そっちには
あると想うよ流れ着く
流木みたいな海辺の灯篭
あまりにも
ゆるりゆるりと進むから
見逃しそうな塀の舞舞
潜んでる
顔には出せないゼツ ....
夢のなかにいるように
夢のなかで歌うように
輝く、輝いている
星、星たち
意識は奥深く落ちて
わたしは誰?
わたしはどこからやって来た?
無表情な現実がかき混ぜられ
失われた魂 ....
あ・だむを、つくりました。
あ・かねで、ころしました。
あ・りすが、とりをやいてる。
あ・もんが、ひとをたべてる。
あと・むと、ばはなりました。
○「出かける所」
リタイアしても
どこか出かける所が
必要だ
コロナ下でも
どこか出かける所が
必要だ
○「情報化時代」
現代人は
情報を食い過ぎて
消化不良をおこしている
....
渋滞を抜けると
森の中
心が戻りたくなる場所
ひとりで
調律した楽器を
鳴らしてみたい
石はそこで眠り
水は時を知らせ
客は足を濡らす
持ち込んだ熱が冷めて
木々の香り ....
有り難きかな 富士の高峰
有り難きかな 裾往く雲居
有り難きかな 映ゆる頂
有り難きかな 魂栄ゆるいのち
あらゆる灯りが消え
あらゆる夢が絶え
ただ青い天空が広がる
ただ青く突き抜けて
ただ青く静まって
脈打つ心臓は止むことなく
記憶に麻痺した僕はため息
包み込む宇宙は絶えず遠去かり ....
モササウルスに喰われた記憶なのか、
中生代にも自分という現象は何らかの、
身体をもってそれに賭したのだろうか…
☆「専門バカ」
狭いその世界だけに通用している価値観なのに
全世界の頂点に立ったような気持ちになっている人がいる
☆「口から出る言葉」
なにげない日常の口から出る言葉にこそ
その人らしさ ....
私たちは永遠の吐息、
その美しい比喩
私たちは下降する、
空の底を割り
永遠は生動し、
遥か大地に接続する
「今日は親の鑑定よろしくお願いします」
「どうして親を鑑定に出されたんですか」
「いつも介護していて、ふと親っていくらするものかと思いまして」
「いつ頃できたものですか」
「百年前です」
「 ....
音楽とビールではじまる
叔父さんのパスタはいつまでも出来ない
予告もなしに晴れわたる青に
長閑にニンニク刻めた空き瓶を並べ
とんがらし叩きながら踊る
一旦ソファに沈むといい
泡のように ....
ビートルズを初めて聴いた中二の休み時間
直観と感覚が一体化した
直観は向こうの奥底からやって来て
感覚はこちらの世界からやって来て
繋がり共働した
僕はこんなにも自由だ
僕はこんな ....
正論で解決することがあったら教えてほしい
しばらくその安心感で眠れそうだから
未明の覚醒
待人はいつも自分
秒針のない時計がそれでも進んでいるように
積み重なった問いがあっけなく壊れ ....
○「不条理」
生まれてきたのは
オレのせいじゃないのに
できの悪いのは
オレのせいになる
○「君のもとへ」
夏は緑陰の涼風となって
冬は縁側の日だまりとなって
春は青空の若葉となっ ....
霞んだ滲んだ奥底から
仄かに姿を現すもの
深い、深い
海の底にいるように
無音のうねり
無音の夜
限りない広がり
限りない響き
忘却と思い出の狭間に立たされて
奥 ....
透明な身体からひとすじの血が流れ
その血は歩き出す
煙のしぐさで ふと立ちどまり
頬杖をつく 女のように男のように
見るという行為が人を鏡にする
歪んだ複製を身ごもり続けることを「知る」 ....
七月を纏って
汀を歩いてゆく
寄せては返す 透明な波
やがて小さなさびしい桟橋へ
たどりつくだろう
そこから灰色の舟で
向かうだろう
いちばんなつかしい日へ
記憶と予感との ....
あたかも 森が海を恋しがるかのように
僕たちは
いつかはそこにたどり着けるのか
僕たちは
いつかはどこかにたどり着いてしまうのか
あたかも森が海を恋しがる ....
孤独なシャウトが
天を突き破り
哀しみとなって降って来る
奥底の故郷を希求する
無防備剥き出しの飛躍
心の壁を打ち壊して
廃墟を抱えて彷徨う私たち
廃棄され得ぬ二元論
主観と客 ....
まばゆい夏制服の午後をも
陽はゆっくりと、やがては暮れ
あれほどまでに心の通じた学友とも
いつの間にか、もう間に合わず
真夏の空、玄関口
立ち尽くす我
草木の揺れ、
うねる大気、
光の庭
あゝ世界は無関心に
私という存在には
全く無関心に
広がり在った、圧倒的に
その時私は気付いたのだ
異郷のよ ....
暗闇の中の絵本と恵方巻
零れ落ちた砂たち 零で待っている
言葉が壊れてしまった物語
扇風機 みえない敵とたたかった
青空を大事にしたい胎児たち
きみの ....
縁側で
ぷっと
西瓜の種飛ばし
放物線の先を
追っている
幼い子供が
独り居て
遠い夏の日
夏の午後
その日を生きる
幼子が
風に吹かれて
風に吹かれて
名無しで ....
黄昏の光を受け
よろめく羽虫は
遠い木霊のなか
孤独と静謐に留まる
変わりゆくすべてに
変わらず沸き立つもの
遠く木霊する声
異様に絡み合い
広がる宇宙の輪郭を
響きのなかに伝え ....
柔らかに
優しく
時に荒々しく鋭く
立ち上がる
旋律が
わたしの魂を震わせる
それは
深い夢のなかから訪れる
ひとつの奇跡
(それを夢みた人は
母親に捨てられ
狂人に撃ち殺さ ....
光に貫かれ
すべてが踊り出す
この七月、
白い波しぶきを浴びながら
流浪の旅人は
麗らかな海辺の街をいく
静かに客人を待つ庭先には
石と薔薇、石と薔薇
石に刻み込まれた眼は
鬱屈 ....
この冷え切った白い部屋で
あなたを抱きしめる
何度でも火を起こし
苦痛の肉を背負い
地獄に溺れ天国に昇る
夢だったのだろうか
あなたが現れたのは
輪舞する精霊を見たのは
あなた ....
財産はささいな歳月のなかさ
時空を飛び越えてポテトチップスに
変わらないかわいい川の岩乾く
夜をほどいては引用された星
きみと見ていたアニメのオープニング
....
波打ち際の賑わいに飽きて
少し沖へと泳ぐ
足が地球に着かなくなれば
急に独りが押し寄せる
海は突然生き物になる
いくつかのうねりを助走にして
高くそびえ立った
生まれたばかりのその腹 ....
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