おもむろに顔を上げると
朝の陽射しが窓から おはようと言いたげに
優しく 今日を運んでくる
不意に 何が今日あるかなんて
条件反射など よぎることなく
少し、まだ寒さが残る季節に微笑んで ....
重力に左右される泡も
ほっ
と失う
ふっ
と抱きしめられたら
むにむに
したくなる
赤だか 青だか 緑だかの
こんごうぶつ を
人はなぜだか にじ と呼ぶ
それを
逃がすのはいつ ....
汚れているものなんてわからなくていい
わかった瞬間に汚れ始めるんだ
濁っている場所が心地良いなんて思っちゃいけない
濁ってればそれでよくなっちまう
どこに行っても
なにをしてても
悲し ....
ざわざわと
視界を埋めて啼き騒ぐのは
梢で触れ合う
青葉たち
輪郭をなぞろうとすると
否定形しか使えない
あまりに崇め過ぎたから
信じるということが
見ないという事でし ....
制服のわらわらと出て青き踏む
春装の渋谷でひとり佇んで
桜みる横顔蒼き女学生
音もなく雨が
鳥の羽根に乗って
木立ちの枝を滑って
猫のしっぽにくっついて
雨はどこまで行くのだろう
楽しんでいるのだろうか
綺麗な雨がこぼれていく
誰か拾って下さいな
あなた ....
背中の影が
みえないかなしみを染み込ませて
笑ったら
朝になった
そんな
ちいさな窓からは
めにはみえない明るさが
すんなりと射し込んで
失った色を思い出させた
どん ....
夜寒さの無音の部屋で飲む焼酎
何故だろう独り静かに此処に居る
ゴォとまた街の彼方が唸っている
薄陽射す花野広がる忘却の果て
ひたすらに草を食む牛只在りて
いたみから
目を背けられない夜の月のような
白く甘いこどくと
カップの底に残ったままのココアは
あの手が握りしめたやさしい日々の
ちいさな祈りをいくつも
いくつもつないで
告げること ....
雨がポツリポツリと
傘をたたく
低い音
高い音
いろんな音色が
傘を滑って落ちていく
言葉が聞こえる
雨音の中に
妖精が言葉を
降らせている
私に気づいて欲しいと
雨 ....
現実だったのかそれとも非現実だったのか
その思い出は曖昧でした
曖昧でぼんやりしていながら
自分の知らない内に
いつの間に記憶の紙面に刷り込まれていました
私はまだ小学校に通っていま ....
お日さま沈む
斜陽のとき
いつのまにやら
くだり坂
過去は加工
してもいい
未来は見ない
ままでいい
世界は難しく
なりすぎた
生はなるべく
シンプルに
言 ....
私が見ている光景と
あなたがたに見えている事件は違っている
ということを
驚きとともに思い知る事がたまにある
でもあなた方が一斉に
同じ景色を見ているのだと思うのは
たぶん私の錯覚で
....
君がいなくなってから
影ばかり追いかけてる
誰も居ない部屋で
帰ってくるはずもない
君の足音を探してる
網戸に残る去年の
タンポポの種
タンスにしまったままの
一度も着ていない ....
時計の針が
あなたと私の間に
さよならを積み重ねていく
もう少し夢を見ていたいわ
命はあっという間だから
見つめていたいだけ
ぬくもりが時間の隙間に
隠れていくようでこわいの
....
夜空の色をした
深い紫色のスミレ
蝶の羽根のように
まるく薄いスミレ
空に生まれた雪が
大地深く濾過されて
一つの季節をかけて
根のストローにとどく
春の日差しに輝いて ....
風、が
向こうの山から降りてきて
体を抜けて
そしてまたあっちに流れてく
風の粒、のなかに
きっかけは無かった
駅も、バス停もない
親だけが、年を取ってる気がしていた ....
雨にも負けた
風にも負けた
せめて自分には負けまいと
思っていると見事に折れた
どうしょうもないので
笑ってる
レタスって
あの
苦味がすきなんです
雨降りあとの
鉄さびのような
あの
匂いもうれしいです
かさを
ぐる ぐる
回してみました
ぐる ぐる
ねこが
丸い手 ....
銅線で
脳神経を
キリキリと
縛り上げていく
のは快感だろうから
この春の夜に画策する
までもなく
渦巻くハンマー音の波
ラバー壁に弾き返され
夜半過ぎに獰猛な咆哮
で復讐を開 ....
君の健気さに心打たれたんだ。
こんなにまぶしい景色は見たことがない。
嗚呼、人生はなんてうつくしいんだろう。
真心の交わりに余計なちょっかいは出さないでほしい。
君の健気さに、 ....
ひょっこり魔女がやって来て
箒でお掃除するでしょう、
帽子は中折れするでしょう、
夜はこれから更けるでしょう。
ビルの谷間を翔ぶでしょう、
その身を凍らすビル風は
魔性の心を呼び覚ます ....
僕の地平線に
植木鉢を置きました
君の顔が日焼けをしているから
僕等はずっと一緒にいたんだ
歓びも哀しみも震わせてしまう
君の心を落とした時に
チューリップの花から
雨が降りやがて ....
プリンを冷やし固めている間に、僕はこっそりと旅に出ました。
知らない街で少し心細いですが、僕にはあのプリンがついています。
青い空と白い雲が
草原と仲良く
手をつないでる
ポピーの国の草原で
太陽が生まれて
月が歩いていく
細い茎の先に
いくつもの命が揺れて
昼寝を楽しんでいる
ポピーの妖精が ....
二階の屋根まで届く
ミモザの花が
風に小さく揺れ
春の香りを小径に並べて
猫を誘っている
遠い昔に塗られた白い壁
大正時代の洋館で
満月の夜に
女の子が妖精と一緒に
ミモザの種を ....
死体のような
ひたすら一点に
冷たく凝固していく
気配、
辺りに充ち満ち
私は漆黒のアスファルトを進む
蒼く蒼く結氷する
異界の感触、
次第に足許に広がり
じわりと恐怖に浸さ ....
君の言葉の方向にいつも僕はいて
過去を育ててくれたからきっと
プラタナスの木みたいに
両手を広げて未来を抱きしめる
何度も救われた夜があって
君を特別な存在にした
星が瞬きをするように
....
雪が敷き詰められた森で
夜通し踊る月の子
モミの精霊が
森の入口に
夢の入口を造る
光の渦の中で
夢を見る
故郷の夢を
流星が枝に落ちて
雪が踊り子に舞う
粉雪のド ....
助手席に置いたバラが
なんだか君が抱いているようで
涙が溢れてくる
車の中にたしかに君がいる
くもったガラスに
君の顔がうかぶ
泣かないでと大勢の妖精が言ってる
数えきれない色が ....
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