何も考えずに済む/静かな日々が待っている
kauzak

何も考えずに済む   静かな日々が待っている
それが望んでいたこと        筈だった

月明かりの下を歩く      潮騒が流れ込む
満たされた音を抱え    胸の奥に滴る情動を
なぞるように揺れる
               木漏れ日が翻る
夏に向かう季節      陰影も濃くなるから
君の面影を探す
            イメージの洪水の中で
色彩だけが鮮やかで      見失ってしまう
ここにあることを      ここに居る意味を
解らないままに
ただ走り続ける        意義を認めずに
            どこまでもあてもなく
頭上で光る月     夜の静寂に響く幼き歌声
世界を切り取る
               出鱈目な文字で
何処へ流れるのか知らず     何も期待せず
それでも進んでいく    奇跡を信じるように
行く先が虚無としても     地平線の彼方へ

 ※連なるだけの言葉シリーズ


自由詩 何も考えずに済む/静かな日々が待っている Copyright kauzak 2010-07-21 23:16:47
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