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私たちの それぞれの思いは
どこまで届くのか あるいは
どこまでしか届かないのか

羽根のように
世界中の空に
いくつもの思いが飛んで
散らばっていった
白や黒や灰 あるいは孔雀の羽根 ....
茅ヶ崎の海を憶えていない
浜見平保育園も
それから後の二宮の
梅花保育園のことも
みんな憶えていない

母にきけばあの頃
ひとりで保育園をぬけ出し
街中をさまよっていた
こともあった ....
泥になって歩く
海の方から風が吹くと
私じしんである 泥
がかわいてしまいそうになる
おまけに潮のにおいまで
はりついてしまいそうになる
この湾岸沿いの道は 淋しさ
そのものが細長く伸び ....
はじめて声を上げる。はじま、りの、はずか
しい過去を背負ってまで、橋を渡って喉をふ
る、ふる、ふるわせる。てえぶるの、表計算
の、[枠]の中に囚われ、ていた酸素の、また
《二》酸化炭素の、見え ....
罅割れた道の端に立つ
  この道は水分を欲している
左腕を伸ばし
拳の先で親指を立てる
すると 車が止まる
あるいは止まらない
二十世紀末という
古代でももっとも新しい時代
私はそのよ ....
1486 106さんの岡部淳太郎さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
羽根のように- 岡部淳太 ...自由詩120-3-14
迷子(幼年篇)- 岡部淳太 ...自由詩9*07-10-4
湾岸経由蜜柑畑行き- 岡部淳太 ...自由詩24*07-2-6
産声- 岡部淳太 ...自由詩6*07-1-22
古代人のヒッチハイク- 岡部淳太 ...自由詩10*06-4-2

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