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よそ者は居場所を選べないので出口に着いたのは間違いかもしれない。窓越しに見る飛ぶ影に命の区別がなかったように、ぶつからずにはくぐれない空を首で抱えて、じくりとすべる頭にかぶった布の織目も知らないんだ。 .... 指の磨り減る夢の中に 
のび続ける空
皺寄る滴る色の 落ち続けるにおいが
まだする まだする 短い指をふる
空が包む身体からは何かが出て行かないので
遠い壁の高さまで吊り上げられても いかれ ....
空を揺らす鳴き声で
集まる黒い影に曲がる
夜は満開の花ばかりになる枝の拒絶も
なかったことにしてください
ささやかな群れでも 追われていく高さ
根こそぎの木の道連れた土が
染みこもうとする ....
 緑が風に揺れないでいる辺りを狙っても、届かないと思う石の重さが道の端からはずれ、影にしかならないコンクリートのはりつく斜面まで垂れ下がる枝の乾きかたを確かめながら削れた指先をしゃぶっては、ひそひそと ....  積んだ石が流されてきた庭を掘って、埋めたいものが見当たらない。怖い色があった夜。あれもこれも気の済まない形ばかりの空に、囲まれていた。しゃがみこんだ足の下に押さえ付けた砂利の尖り。たくさん作った傷の .... 馴染んでしまったと思う花には
堅い慰めもない
つりあう服の重さを測る腕から
立ち上がる枝先の葉は汚れて
歯軋りのような雨の終点

秋の朝にも 湿った壁が連なっている
戻った薄い光の束が落 ....
母に敬語を使ったことはないとすれ違ってから 思いたった形が
立ち交じっていく道の上まで
人波を遮りながら 荷物を数えている
わたしたちはここで 大切にされるんだ
引き綱もない犬の ひそりとした ....
ユリノキと札をまいた柵は 間違いだと
硬くなっていたので ベコニアもマリーゴールドも
古いはやりのかたち 寄贈の名札の名前も
病院の受付で呼ばれていた
同じところがひとつもないのに
返事をし ....
はだしの足跡を
顔にあてて
影の中の指を
切り取りながら
立ち上がって帰るところ
 座席のゆがみに手を乗せて、背に残る強張りをじっと見張りながら止まった駅に降りていく。階段の手摺の汚れを照らす灯りには、あの真円の月は混じっていない。夜ばかりの駅に薄く削れた空をぐずぐずと舐めながら、 .... くねる影まで あたたかい空気にもたれるので
削りきれない岩のとがりも 無力だと思うことはある
天井に浮いた油を拭かせて欲しそうな
羽ばたきがもりあがる部屋から
窓際で息をついて あの雲の襞を梳 ....
かちかちの空にもささる うろこたちを登って
こすりとった星たち 毛の中にむこむこ掃きこむ
仔猫たち 海に放ってやって
溶けていく星を追う爪が
厚い雲の覆う海から 出て行けない月までも
ねばね ....
折れた花が 道端の砂利にまで届く 拾う手がないのかと
足を組みかえて 距離もわからない一本だけの草が
脛を折った 斜面に踏み入る横面に傘も投げつけられなかった
引き伸ばす空もない朝花びらは色を濃くして道を千切った

高い柵取り残し飛ぶ鳥からも奪えるものはあると思う

雨だからドアにはりつく葉の傷は治らないのだ言い訳のように

背に生える蕾を思う病 ....
小石ひとつ足して水位を上げる空目指すと聞こえる芽吹かない木々

星を曳く枝先の花萎れかけ助けたと叫ぶ鳥をくぐらす

弾くことのなかった楽器ただ影に指先を足し待つだけの肩

線を引く音 道に ....
あおばさんの佩慈の工人さんおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
野原- 佩慈の工 ...自由詩507-2-19
寒さは- 佩慈の工 ...自由詩407-1-25
- 佩慈の工 ...自由詩607-1-15
落葉- 佩慈の工 ...自由詩506-12-29
雨の庭- 佩慈の工 ...自由詩606-10-26
やんだ雨- 佩慈の工 ...自由詩206-10-24
美麗- 佩慈の工 ...自由詩206-10-22
ユリノキ- 佩慈の工 ...自由詩206-10-17
半月- 佩慈の工 ...自由詩206-10-13
光の道- 佩慈の工 ...自由詩306-10-11
満月- 佩慈の工 ...自由詩506-10-7
カタクチイワシの仔猫たち- 佩慈の工 ...自由詩5*06-10-4
彼岸花- 佩慈の工 ...自由詩206-10-3
切られた枝- 佩慈の工 ...短歌406-9-27
プラスマイナス- 佩慈の工 ...短歌106-9-26

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