{ルビ蟋蟀=こおろぎ}の鳴き音追ひくる戸口まで

切り戻しせし秋茄子の花淡し

音もなく庭石濡らす{ルビ夕立=ゆだち}かな
宇宙のどこかで超新星が爆発している頃
ぼくは縁側で爪を切っている
我々という混沌を気にもせず
おはようございますと近所を装う
猫が欲しい 人も欲しい お金も欲しい
そろそろ寝ますか
それと ....
揺れる、揺れるよ、カーテンは
揺れるよ、揺れる、いつまで揺れる?
孤独な僕の、この部屋で

全て幻想なのだとしても
今日吹く風の清らかなこと

僕は僕とて不安が多く
薬を飲んで、ごまか ....
秋の午後には、詩を読んで、
ギターを弾いて、風景も、
人の挙動も、忘れたい。

中原中也だけを読み、
ニック・ドレイクだけ聴いて、
全てを捨てて、死にたいのです。

秋の午後には、音楽 ....
〈揺り籠の鳴る気息に点いて。〉


梢の濡れた通り狭く開かれた
  頭上は
    輝きだけでも ない。
藪蛇さえ 喉を通らず 羽の揃わない天使のころも、
 
  きっと      い ....
蝋細工の、人間の形をした名前の無い紛い物が、夏の温度によって次第に溶け瘦せ衰えていくさまを記録した短いムービーが、失われたシアターでリフレインされていた、それにはBGMどころか音そのものすら記録さ .... ダイヤモンドの針をそっと置く

行っておいで

想い出は遠くなるばかりで
美化されたがっているのはなぜだろうか
この溝は
なぞられれば現れる道だ
ふたたび
さみしさの琴線に音を咲かせ ....
水道道路、貫き
荒い息に疾駆する白馬たち、
空中都市マチュピチュ麓通過し
クスコからウルバンバまで駆け抜ける

  *

強い思念を不断に携え
その力動を徐々に感じつつ
肉体の脈動と ....
 澄んだ山の彼方に
 何がある と
 希望して良かったのは
 遠い年代だけの事だったのか

 暗い中をぬけていくと
 ふいに光の中に出て
 あたりは竹、の林
 散りしいた藁に埋もれて
 ....
ふらふっと
溢れ流れ出て
浮遊から跳躍へ
飛び立つクラゲ

穏やかな飛翔にて

濃密に暗まる
空の青みに
明るむ灯を点し

羽ばたく花と為り
咲き開き咲き誇る

  *
 ....
見回せば片付けられた木立ちにまた
影がぼやけている遊戯は弾力を持ってあると

足も
遠のく
意識が
視線に
絡まる
幻想運動

市街地に押し寄せる コスモスを裏返して

慌てふ ....
 女が 路地裏に居るのを見た
 
  雨が 降るのを見た
  ライトがいくつか点いて
  薄暗さの充ちてくる

 音の ころがる時
 夜の始まるのを見た

 
 おかもち提げた女子 ....
 

 フライパンで こんがり狐色にした手羽元と
 ガーリック香る炒め野菜を煮込む
 夏のスープカレー

 そんな 今晩のメニューを
 考えていたけれど
 取りやめた
 台風一過とは ....
薫陶受ける魔と魔を均衡させ
柔らかく硬く熱く冷たくいき
ひっくり返っては起き上がり

 せみしぐれ、
 さるすべり紅に
 一瞬 息絶え、

魂の深みに白く暗い淵の在り
渦巻く沈黙の肢 ....
濃い青の空に
白い雲の城砦がいくつも立ち
なかぞらを埋めつくす蝉時雨
他のどの季節にもない濃密さで
夏は君臨する

けれどその夏の中に
巨きな空洞がある
夏のあらゆる濃密さが
そこで ....
九十年も連れ添ったなら
死ぬ日も一緒 どうせなら
あんたは言った 猛暑日に
「こんな暑さはどこふく風よ
エアコンなんてやめてくれ」
あたしは火照ってしかたない
あんたの強気に惚れたのね
 ....
錆色の夕陽が世界を、血の雨の跡のように見せる頃、ゴム底に画鋲がひとつ刺さったスニーカーを履いて、ぼくは巨大な工場が立ち並ぶ海の近くの道を歩いていた―なぜ画鋲を抜かないのかって?それはゴム底を貫いて .... 銀白の月の輪郭、

余白の隙間に
鮮やかな青み
浮かび上がり

コレハナンダロウ?

遠い声の木霊、
遥かな潮の満ち引き

浮遊する青み流れ出し
欠落し満たされていく
銀 ....
夜明け前のベランダからきみが飛ばした紙飛行機が
雨の匂いのする湿った風に乗って海辺までたどりついて
疲れた顔で煙草をふかす港湾作業員の肩に着陸した
薄紫色の空気を震わせるパナマ船籍のタンカーの汽 ....
心の舞台に 躍動する純白

 見る観る観入る

外界閉ざされ遮断され
沸々と湧き上がる
また始まる初めての現

 闇の光に
裂開する瞬間に 

薫り開いた一輪の色

無垢を汚 ....
柔らかく白く歪な形に輝き響かせ
ふっくらふんわりふらりふゆうし
あるもの在るものと頷かせ白雲よ、

わたしのたましい大きな巨きな歌

火球燃える天空に開放されながら
こんなに色づき薫り漂 ....
破裂する水素の浮遊、
熱せられた鉄板は伸び
連打される削岩模様の光滴
やがて寂れる恋愛残照近付き

曲線の湧出と膨張に伴い上昇する雲海

 なんだろう?
 笑ってしまう、
 わたしに ....
白昼夢のように
陽炎に揺れる空の青み
光のなかへ還っていく

熱するアスファルト踏み締め
延々と続く葬列蒼白く微笑み
光の庭で踊り叫ぶ狂女の言の葉、
舞い散らし受け止め呑み込んで

 ....
  熱砂 と
  真空

  ごう音と
  死の静寂

  閃光 と
  奈落


 重々しい
 数十万の足音が
 はてもなく続いて行く

 銃をかつぎ
 一すじの乱 ....
夜闇 もんわり熱し、

緑の葉影は揺れ動かず
走り去る車の間を置き

街灯照らす領域 開けて、

佇む人影の異様
過ぎ去る時の
血流し泣く子に
ただ沈黙の目視、

夜闇に街道  ....
海の彼方で揺らめいていた狐火がいつの間にか消えていたので、千枚通しで手のひらの真ん中を思い切り貫いた、その刹那、激しい火柱が世界を二つに分け、それからそれまでと同じ暗闇と静寂が訪れた、そう、狐火は .... 響き光放ち
聴き入る
私は螺旋
 
眠りこけている意志を叩き起こし
肉体の損傷の辛いという感情を生き

私は螺旋
乱打のリズム
刻まれ刻みながら
うねりしずかさ台風の眼
ふりしき ....
 水が 欲しい
 もう 雨が聞こえる

 水を思うと
 ことばの膜は かわきはじめて

 そのまま 波の奥
 さみしさが鰓をおさえつけ
 こころ、と消えて
 択ぶように石をつかんだ
 ....
 冬の日の山 
 真白な雪の その彼方に
 孤り高く貴女がいる

 あの山の
 雪を被った樹々の間に立ちあらわれる
 男の前に
 肉を欲しがり
 血を欲しがり
 体温を欲しがって
 ....
集中し深まりながら
浮上した霊性の感触
その瞬間に身を委ね
持続の宇宙に祈った

 時間という残酷の白手伸び
 持続の宇宙抹消されていき 

呆然として別れ、虚脱し転がる骸

 空 ....
朧月夜さんのおすすめリスト(3476)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
初秋の- けいこ俳句2*23-8-23
外でも内でもなく- 空丸自由詩11+23-8-22
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秋の午後- 由比良 ...自由詩123-8-22
びしょう- あらい自由詩3*23-8-21
この夢のどこかに- ホロウ・ ...自由詩1*23-8-21
オールドレコードに寄す- そらの珊 ...自由詩9*23-8-21
夜想、病床のうた- ひだかた ...自由詩323-8-20
黄色い花- リリー自由詩4*23-8-20
飛び立つクラゲ- ひだかた ...自由詩523-8-19
熱病まで- あらい自由詩323-8-19
少女- リリー自由詩4*23-8-19
爪痕[まち角24]- リリー自由詩2*23-8-17
白暗淵- ひだかた ...自由詩423-8-16
夏の空洞- 塔野夏子自由詩12*23-8-15
よみ人しらず―死因は「熱中症」とだけー- 菊西 夕 ...自由詩4*23-8-15
Transit_Time- ホロウ・ ...自由詩2*23-8-14
詩想4- ひだかた ...自由詩423-8-14
うすむらさきいろ- 大覚アキ ...自由詩823-8-13
純白とワタシ- ひだかた ...自由詩4*23-8-12
大きな巨きな歌- ひだかた ...自由詩723-8-11
軽快- ひだかた ...自由詩6+*23-8-10
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ああ、次の波がもしも爪先にやって来たら- ホロウ・ ...自由詩1*23-8-8
the__construKction__of_light_- ひだかた ...自由詩423-8-8
水をおもう- soft_machine自由詩3*23-8-8
雪女2- リリー自由詩5*23-8-8
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