朝焼けが。
ヒヤシンス


 朝焼けが目に染みる。
 夜の魔法がゆっくりと溶けてゆく中、
 寝ぼけた国道がやけに青白い。
 心にゆとりがあるようだ。

 夜と朝の境目の時間。
 僕は一人車を走らせる。
 バイクじゃないので馬を駆る感覚はないが、
 まるでジャガーにでも乗っているような感覚はある。

 車の中で大声で、雨、と叫んでみる。
 雨が降る気配はない。
 世の中うまくはいかないようだ。

 アスファルトのちょっとした窪みすらはっきりと見える。
 朝焼けに照らされたアスファルトが次第に赤く燃えてゆく。
 僕はこんな朝、全神経を静かに心に寄せてみるんだ。


自由詩 朝焼けが。 Copyright ヒヤシンス 2018-01-06 04:42:55
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