燃え立つ光、アフリカの太陽
肉を感じ、自らを感じる
愛の交わり、この肉を産み
名もなき通り*1を歩いて歩いて
一足の靴*2、色褪せ輝き

造形され、濃密に 在る


過ぎ行く時に、
 ....
風がいよいよつめたくなってきた
頁をめくるときがきた、と君が言う
ぼくは12頁めの一行めを読む
愛してくれるなら誰でも良かった
乱丁だろうか
次の行は暗く潰れて
愛して良いならだれ ....
優しく、激しく
ひたすら開かれ
しなやかに躍動し

風は吹いて、風に晒され

熱 巡り
肉を、魂を、
熱 貫き

込み上げるものを、
沸き立つものを、
突き止め突き離し

 ....
 乾いたシグナル2は、久しぶりに手ごたえのある詩だった。出来上がったのが、皆既月食の夜だったのには何か意味があるのだろうか、それとも、ただの偶然だろうか。
 昨日に続いて、過去の詩を読み返してみた。 ....
ぽかん、ぽかんと
生きている

危機に瀕しながら

生き生きとして
地を踏み締め
天を見上げ
海を想う



夕陽に燃える
水平線、
湾曲して
波逆立ち
溶けていく
 ....
笑いながら枯れていった
夏草の影は
種子を残さなかった
わたしたちの手のひらには
やがて海が降り始めた
砂の建築物がぽつぽつと建って
線路が敷かれた
私鉄沿線沿いの小さな部屋で
わたし ....
ゆだねあかす
ときのながれに
ずんとしずみ
ふんといきる



その場に座り込み
明けた空を臨めば
今日は無気力、
と書いてある
脱力して
ふぅと息吐き
なんていうことない
 ....
逆流

先のイクサが終わり
新しい石垣は重量感がなく
曲がり角の隙間の爆発物の
二本のコードの前で処理班が
頭を抱えていたころ

時を誤魔化したみどりの女人は
旗の手入れに余念がなく ....
暗い森に置き忘れてきた
太陽を取り戻す
深い森に沈んだままの
陽の光を取り返す



捕縛されて
汚されて
捕縛して
汚して
人生はゲーム、
いつの間にか
取り憑かれ
取り ....
ツクツクボウシが啼きそびれたみすぼらしい晩夏からそのままスライドした秋の曇天は、思考回路が壊れた若い母親が道端に投げ捨てる紙おむつの色合いで、ホームセンターのワゴンから掴み取ったスニーカーの靴底は .... 不安定が鼓動を刻む、

冷え切る肉が曝される、

狂いそうになり
静まり返り
狂いそうになり
白壁を凝視し

りんかくを失うわたし
実感が離れていく存在

冷えるねぇ
今夜は ....
白い途をとおって
月の光は
やって来る
ぽっかり
内部から浮かぶ
ように
ひょっこり
内部から立ち上がる
ように

しんとして、しんとして

染み渡り浸透する
肉を掻き分けて ....
層なす雲が
冷気とともに
やって来る
空の青み、
ぽっかり
空け
うっとりゆっくり
歩を進める
わたしの
透明な足を
掬っていく

宙に浮かぶように
宙を彷徨うように

 ....
あきらめるなよ、男だろとの言葉が目に飛び込み
何かと思ったら育毛剤の広告だった

そのあとに
あきらめてしまえば、癒しようのない不幸も和らぐ
との古代ローマの詩人、ホラティウスの言葉が
僕 ....
きょうのわたしはしにました
あしたのわたしもしぬでしょう
でもまたうまれてきてしまうでしょう
そのようにし いきてきた
  

たんたんと
こころのおきばしょをさがすために
いきてきたわけじゃないのに

あいらくも
たんたたんとやられちゃ
もうなにもかも

あぁ
そんなことのために
ことばが ....
横顔しか知らなくても
一言しか話せなくても

遠近法で
恋の輪郭を描くのです

笑ったり
怒ったり
誘ったり
作ったり

相手がいるから
上手になるのです

もっと近くで
 ....
たくさんだね 地図
古びた町でひろがり測る

今朝も迷路 団地の配置図
いつか眠いまま 勾配でいられなくなる
朽木の根元で春にさらわれ
溶けた子どもらが
きゃあきゃあ流れてく

たま ....
船に乗る
あなたの影、
月の光に運ばれて

白々と
伸びる途、開ける未知

流動し、輪郭形造る光彩に
非物質の神聖 響きわたる




船に乗る
あなたの影、
月の光に運 ....
テントウムシ、いのちの星、
尽きることが、もうすでに約束された、
きまぐれな、
昼さがり、
あたたかく、けれども冬にちかい、
秋の太陽が微笑んでいる、
そのえくぼから産み落とされた、
く ....
白髪が
人差し指に
引っ掛かり

もつれる時、

深い森は唸りをあげ
不安定な内面を抉る、
汗ばむ手のひら
崩れる砕氷

青い天空は相変わらずに
その豊かな乳房を揺らし
通り ....
  


聴きたくて、耳をすましてみたけれど
雫の音さえ無音の
雨の日。


犬バスに
昨日乗ったと告げた日に
それはチガウと、ゆうなよ、泣くよ?


天空の島をみあげて真実 ....
あたたかい
夜は心がさみしくて
くりぃむぱんを食べたがってる



パンをみる
バターを早く買わなけりゃ
毎朝食卓でだけ想い出す



最高の
安全性をうたうなら ....
ああ、みえる
銀線、無数の半透明
見える、視える
降りしきる雨、
ああ みえる

  *

静まりゆく肉に
心は落ち着き
委ね預ける時、
進行の裂け目が
垂直に開く

なに ....
沈黙の朝に静かに蟹沈む


句読点たちを河原で集めてる


得体の知れない液体への期待


世迷い言 予言名言謎めいて


寂しさを大事にしまう雨の指
母を思うと
いつもおだやかな顔が浮かんでくる
黙々と大地を耕し種をまき作物を育て
三人の子どもを育てた
どんなに親父が口荒く言おうとも
大地のように耐えた
冬寒く夏暑いこの地で
貧しいな ....
僕は親父が大の苦手だった
農業一途の働き者だったが
説明しない人だった
子どもの頃仕事中によく怒鳴られたが
そのわけを説明しない人だった
怒鳴られたわけがわからなかったので
いつも僕は不安 ....
 裂けめ


豊かな人たちが
膨らむ泡みたいに
いずれ消えさるという
真心を疑い
問いを費やし

夕ぐれに貼れたラジエーター
舞ってるのかい君は
煙膜につつまれた雪片
見晴らし ....
タクシーを止めるのが
下手だったから
君の街まで
歩いて行こう

デパートのマネキンが
指差す方を
何となく信じたい

抱えた花束が
似合う場所を探して
記念写真を撮りたい

 ....
夜の田んぼは湿気た匂い
刈り取られた稲穂から
また柔らかな葉は伸び
もう実はつけない
水にめだかは見えない
でも蟹なら隠れられる用水路に
柵はなく、落ちて命をなくさないでね
「夜にも天気 ....
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