心の翼
さすらいのまーつん

もしも今君に 何か告げられる ことがあるとしても
言葉は空しく凍りつく 涙を前にして

君は谷底にうずくまり 「何故か?」 と問いかける
闇は静かに見つめ返す 何一つ答えずに

それでもいつかは
愛しい人の死を超えて 季節はめぐって
時が日々を塗り替える 君もまた 生まれ変わるだろう


豊かさを願って 足をすくわれて 人は我に返り
くしけずられてきた大地に つぐないの血を流す

知りすぎた指先が 開いたパンドラ 飛び出した炎は
背伸びした科学の手を逃れ 古里の地を汚す

あやまちの陰で
いつも誰かは気づいてる 流れに逆らい
そこは目指す場所じゃない 君もいつか分かる日がくる‥と 

もう一度 取り戻してみたい 汚れなき大地を
もう二度と 傷つけたくはない この母なる世界を


空を駆ける鳥は 小さな命で 大きく羽ばたいて
道を見失う人の目を 再び空へ誘う

誰もが一度は
そこに夢を描いてきた かなうと信じて
今も空はそこにある 今も君を待っている‥だから

もう一度 羽ばたかせてみよう 汚れなき思いを
もう二度と 手放したりしない この心の翼を


自由詩 心の翼 Copyright さすらいのまーつん 2011-10-02 17:41:16
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