なんにもない
向こうに
何かがある

王国は滅びゆき
魂の故郷は常に輝き

孤立は一掃され
孤独は俊立し

私たちは
ともしびを失った亡命者

脳髄の導火線に火をつけろ
脳 ....
荒涼とした
この地に独り立ち
おまえの傷ついた足を洗う

地獄にも似た静寂が辺りを覆い
暴威の呪われた異邦の声が響く

冷えた原色の広がり、渦巻く虚空の闇

おまえは微笑む
い ....
有名人の自死が相次いでいる。
コロナ渦以降特に、最前線で活躍している芸能人が、
突然何の前触れもなくという形での訃報にはとてもショックを受ける。

そして訃報記事やテレビのニュースの末尾には、 ....
静けさ
ちょこんと
座っている
気付けば
夜底に
座っている

私は寝床を整える
不眠の昨夜を払うように
新しいシーツで敷布団を包み
黄色い朝の喧騒に
心の奥処の祭壇が
荒らさ ....
そのとき
両脇に親が眠り
その真ん中に
自分が横たわっていた

三歳の私は夜中突然目覚め
それから眠れなくなった

〈今、両脇で死んだように眠っている親達がいなくなったら
自分はこの ....
窓を開け
口笛を吹くと
僕の小さな銀色の飛行船が
やってくる

僕は窓から飛び立つ
菫色の大きなたそがれの下に
輪郭だけになった街が広がる

街の一角から
空に向けて放たれ回るサー ....
青く微かに揺れる紫陽花
呆けた顔して立ち尽くす人

全てが忘却された雨上がりの朝、

男は綺麗に髭を剃り
キャベツを買いに街に出た
一度は愛した人を
忘れたくて

一度は愛した人を
憎んでしまふ

愛情や好意の裏側には
必ずと言って良いほど
憎悪が潜んでいる

愛してる
憎しみは
紙一重なんだよね
恵美子
ふくよかな体つきのサウンドが
自らに重なり溶けて
一瞬青ざめ
ゆっくりと身をもたげる

擦れる不協和音とひび割れた赤子の声
夢の中に解き放たれ
途方に暮れた街を転げ廻りながら

記憶 ....
小雨は
薄日を乗せて
銀の色

濡れて
照り映える
ふくらはぎ

白く優しく季節に溶け

小雨は
薄日を乗せて
銀の色

遠く
夏の予感を
膨らませ
哀しみの大地は驟雨に濡れ
ぽっかり空いた穴を癒して

いずれすべてが終わり
いずれすべてが始まり
刻まれる時に僕ら抗えないなら

ただ奥まり静かに見守っている

時が僕らを変えていく ....
空が曇り始めている
白髪がだいぶ増え
床屋の前掛けに落ちてゆく
時は着実に過ぎ
すべて、すべてを追い越し
追いすがるすべはなく

そして雨が降り始める

間断なく、容赦なく
そして ....
シャボン玉とばそ
 
くろい砂漠
ゆっくりと
歩いてきた
  
地平線の向こうには
悲しみのこころ弾けて
馬鹿騒ぎがいつまでもつづく
二十四色の夜景が騒がしいだろうか
それ ....
孤独の輪郭をなぞる
深い峡谷の故郷にて
何処までも透明な湖に沈んでいくように
分離していく、
昼間の震えが嘘のように

ナイフを肉に刺し貫く
ナイフを身に刺し貫く
走る激痛に
深く潜 ....
ちいさな
ちいさないのち
ちりはて
遠いみ空を
かけてゆく

 境界線を越えたなら
 きっと合図するからと
 しろくはかなくそう言った
 ちいさないのちにあふれる涙

あめがふり ....
雨降る夜に
裸体を曝し
けぶる地平へと
走っていく
滾る思いを
冷雨に濡らし 

逃れられないと分かっていながら
夜闇のなかを走っていく
ひたすらに、ただひたすらに
無数のヘッドラ ....
旗が揺れている

静かに
朝を迎え

微かな北風、吹き

通り過ぎる人々

眠りの世界から
頭をもたげ

たましいを現に
投げ入れる

見目麗しい
一日の始まり

 ....
私は不思議でたまらない
土に種を蒔くと
芽が出てくるということが
私は不思議でたまらない
うちのワイフが
私と何十年も付き合っているということが
私は不思議でたまらない
私がこの世に生を ....
ああ
初々しい顔して
夜が来た
ひんやり涼しい
風も吹く
向かいの家では橙の
灯りが点り
人影が
それは忙しく動いている
わたしは独り寝の床を整え
さっきからじっと座っている
昼 ....
たおやかな街並みに
天空は青く広がり
わたしの腹底の不安の核を
渦巻く宇宙へ投げ入れる

何処までも、何時でも
つきまとう漠たる不安ならば
この青き街並みに歯軋りし
道行く人の歩速とな ....
「なんのために生きているんだろう?」
答えがみつからない人が多い
学校を出ると
答えのみつからない問題に
多く出くわす
答えがみつからなくても
いいんだよ
日々がどよめいている
宇宙が波打っている
『遠い遠い』と手を振る君

 何かが湧き起こり
 何かが爆発して
 すべてが終わり
 すべてが始まろうとしている
 名状しがたい何物かが流動し ....
穴を穿つ
深く冷たい穴を穿つ
在ることを真っ二つに裂く
穴を穿つ
存在の不安に鳥肌立ちながら
存在の不安に恐怖しながら
独りの魂に穴を穿つ

爆発を繰り返す宇宙
遠去かる銀河
たま ....
存在の孤独が
冷たく露わになるこの夕べ
雨滴は石を穿ち
震える胸奥を
抉るように流れ落ちる

ぽっかり深淵が口を開く
ぽっかり深淵が口を開く

遠くふるさとの木霊が響き

わたし ....
雨が上がった街に
人が通り過ぎる、車が通り過ぎる

僕は窓辺で見ている

にわかに大地が割れるのを
見果てながら
彼らは何処に向かうのだろうかと

 遥かな地平に虹がかかる
 俺は ....
シャボン玉とばそ
 
くろい砂漠
ゆっくりと
歩いてきた
  
地平線の向こうには
賑やかな夜景が騒がしいだろうか
それとも
寝静まった夜が
寝そべっているのだろうか
  ....
遠い道が続く
震えながら、剥き出しで
長い道程を歩いていく
魂が愛に届くのなら
お前の脚を洗う覚悟は出来ている

この街に永住する家は無い
進む先は行き止まり
行く末三畳間に落ちぶれて ....
あめいろの
時が過ぎ行く
この夕べ
わたしの孤独は身一点に溶け
一閃する光の海
瑪瑙の渦は天を駆け
静かさだけが降って来る

気の遠くなるよなこの時に
静かさだけが降って来る

 ....
○「独り言」
ひたすら自己と向き合うこと

○「見方」
見方を変えれば
世界が変わる

○「実行力」
口でいうことと
できることとは
天と地の差があり

○「本質を」
悩みの ....
安定して
安堵して
朝の風を浴びる

行き交う人々は足早に
留まる人々は優雅に

待ち受ける一日の重み
待ち望む異界からの風

風は吹いている
折しも燕が鋭角に舞い
待ち受ける ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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ドヨメキ- ひだかた ...自由詩3*22-6-3
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