの珊 ...
自由詩
25
15-12-5
夜更けの紙相撲「記憶にさえ残らないものたちへ」
-
そらの珊 ...
散文(批評 ...
10*
15-11-28
あし。
-
そらの珊 ...
自由詩
18
15-10-9
不慮の詩
-
そらの珊 ...
自由詩
21+*
15-10-1
旅の道づれ
-
そらの珊 ...
自由詩
10*
15-9-28
コピーアンドペーストエンド
-
そらの珊 ...
自由詩
23*
15-9-2
チェーンソー
-
そらの珊 ...
自由詩
15*
15-6-24
天を見つめるということ
-
そらの珊 ...
自由詩
23*
15-6-3
たくさんのおはよう、いってらっしゃい、ありがとうが行き交う交 ...
-
そらの珊 ...
自由詩
23*
14-8-29
小児病棟
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
14-8-26
常温
-
そらの珊 ...
自由詩
23*
14-5-30
よそいき
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
14-5-26
楽隊
-
そらの珊 ...
自由詩
19
14-5-6
衣替え
-
そらの珊 ...
自由詩
22
14-5-2
春という字【詩人サークル群青三月の課題「春」への提出作品】
-
そらの珊 ...
自由詩
17+*
14-3-4
仮埋葬
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
14-3-2
笹舟
-
そらの珊 ...
自由詩
17*
14-2-23
閉経
-
そらの珊 ...
自由詩
24+*
14-1-30
授業参観
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
14-1-24
夕闇
-
そらの珊 ...
自由詩
25
14-1-16
猫のさがしもの
-
そらの珊 ...
自由詩
22
13-12-18
ありがとうの言葉とともに
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
13-10-16
ためいき
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
13-10-14
ぶかぶか【詩サークル「群青」九月のお題「音」から】
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
13-10-2
ねこをじゃらす
-
そらの珊 ...
自由詩
19*
13-9-23
あおいそら
-
そらの珊 ...
自由詩
24*
13-8-21
【凪】詩人サークル「群青」七月のお題「風」から
-
そらの珊 ...
自由詩
20
13-7-21
りりあん
-
そらの珊 ...
自由詩
21*
13-6-18
親父の遺言
-
そらの珊 ...
自由詩
17
13-6-16
【緑化帯】_詩人サークル「群青」五月のお題「緑」から
-
そらの珊 ...
自由詩
26*
13-5-21
1
2
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