いちばん好きな場所は屋上で
鳥かごみたいな制服のスカートが
風を受けるとひらひらと舞って
本当に飛べるような気がしたから
空を見ている間は
瞬きをして
雲を何針も縫ってしまう
上 ....
仄かな熱、
三本の柱、
絶えず声、
生きるために生きる
のなら、
進み化けるために
ノイズまみれの生から
溢れ出す 垂直の瞬間
切断する 時を
この燦々と日曜日、
張り ....
みそひともじ はおまじない
歌を忘れたカナリアが
閉じ込められた鳥籠の
扉を開ける合言葉
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世間知らずの詩人さん
おいらも一つ考えた
ぜったいばれ ....
○「青春の回想4」
僕の友人の話である
中学生の時に二つ上の先輩から
いきなり呼び出されてめちゃめちゃに殴られた
どうして殴られたかはまったく心当たりがなかった
しかししばらくするとそれ ....
真っ直ぐ容赦なく進む時間に
春、桜の花 絢爛に舞う
花道、進み全身を浸せば
不思議なくらい、
瞬間 瞬間 現れ出て
花吹雪はいずれ
私という存在に垂直に降り
時間という緩慢な容赦 ....
翼が生えてきた 日に日に大きく育って
ゆく けれどそれは 誰にも見えない 私自らにも
見えない なぜならそれは 私の内側へと
生えていたから 見えはしないけれど ただ
たしかにそれは 翼である ....
ふるさとは1行の詩よりも価値がない
と 少女は似合わない口紅のような言葉で
潮騒を1行に書きとめます
1行の言葉の地図を広げ
次の1行へと飛び移る
くりかえせば
言葉が連れて行 ....
薔薇の蕾
キャベツの穴、
覗いたら
何か蠢いた
卵の殼割れ ドロッと
己の内、深く高く沈み跳躍し
たましい 見つけた、
初恋、告白した雨降りの あの日のように
....
春だというのに肌寒く
しとしとと降る雨が桜を散らす
まだ咲き誇る姿を見てはいないのに
水分を含んだ枝は俯いている
薄紅色の花弁が川面を流れてゆく
灰色の空に月の姿はあらず
寒さが益々感じら ....
机の上で
アレはこうして
コレはああして
この角度は写りがよくて
ここにはフタをして
ああ、貴男は
いつもいつもそうだった
かっこよく 生きたいのですね
その ....
世界が暗いので、相対的に私は明るい
雨だ。一弦を鳴らし、
耳に少し明るすぎる音を確かめて、
朝はもっと暗くあろうと努める
そうしないと、不理解が空を覆い尽くしてしまいそうでしょう
....
淡々 降り続ける雨、朝の
しずかさ 穿ち
すぅと冷気孕み
規則正しく輪を広げる路面の水溜まり
いくつも、いくつも 遠去かり近づき
急ぎ歩く人、また人
揺れる傘の群れから水滴は落ち
....
積もり(の)
桃(の)
{ルビ舞踏=Tanz}(こそ)
檻(だった)
{ルビ芋=pomme de terre}(的な)
{ルビ庵=iori}
遂に
....
たい焼きを尻尾から食べて
おわかれの儀式にした春
なにもなかったけど
なんでもありえたと
知ってるから
じぶんの弱さが嫌になる
桜咲く川べり
人はどうして ....
恋が終わって
首を吊りたい
花屋に売ってる
ドライフラワーみたいに
枯れても
悲しみたくはない
もうこれ以上
色を失くさないし
だからこそ
安心して見れた
乾いた花 ....
世界が照り耀いている
車が通る、人が過ぎる
うっすらと青い空模様、
桜並木は白く染め抜かれ
路上にて、
アパートの隣人と出会います
彼女は親しげな笑顔浮かべ
我々は、
手と手を宙で ....
朝おきてお布団から見る天井は
思うより遠くて広い
へー てなる
たまにしか見ないし
忘れちゃうのか
年に数回
へー てなる
そんな朝は
年間ベスト何位かの良い朝なんだと思う
あるもの
内面、微か
曝け出す
この夜陰、
それぞれの
場所
にて、
沈黙の響き
拍を刻み
生あるもの
生なきもの
それぞれの
価値、
告知しつつ
名 ....
瀬戸内海の夕日とか
ちゃんと視たことありますか?
ふと花束を想い出す、
前に、進もぉうと、誓う。
人は前進するでしょう、
元気に生くのが、真摯でしょう。
....
(ボクの知るところでは、
納得しきれないぐらいの綻びがある)
宇宙旅行に行くには、まだまだ背丈が足りなくて
生け垣の間からのぞけばまだ、遠く遠くが見つけ出せるほど
ま ....
早朝、
霊前に
魂の漂う
匂い立つ骨
焼いた肉の
ただ鳴る残響
昼間、
庭先に
桜の花芽
ちらほら
開き弾け
ノンセンスな
命の歓喜
躍り始め
夕暮れ、
....
{引用=
雨に
敷石が
打ちつけられて
街路を
アーケードを
抜ける
人は
皆、足ばやに
とおりすぎていく
誰も皆
コートを 被り
人は、帰りにいくね。 ....
謹んで僅かな菫 勤務地へ
証明を正月という日に言った
悽惨な凄い妻が萋萋と棲む
木の奥の記憶 昨日の斧を置く
横書きの下書きを上書きしてる
春先に白い ....
白く
雪崩れ落ち
伝いながら
その人、包み込み
何処にも属していない
ことの
この心地ちよさよ
風は吹いて 吹きつづけ
「あるもの」から意味は脱落し
すべてすべて「我 ....
雑草のように頭から抜いて
ポイッと投げた
地中に残された根のことも
若葉に齧り付いていたアダム氏のことも
考えず
太陽は影
月は見ぬフリ
少年少女は夢の中
2階の自室の窓を通して
....
傷つけないあなたと
傷つかない私が好きだった
「ごちそうさま」
そう言って席を立つ
「ねえ、明日」
声は喉の奥に消える
触れる月は手を溶かす
美しい通路
これから起こる悲劇を知らない
反射と再合成された
細やかな現実
....
葉影は優しく
黄金の光彩に
濃い斑の筋を引き
森の入り口に
伸びていた
目に見えないもの、
目に見えるもの、
それぞれ同等に
照らし出す
柔らかな日差しが
彼女の瞳の奥に
不思議 ....
モクレンがいくつか咲きました
ほいっ、ほいっ、ほいっと咲きました
あたたかな青空に
花たちはとても得意げでした
でも今日はとても寒いので
蕾たちが得意げです
花は開く前から強い光で ....
静かに律動する、肉体
朝の冷気に覚醒する、意識
心はゆったり世界の像を映し出す
信号待ち、
赤ん坊を抱っこ紐で胸に支え
片手でスマホを操作する若い母親、
くっきりとした二重 ....
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