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嗚咽を抑えつけるために
息を止める
どんよりとのしかかってくる薄墨色の雲を見上げて
立ち止まる
涙の雫が零れ落ちてしまわないように
拳を強く握りしめてしまわないように
まだまだもう少し
 ....
狡猾な
いかほどまでに狡猾な

明言を避け
自らのずるさをひた隠し
ただただ己の汚さを曝け出すことなく

悲しみの側面を綴り
あちらを隠す
呆れるほどになんとまあ
狡猾な
この美しき世界は
楽しかっただろうか

辛い想いもたくさんしただろう
悔しいことも悲しいことも
誤解を招いたことも
怒りを覚え
歯痒く胸を掻きむしられるほどの憂いを抱き
涙をこらえ
 ....
私の怒りはなんの助けにもならない
だから怒らないほうがいい
どんなに苛つくことがあっても
怒りを抑えて
ひたすらに堪えて
怒ることなどしない方がいい

そうはいっても
いつも笑顔ではい ....
土地勘のなさを自覚し
不安を覚える異国の街で
冷たい風にさらされ
笑顔に救われる

三叉路に惑わされ
方向感覚を失い
坂道に押されて
またもや溜息をつく

夕闇に空腹が響きを成し
 ....
舞い散る雪の冷たさが
身に沁みて凍えそうなのに
得をした気分になる
物珍しさがそのような感覚をもたらすのか
稀有な白さの仕業だろうか
それとも結晶に住まう妖精の成すことか
原因は特定できな ....
窓掛の向こう
夜の闇の中
不意に風が雄叫びを上げる

想像してさえいないのに
身震いを覚え
窓辺を避ける

胸をざわつかせないよう
部屋をいつもより温かくして
なにごともなかったか ....
空がとても冷たそうで
触れたくなって
腕を伸ばしてみるけれど
届かなくって
指も思い切り拡げて
踵もあげて
ジャンプもしてみるけれど
届かなくって
あきらめきれなくって
あきらめられ ....
睡魔に全身を覆われているようだ

身体の芯が揺らぎ続け
目を閉じることも見開くこともできない

指先に力が入らず
涎が流れ続けているような
そんな気さえする

羞恥心などとうに捨てた ....
赤黒く
異様な影を放ち
その物体は
冷たい闇に浮かぶ

それを映すこの目は
血を流すのではないかと
どんな幻想を見ることも
できるのではないかと
思えるほどの不気味さに
心を奪われ ....
寝たふりをしていたい
聞こえないふりをして
泣いてないふりして

傷ついたりしないって
強がって意地張って

頑張ってるって言い訳して

愛想笑いができないから
これでいいやって
 ....
濃い目のコーヒーを
ブラックで飲んでみる

特に目的はないけれど
そうしてみたかった

やっぱり苦くって
吐き出したくなった

我慢して飲み干して
なんともなかった顔つきで

 ....
足を踏み入れる
危険の領域ではないけれど
板張りの床に擦れる靴の裏側が
心地良い音を奏で
高級なサロンであると悟らせる

髙い天井にはシャンデリアが輝き
温かな光を放つ
厳選された招待 ....
鳥のそれのように
美しい瞳を輝かせて
指先に炎を灯す

そうやって
この冷え切った身体を
温めるふりをして
取り憑くつもりか

まあそれもいい
この人里離れた山の麓
あばら家で
 ....
蝶の羽は燃えていた

太陽を目指して
はためかせていた羽に
火が点り
それでも高みを目指して
羽ばたかせた羽は
燻って
火の粉を撒き散らして

朽ちていきながらも
力のあらん限り ....
鍵が合わない
鍵を合わせる
洞窟の通路を進んで
行き止まりにある扉の
ノブは錆びていて
左手に抱えた鍵の中から
その一本を探し当てる
早くしないと一つ目の
巨人が此処にやって来る
擦 ....
満月が輝く夜は
部屋で大人しくしていなければならない

耳を尖らせ
爪を立てて
牙を向いて
尻尾をしならせて

四つん這いになって
唸り声をあげて
雄叫びを轟かす

風よりも速 ....
雪なんて汚い
白い粉の塊が
誰からも羨望の眼差しで
受け止められるとは限らない

空気だって
雨だって
さして美しいとは言えない
火の粉に触れることは叶わず
埃は忌み嫌われ
結晶は ....
凍える肩を震わせて
傘の柄をつかむ手はかじかみ
降りしきる雪の中を歩き続ける

もう少しでたどり着く丘の上には
梅の花が咲いているだろう

犬に吠えられようと
何度も転びそうになろうと ....
うつ伏せになって
顔を枕に埋めて
声が漏れないように
大きく口を開けて
枕に押し当てて
全身を震わせて
止まらない涙を
枕に吸わせてやった

それでも朝が来ると
仰向けになっていて ....
優しくない気持ちは
意地が悪いのではなくて
悪意の塊でもなくて
邪な捻くれたいじけた心でも
寂しい気持ちの裏返しでも
なんでもなくて
ただ素直になれない
その程度のことだったりする

 ....
半開きの口を閉じもせず
瞬きさえできず
虚ろな面持ちで空を見つめる

ソラではない
クウを見つめているのは
どこを見たいとも欲することなく
なにが見たいのかも知る由なく
目を泳がさない ....
気持ちの悪さを拭うことができず
項垂れてただ時間を過ごす
誰かのせいにしたいけれど
八つ当たりすらできずに
誤魔化す方法を探してる
握り締めた拳を天に向けて
それから振り下ろして地に向け
 ....
息をつきたくなる

息切れがしそうなとき
息をするのも苦しいとき
深呼吸で救われる魂が
動き出しそう
だから
思い切って一休み
思い切って踏み出す一歩
空を見上げて
息をついて
 ....
息をつきたくなる

息切れがしそうなとき
息をするのも苦しいとき
深呼吸で救われる魂が
動き出しそう
だから
思い切って一休み
思い切って踏み出す一歩
空を見上げて
息をついて
 ....
月は見えない

普段から夜空など見もしないくせに
月の輝く夜など欲しくもないくせに
一番星などどうせ気づかない
流れ星など見ることはない

赤らんだ空に涙を乾かしてもらったことは
あっ ....
血の滲んだ跡が
愛おしくて
頬に押し当てたまま
夜が明けるまで
このままでいよう

舐めるでもなく
拭うでもなく
頬ずりして
頬ずりして
一晩を明かす

なんでもない
大した ....
週末
昼下がり
喫茶店
行き交う喧騒は
文章を精錬するには
ちょうどいいくらいで
束の間
孤独を忘れ
勘違いをして
夜の闇
仄かに放たれる
月明かりを
忘れそうになり
懐かし ....
遠くで響くサイレンの吹鳴に想いを馳せる
少し興奮を覚えると共に罪悪感も抱く
こんな真夜中になにが起きているのだろうかと
妄想が尽きることはないのだが
自らの想像の貧弱さに吐き気を催す
最低最 ....
仮面の下でほくそ笑んで
本当の気持を見せることなど
決してないから
スキップだってすることなく
握り拳を振り上げることもなく
寝っ転がって
のた打ち回って
髪を振り乱して
溢れ出す狂気 ....
1486 106さんの坂本瞳子さんおすすめリスト(47)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
フェイク- 坂本瞳子自由詩4*19-11-3
ずるいことこの上なく- 坂本瞳子自由詩1*19-10-15
分かってはいたけれど- 坂本瞳子自由詩1*19-10-15
怒り- 坂本瞳子自由詩2*18-11-9
彼の地にて- 坂本瞳子自由詩1*18-10-22
雪が舞う街角で- 坂本瞳子自由詩3*18-2-28
風の誘い- 坂本瞳子自由詩2*18-2-17
言い訳だけれども- 坂本瞳子自由詩3*18-2-13
小さな願い- 坂本瞳子自由詩3*18-2-8
皆既月食の夜- 坂本瞳子自由詩1*18-1-31
晴れた日には- 坂本瞳子自由詩1*18-1-30
茶店にて- 坂本瞳子自由詩2*18-1-30
演奏会が始まる- 坂本瞳子自由詩2*18-1-27
魔の一夜- 坂本瞳子自由詩2*18-1-22
バタフライ- 坂本瞳子自由詩3*18-1-19
すんでのところ- 坂本瞳子自由詩1*18-1-16
満月の夜- 坂本瞳子自由詩3*18-1-12
汚れた雪- 坂本瞳子自由詩2*18-1-11
寒梅狂- 坂本瞳子自由詩2*18-1-7
陽はまた昇る- 坂本瞳子自由詩1*17-7-6
優しい気持ち- 坂本瞳子自由詩2*17-7-3
渇いた時間- 坂本瞳子自由詩3*17-7-1
泣き出しそうな曇り空は何処よ- 坂本瞳子自由詩2*17-6-20
息をつく- 坂本瞳子自由詩4*17-6-13
息をつく- 坂本瞳子自由詩4*17-6-13
本能か- 坂本瞳子自由詩2*17-6-9
血一滴- 坂本瞳子自由詩7*17-6-6
休息- 坂本瞳子自由詩2*17-6-3
月夜の警報- 坂本瞳子自由詩1*17-5-29
忘れ給えよ- 坂本瞳子自由詩1*17-5-26

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