サクマのドロップ缶には
カラフルなドロップの
挿絵が描いてあって
ほかのところは金色のメッキで
平べったいブリキの缶の上の
小さな丸い蓋をポンッと外して
傾けるとコロコロと音をたてて
....
熱、奪われ
肉身冷え切り
日は暮れて
行を重ね
狂うを正す
荒い息
日々続く
静と乱
合間を縫って
己を観る
ひょっこりと
内から現れる
その像を
今一つの
現と感 ....
わたしは古めかしい歩兵銃を抱えて焼け野原に立っていた。敵と味方の死骸がアザラシのようにそこらに転がって膨らんでおり、鼻腔の奥や喉に針金を突っ込まれて掻き回されているかのような猛烈な臭いが漂っていた ....
○「ほめられない社会人」
家庭や学校ではほめられて育った子どもたちが
やがて社会に出て仕事につくと
ほめられなくなる
注意されることはあっても
ほめられなくなる
真面目に働いても
それは ....
麦を収穫したからこれでお酒を造ろう
小麦で造る
大麦で造る
....
光の朝に天高く
突き抜けた青をトンビが舞う
東京郊外にトンビ、飛ぶ!
あの、
高々と大きくのんびりと
旋回しながら舞い飛ぶ姿、
記憶の底から間違いなく
朝の輝きを光源を
よ ....
わたしは生まれながらの嘘つき
嘘泣きをしながら生まれ
嘘泣きに囲まれてこの世を去る
わたしの金属
わたしの針
わたしの金属の針
わたし自身
屋上のわた ....
夕焼けの海辺には
この世の終わりを求める人々が集う
だが終わるのは夕焼けのみで
皆とぼとぼと何処かに散ってゆく
蜘蛛に触れたい
蜘蛛に
あなたの脳に棲みたいと言われたら
空けてあげたい
雀に触れたい
雀に
あなたのうなじに棲みたいと言われたら
開けてあげたい
....
冷たい風、
心を吹き抜ける
ミッキーマウス、
笑ってら
過ぎ去る時の感傷と苦痛、
年の瀬に乗せ
今夜は暖ったまるんだ、
あなたの声に包まれ
優しく激しく、
熱は肉を抱 ....
石化した待合室で蝗が飛ぶのを見た
複眼で分割されたぼくが
次々と風化されてゆく
風の中に散る秋の花があって
単線の枕木は草草に食べられている
薄暮という暗さの中で
祖母の大きな輪郭を覚えて ....
おじいさんの毛糸帽子、
先っちょの球が揺れ
寒さに震える頭が傾ぎ
白い髭に霜降り模様
時の最中を彷徨って
十二月の一日、
青く瞬く街の電飾、
帰郷するには早すぎる
哀悼する ....
僕は寝ながら考えた
「思い上がってはいけない」
「思い上がってはいけない」
呪文のようにとなえた
人にはやさしく自分にもやさしく
見えにくいのは自分の姿だ
毎日よく反省し
自分の言動 ....
北陸電力が
家庭向け45%値上げ申請とは
本当に驚いた!
何か
数字の間違いかと思う程の
凄まじいインパクト
かくして
電力会社の宣伝に乗せられて
オール電化にした人たちは ....
部屋はかなり寒い
氷入りのコーラを飲みながら
シケモクに順番に火をつけて
吸っていたけど
最後の一本を
吸いきってしまったので
明日用に買っておいた
新しいフォルテの封を
切ってしまっ ....
夕べに小雨、
待ち人あらわれず
肉は冷え切り
床に伏し
深い眠りに
底は抜け
聖なる宇宙の
内よりぽっかり
今宵限りと
銀河をわたり
輝く恒星のうた
耳澄まし ....
元気には
少し遠くて
寂しさとは
距離を置いた
前にも
後ろにも
道はあるのに
ここはどこなんだろう
穴の空いた下着でも
歩ける場所なのかな
本当は不安で
いっぱいな ....
胃の中の血が身体中の肉に溶けていくのを感じる。
差し伸べられた手に俺は噛み付いた。
噛みちぎられた指を俺はかまずに呑み込む。
指は食道に引っかかって、俺はひどい痛みを感じる。 ....
朝に雨、やみ
空気、冷気を孕み
熱持つ体、気だるい一歩
人々は駅へと集積し
多淫な花々は身を隠し
岬の断崖に打ち寄せる高波、
泡立つ潮の激したうねり、
通勤快速内の無言の厚化 ....
愛はこわくなる
ぬいぐるみはいいものだから
人の手によるなぐさめ
こころをうばわない
あまく昏いひとみの理想
ここのことばをそこなうって
とおざけられても
しらぬ間にそだつ 雲みたい ....
黒い鳥を探してるんだ
みんなが見たっていうから
どこを探しても
残りがみたいなものばかりで
ひょっとしたら
そんな鳥なんていなかったんじゃないかと
思ったりもし ....
引き
裂
かれた
路傍の草
むっとする湿気
雨 アメリア アメリカナイズ
憂鬱な空は
したり顔した無意味の羅列
その重苦しい隙間から
ぽっかりと
浸出しはじめた
ひとつの ....
雨が
少しばかり
降った夕、
庭の裏手から
ぬっと現れる
太陽、
凝視する
私を笑う
海、
青に黄金に
風は吹き
おまえと向き合い 対峙する
玄明をおもえ
機械ではない というなら
暁のはじまり 風のない
すべてを包みこむ 巨大な闇空
十二月 ひとつの満月
裸足のまま突っ立っていた
....
雑木林の木々から
ひらひらはらはら
葉が舞い落ちる
もう次から次に
舞い落ちる
病院からの帰り道、
バス停に立つ
僕の頭上を
ひらひらはらはら
黄色い群れ、高曇りの空
....
スーパーの広場で夜市行われ子供喜ぶイベントもある
中心街離れた場所に次々とショッピングモール最初だけ混む
お洒落な海岸通り良い風が絶えず吹き抜け居心地がいい
昨日まで暑かったのに急激 ....
記憶を思っている
遠い昔の 景色に見えた
その 見知らぬ国のテーブル席で
通り過ぎる子供たちの姿の前で
僕はちり紙を取り出していた
鼻をかむわけでもなく そして
かむべきちり紙を置いたまま ....
○「ファン」
負けた時に
応援してくれるファンこそ
真のファンだ
○「夫婦愛」
仲のよい老夫婦ほど
幸せに見えるものはない
長年の風雪に耐えた愛が
漂っている
○「滝公園」
....
薄暮に滲んでいく
空の色、哀しいね
今日、無限の空の青
透き通り
たゆたいながら
のがれていく
あおくすきとおるそら
なにかがいる
さっきからさかんに
よぶこえは ....
家族でやっているような小さな部品工場だが
そこの経営者と話をする機会があり
実に稲盛和夫さんばりの経営哲学をお聞きすることができた
「怒ってよいことは何一つない」
「従業員にプライベー ....
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