夜

月明り
独り暮らしが始まっていた
絶望も希望も寝静まり
生活が一つ転がっている

 朝

目が覚めて思う
生きていた
しかも快晴だ
何にもないので
布団を干した

 ....
アパートの軒下で

猫が雨降りを眺めている

虚ろな無関心な
人間の目をよそに

瞳 黒々と濃く流れる血
いつか雨降りと一体化し

遠い海鳴り宇宙のそよぎ

軒下の猫 夢みてい ....
波がそよいで

靴底に、沁みる

遠い水を{ルビ浚=さら}い

 海が伝う。

    {引用=あの日}

そっと {ルビ掬=すく}い

手の内にきえる


一瞬、少 ....
光が奏でる
響きの旋律、
雪面に続く
野兎の足跡、

延々と輪舞し跳躍し

今日、隣のおばさんは
今の若者が結婚したがらないこと
嘆いていた

怒涛の波 押し寄せる
その前触れ ....
空へ空へ
伸びる茎
光を光を
求めて
枝分かれして扇形になった
それは
小さな木々のよう
草はらに
明るい森を成している

海の向こうからやってきて
異国の地に根をおろした
覚 ....
ふと訪れる
静かさに
ひたりながら
透明な呪いの声
深く深く沈み入る

時間の流れ、止まり
閃く瞬間の、広がり

沈黙の世代の息子にて
夢見がちな覚醒意識で
自らの思考発声出来る ....
それは透明な
時を飛び交う蜜蜂たち
霊性が導く通路に従い
花から花へ
雄しべから雌しべへ
ひたすら蜜を吸い受粉させ
循環させるこの世界を

道端の花園、小宇宙

わたし 目醒めた意 ....
霞んだ滲んだ奥底から

仄かに姿を現すもの

深い 深い
海の底にいるように

無音のうねり

無音の瞬間



生と死の狭間に立たされて



未だ肉の生命は躍り
 ....
 赤茶けた りんごの芯を

 みつめていたら

 なにもかもが


 こわれかけた 白さに

 
 その薄さよ


 わたしは

 あなたの胸を離れなければならな ....
トーキョー あるいは地獄
不協和音の連弾
太陽の上昇
騒ぎあかした疲労の夜明け、
異邦の声の感触 未だ濃密に

朝に眠り夕に目覚めたあの頃、
地獄突き抜け
何処までだって自分は走れると ....
曇天、厚い雲が切れ
ひろがるひろがる
光の青、
降り続いた雨の
雨滴 葉群れに輝き、
もんわり街を覆う熱に
滴り落ち蒸発し

この世、今
光の青に包まれ
地から空へ 光
クレシェ ....
紫陽花を行きつ戻りつ濡れながら 中中あかない夕暮れのドア

明日のない身と知りながら夏椿 羽根のかわいた雛が飛んでく
○「カミさまの声」
山へ登り始めたら
携帯が鳴った
見ると入院中のK君からである
出ると従姉の人からで
「K君が危篤です 会いたいといっています」
ということだった
急いで下山して病院へ ....
空間のなかの構成されていない物体たち*

言語による意味規定される以前の

ただひたすら在るもの在るもの

その立ち上がる実在感 

ばらばらと在り  

なのに調和し

全体 ....
地面に伏した死体は若い女のようだった。なぜそうなったのか、もう判断もつかないほどに腐敗しきっていて、鮮やかな配色だっただろう衣服ももう、全身から溢れ出した体液に塗れて汚物のような色味に変わっていた ....  日本海に春の来た時は
 静かに 静かに
 目をとじてみると
 生命ない小石が激しい息吹をもらす

 波 寄せる毎
 丸くなり
 カラカラ カラカラ と
 妙に乾いた音たてて
 踊り ....
言いすぎたあとは
待つしかない
すでに言葉は

離れて祈っている
あなたの心が
傷ついていませんように

私とあなたは
違うということ

お酒を飲んで
黙って横になっている
 ....
つい、さきほどまで
天国と地獄が
綱引きしてましたのよ。
でも
結局のところ
天国側の負けでしたわ。
だって
あの力自慢のサムソンさまが
アダムさまや、アベルさま、 ....
 
あがらうことが目的のあなたに

月は微笑まない

星々は拍手をおくらない


 
にちようび、
脱ぎ捨てられた、ブーツ型の安全靴のように、
ただ横たわっているだけの、
草臥れた、
きゅうじつ、
ゲツヨウビがもういっそのこと早起きをして、
ぼくを履いてくれるのを、
ただ ....
ひらひらはらはら
舞うように余韻響かせ
形態から色彩 逃れ出る

うっすら薄い絹糸のループ
基点失い漂う色彩達の輪舞

夢の奥に横たう
もう一つの現実に
私たち達するならば

色 ....
口の中の赤

歯の黄色っぽい白

べろの白っぽいピンク

ぐちゃぐちゃな絵が描きたい。

ぐちゃぐちゃの中に何かがいる。

ぐちゃぐちゃだけどいいねって話しかけたらボールが遠くへ飛 ....
雨滴、落ち続ける
軒先から
規則正しく
リズミカルに

この部屋の、向かいの家の、
取り壊されたまぼろ実家の、
軒先から 重なり次々
透明な音響かせ

そうしていつか
それら、
 ....
落胆を胸元からのぞかせて
あやめ色
切る風もなく
地をつたう眼差しに
まろぶ木漏れ日
翅ふるわせる
仰向けの蝉の腹は白く

罌粟のつぼみ
空き家の庭でふくらんで
子音がとける死んだ ....
 
 ジャンジャン横丁を
 制服姿の女子の二人乗りが突っ切って行ったのは
 もう十数年も前になる

 後部に座る子の脚が長いのか
 見送ると大胆に
 自転車の幅からすんなり伸びる白が左右 ....
 
 JRの車輌、
 扉の傍に立った私の向かい側にいて
 身を寄せ合う二人の男性
 
 つい見惚れてしまう私の目には
 まるで月のもと
 ただ蒼白く静まりたる世界で
 澄んだ瞳に引きし ....
夜闇に
街道走る車、 
スロースピード
向かいの家、
明かり灯らず
ここしばらく

肉の苦に
よろめく私、
氷 噛み砕き
(ひたすら
噛み砕き)

アパート二階、
208号 ....
 グミ

どうぞ、と差し出された袋のなかには
色とりどりのグミ
お祭りみたいにひしめき合ってる

青いのをひとつ
取り出して
口に入れる前に電球にかざす

ママが言った
海の色を ....
 庁舎の旧館は通風が悪い
 配席の奥まっている課長のデスクまで
 冷気は届かないから
 窓を 通常開けておきます

 出張先からまだ還らない課長に
 明日午後の会議の資料を机上へ置きに来た ....
雨あがり
月がでる
とはかぎらない
虫がなく
ともかぎらない

+++

雨あがり
とはいえ
夜だし
仕事はしない
機嫌よく
おぼろんさんのおすすめリスト(3597)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
One_Day_- 空丸自由詩1623-6-22
軒下の猫- ひだかた ...自由詩623-6-22
raindrop- ryinx自由詩8*23-6-22
あける現- ひだかた ...自由詩423-6-21
ヒメジョオンの巷- そらの珊 ...自由詩13*23-6-19
夜想62- ひだかた ...自由詩4*23-6-18
霊性と媒体- ひだかた ...自由詩423-6-15
コンタクト2- ひだかた ...自由詩523-6-14
別離- リリー自由詩3*23-6-14
夜想61- ひだかた ...自由詩4*23-6-13
刹那ユートピア- ひだかた ...自由詩423-6-13
夏椿- はるな短歌123-6-13
独り言6.13- ホカチャ ...自由詩3*23-6-13
夜想60- ひだかた ...自由詩423-6-12
永遠には生きられないけど- ホロウ・ ...自由詩1*23-6-12
橋立にて(「小石」改訂)- リリー自由詩7*23-6-12
父親として- 日朗歩野自由詩4*23-6-12
メシアふたたび。- 田中宏輔自由詩11+*23-6-12
あがらうあなた- 殿上 童自由詩3*23-6-12
にちようび- 本田憲嵩自由詩623-6-11
もう一つの現にて- ひだかた ...自由詩5*23-6-11
絵が描きたい- 撫川自由詩223-6-11
雨滴のうた- ひだかた ...自由詩523-6-11
快楽を乗せて- ただのみ ...自由詩2*23-6-10
新世界にて[まち角6]- リリー自由詩6*23-6-10
ゼウスの子[まち角5]- リリー自由詩3*23-6-10
アパート二階、208号室- ひだかた ...自由詩6*23-6-9
群青- そらの珊 ...自由詩12*23-6-9
ひぐらし- リリー自由詩4*23-6-9
夜に雨があがった_2- 日朗歩野自由詩5*23-6-7

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