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混じり合う
紫越しに
薄煙を見て
つま先で
水を弾くように
駆け出した
風切る頬を
午前に残して
水平線の先に
潜り込む 指先から
少し遠い君の手
湿って宙を掴む
影が坂道を ....
焼かれた瞼
太陽の中に
見える 砂
砂を咬む足
地に落ちて
光の拡がり
あの同心円の天蓋
剥がれる皮膚
純粋な炎の
聴こえない 名前
その一粒が波紋の様に
音に還って ....
晴天の空間に
眩暈を誘いながら在る 誰
敷石の上に薄い影投げる日が
暮れる 薄刃の風が
私やお前を切るのだろう
誰 曝して満ちた
静か 冷えてゆく
夜か 息か
浮かび血 筋の
動静見つめた
きっと 水平の遥か
訊かれた セイレン
笑いながら 潜る
気付かれた 痙攣
目に宿る痛みに
幾日後かの陸地
埋められてゆく
砂地の中に 明日 遠く
....
二百年後のページ
アルミニウムの鈍い光
目が焼ける
エントランスに自生する
ゼラニウムを空に帰そうと
老婆達がダンス
吹き抜けの三階から
あなたが呼んでいる
誰もが黙っていられない ....
雨上がりの花壇で
しな垂れた華の名前を
密やかな微笑で保つ
あなたの目は
揺れる天秤の彼方
雲の晴れてゆく影
映す土を見て 滑らかに
細められ 晴天から
いつか 豪雨になり
土を流す ....