坂道
ひだかたけし

二人寄り添い
昇った坂道
橙色に染まる
夕暮れに
奥まる時間を
二人して
ぐんぐんぐんぐん
遡行した

果ての果てに
開けた緑の
湧水大地に二人座す
静かに手と手を
握り合い
天を流れいく
悠久の白雲を眺める

そのとき意識は
湧き出す澄んだ水と共
緑の大地に安らっていた
そのとき愛は
溢れるばかりの思いを抱き
緑の大地を震わせていた

遠い遠い過去のこと
二つの生が溶け合って
遠い遠い未来のこと
二つの魂が共鳴して

僕らは何処に行くのだろう
僕らは何処から来たのだろう

運命の出逢いと永遠の別れ
橙色に染まる坂道が
今も仄かな熱を帯びる






自由詩 坂道 Copyright ひだかたけし 2022-09-04 18:03:05
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