人生を全うしたとき、命は何層のパイ生地に仕上がっているかな。
僕、死ぬのは怖いけど、棺の中で美しいパイに焼き上がりたいな。
黄金の虫
炎に包まれ
檻の中から
飛び立った

見学していた
子供達の間から
歓声が上がった

黄金の虫
ドーム状の
天井近くまで
炎に包まれ
舞い上がり
ふらふら堪え揺れ ....
やっと星影のような人は
なずなを摘んで束にして河にながします
この詩はいいですか
いいえ、泣き腫らした目です
来ない夜明けにはあなたは不在
安心なさい
おねむりなさい
飛行魚があった。

駆動するエンジンを鼻先にたらし、くしゃみをしそうなプロペラに変換率を宛てがったそんな一尾の飛行魚があった。

よく計算されたその尾翼にはインドネシア人技師の指紋が刻まれてい ....
それをそういうふうに言ってしまうのかい
そうだよそれはそう言ってしまう
それはその通り起こったのかい
そうだよそれはたしかに起こった
思うままにしか書けないと言うのかい
そうだよ思うままその ....
あゝ風が吹く と
風を浴びる名無し人は
気流の鳴る音を聴きながら
ひたすら途方に暮れて
あゝ風が吹く と
それは
あずき色の革張りで
しっかりと綴じられており
少し重い

一ページ目の
なめらかな白い砂浜には
控えめな海藻が
いくつか打ち上げられている

完璧な塩のフォントと
滲まな ....
メモ

毎日が出発である。そのことが単純に宝石である。そのことの裏にある暗い河の流れすら光っている。誰かがいる。ぼくは近付く。その人は死んでしまう。僕が近づいたからではなく、その人はその人自身によ ....
月は夜空に煌々と
波は浜辺に打ち寄せて
酔いどれ共が歌っていく
銀の夜道に眩めきながら
酔いどれ共が歌っていく

波は白波
満月の
光に照らされ
行くあてなく
土塊と化した酔いどれ ....
古書店の角を折れると、そこには煙突の何とも可愛いベーカリー。
この界隈には酵母菌がふわりと漂っていて、よって古書も芳醇に。
眼下の川では子供たちが裸ではしゃぎ
遠く茶褐色の岩峰が冷たい灰色の空を背景に連なっている

僕はゆらゆら揺れる色褪せた肌色の廃棄バスの屋根の上
何とかバランスを取りながら何度も落ちかけ
終に ....
柿の木には柿の実がなる
栗の木には栗の実が
畑には麦や蕎麦が
田んぼには稲が米を実らした

貧困を絵にしたような暮らしの家は
藁葺きの古くて粗末な佇まい
それでも庭はそれなりにあった
 ....
{引用=空の治療}

空に絆創膏をはりました。そしたら雲が来てもくもくもくと絆創膏を剥がしてしまいました。もう一度はると、また雲が来て同じことがおこりました。

{引用=クリーニング屋}

 ....
理由はわからない
謎は深まるばかりだ

船は錨をおろして
港に浮かんだままだ

乗客は下船して
そのまま全員行くえが不明になってしまった

船乗りたちは陸へ降りて
街の酒場で浴びる ....
旅の人は足を止める
道は遥か地平迄伸びていく

旅の人は休息を必要とする
身も心もつかれ果てて埃にまみれていた

旅の人は道端の叢に倒れ込む
仰向けにねて見上げた空を鳥の群れが飛んでいく ....
色んなものへと
いきとどかぬ途中では
一人のできることなんて
川沿いに歩く
ことに似ている

タンポポは地面が好き
ごめん
しか知らない

訳せない生姜紅茶の味
掘り起こし
川 ....
いつか未来の空の下で、
人の生という事象を、
回顧してみよう、
などとおもっています。
多分何事も選ぶ世界など、
ということは忘れられ、
明るみの中で、
精神と環界が融合されて、
 ....
ニュートリノを一つ買った

こないだの事もあるから
今度は慎重だ
骨董屋によくその出処をきくと
そこまでいうならと
裏から鑑定書を引っ張ってきた

ほらご覧なさい
この通り小柴先生の ....
荒れ狂っている
闇が光のなか
光が闇のなか
灼熱の上昇
灼熱の下降
闇が光のなか
光が闇のなか
荒れ狂っている

燃え盛る壊ノ力、、受け容れ飛び込む己、、
せめぎ合い切り刻まれては ....
なにも
いらない

なににも
ならない

ひじょうに肩がこる
欲得のかげは
うすい

ぜんぶの詩が
じつは
ローカロイド宝石

個人的ななにかを誤読し
あとは
愛する ....
いつしか、
日は暮れていて足元は寒くなった
ももに置いた手は静かに落ちた
しばらく眠っていたらしく
目の前で遊んでいた子たちも
いなかった

こうして一人の時間が増えたかわりに
雨や落 ....
旅のしおりを作るなら、最後の頁に、こう印字しておこうか。
〜旅のしおりを手放す時、僕らは本当の旅人になるのだろう〜
左右の手足の指は五本ずつ
合わせたら十本

それはいつ何度数えてもかわらない

勿論例外は存在するでしょう

だけど申し訳ありません
例外は外します

人は利き手の指を使い
数を ....
風に栞をはさみ
手をかけると
ノブは風化していた
脳りの白亜層に
つき琴は鳴り

ゆっくりと
蝸牛のツノは
五うんの
河を
{ルビ攀=よ}じのぼる

類語字典は灼き
ふむ草の ....
昨夜の夢で、「文政四年」だけが、
あざやかに目覚めたのちでさえ、
記憶に残ってしまった。
躁うつ病がデフォルトの惑星の住人にもメンタルクリニックはある。という事はつまり、一人の男が気分の波の喪失に困り、とあるメンタルクリニックに足を運ぶこともあるのだ。

紫色の雨の降る、春でも夏でも秋 ....
こういう一つの思想がある

在るものはみなかいくぐり来、即今、そこここに顕現している

という思想である

砂粒一粒にも、数世代前の恒星系の残闕、それを成す要素の一々にも、億百の御霊の凋落 ....
ぼくは自分自身のふせいじつに爆弾を落としたいです。

あるいは、詩を一日三十は書いてそのうちの十を投稿してしまう発作に。

俳句も、白状しましょう。ああいうのは、読みふるしの文庫版の歳時記から ....
一つ銀河を買った
安かった
お値打ちだよと町の骨董屋が言った
どのへんのですかと尋ねたら
古いのだからずっと遠くのらしいねと答えた
持って帰って
包みをほどいて中を覗くと
赤い惑星に
 ....
きわまりが結氷である事をもとめて神様は冬を創造したのかな

けれどもローリエを咥えて希望を運んで来たのは何も鳩だけじゃない

あの日のぼくもそっとバーモントカレーにそれをしのばせたんだから
 ....
おぼろんさんのおすすめリスト(3597)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
パイ- クーヘン自由詩4*20-11-30
黄金の虫(改訂)- ひだかた ...自由詩520-11-28
星影- 道草次郎自由詩3*20-11-28
幻の飛行魚- 道草次郎自由詩1*20-11-26
シワ- 道草次郎自由詩1*20-11-26
名無し人- ひだかた ...自由詩620-11-25
本を、泳ぐ。- 道草次郎自由詩8*20-11-25
メモ11.24- 道草次郎散文(批評 ...3*20-11-24
酔いどれ共の歌- ひだかた ...自由詩820-11-23
ベーカリー- クーヘン自由詩3*20-11-23
無垢と大地- ひだかた ...自由詩920-11-22
無花果の木に無花果の実がなる頃に- こたきひ ...自由詩1320-11-22
化石化した堆積物- 道草次郎自由詩120-11-21
理由はわからない- こたきひ ...自由詩520-11-21
旅の人は- こたきひ ...自由詩620-11-20
帰り路- 道草次郎自由詩420-11-18
希望- ナンモナ ...自由詩3*20-11-16
ニュートリノを買う- 道草次郎自由詩220-11-16
壊ノ力、宇ノ声- ひだかた ...自由詩520-11-15
鉱夫- 道草次郎自由詩420-11-15
栗のスープ- ふるる自由詩920-11-14
旅人- クーヘン自由詩4*20-11-14
指がさす方角には- こたきひ ...自由詩220-11-14
月と名のない花- 道草次郎自由詩320-11-14
過記憶- ナンモナ ...自由詩3*20-11-13
白の惑星- 道草次郎自由詩220-11-13
在る- 道草次郎自由詩420-11-13
接地のための投下- 道草次郎散文(批評 ...2*20-11-12
銀河を買う- 道草次郎自由詩1420-11-12
ローリエ(月桂樹の葉っぱ)- 道草次郎自由詩220-11-9

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