蒼い夜底の真ん中
白壁の沈黙、ふと途絶え

薄い格子戸開ける女の白手
手招き三度、ゆらゆら揺れる

傷だらけの幼子の抱擁
骨組み晒し、癒されぬまま

格子戸の向こうに開ける界
二体 ....
昼が翻る。

靴が覆る。

夜が、甦るときに。
ひとつの風景の動きが
瓶に詰められてゆるやかに
はっこう、していく

風景は酵母となり詩情とざわめき
月明かりが窓から注がれて神々の手が
攪拌を始めれば乳白色の神話の海になる

言葉に ....
レコードが回り続けて
針の先で掻き混ぜている
コーヒーの湯気と一緒に
誰かを愛した記憶が旅立つ
もう随分と昔の話を
ずっと覚えて来たんだな
フライパンに落とす卵が
ひとつになっても崩れな ....
時間は止まらない
止めてから
後に戻せない

だから
後悔が生まれるんだ

時間はなくならない

人それぞれに与えられた時間が
日々目減りしてはいくけれど

足らない
足らな ....
剥製を買ってオオカミの剥製を飾って
接ぎ目すら感じ取れない毛皮を撫でる
この世は継ぎ接ぎだらけの嘘ばかりだ

おべっかも愛想も
営業スマイルも苦手で
だけれど避けることも
出来ずに皆が笑 ....
見えていないから指先に触れて
輪郭を描く
知りえないものを
自明と思い込み
書き足さなければならない線など
もうないと
絵の具を塗る
好きな色
みなさんにお馴染みの色
私だけに
見 ....
 
 
海水浴場で父を洗っていると
監視員さんがやってきて
ここは海水浴をするところです、と言う
洗っている、といっても
石鹸もシャンプーも使ってないし
水を身体に濡らすところなどは
 ....
わだかまりが
嫌で
夜を歩くのです

わかってもらえない
プライドを捨てて
夜を歩くのです

すべてを終わらせるために
生きてきたわけではない

夜を歩いて
たどり着いたコンビ ....
その二枚か三枚かの舌が造る世界が
あなたには本当なんだとしても
私には無縁の世界で

{引用=窮屈そうな
言葉たちをほどいて
その向こうの空を見る

さよならさえも言えない
あの人は ....
行きの道ばかり考えて来た
あなたが帰る時を知らないまま
白い手紙に色を混ぜる朝
私の気持ちが青空になる 
会えないのに手を振って
目を合わせたような光は
先のことなんて照らさなかった
あ ....
24個の光が
  鼓動する
    キャンバスの上でまわる
それは時間だ


キャンバスの中では
   今日と夕陽が混ざり
      遊び疲れた赤い河が流れる
そして娘の声が空気遠 ....
平安の黄昏に鐘がなる
カラスの恋人は
ひとつの影になる
朱色の柱に漆喰の鳳凰
牛車の轍のあいだに小さな花
明日は踏まれてしまうだろうか
子供たちは雀のように
無邪気に巣に帰る
ひと ....
花咲く音が聞こえたら
それは妖精の歌
花びらに書いた聖書
波のように繰り返す
光る風の笑い声
コラールの旋律
ミツバチは音譜を持って
蜜と交換に出かける
暗闇に蒼白い河原の
小石夥しく静まり返り
流れ動き澄む川は無音
黒く光る水面の異様
恐るべき氾濫を孕み
奥まった沈黙を保つ

決して終わらない不安は
この沈黙という深い謎に
剥き出し ....
  熱を舐める
  終電すぎ 汗のすべりが
  愛の五月蝿さをおしえてくれる
  置いていった本のように心が
  かなしくひかる
  こんなにも
  あなたの
  ばかげた
  世のなかが晴れていた
  ことばが ぼくの目のなかで
  すばやく動いて よくは見えない


  たいくつな愛のように夜がきてほしい
  あなたの胸にいつしか溜 ....
ガラス戸越し縁側に
いろとりどりの風船が
あちこちと横たわっている
今にもふわり浮きそうな
楽しさの余韻
あかいろあおいろきいろ
丸々ふとっちょわははと笑う
膨らませてうーんと膨らませて ....
{引用=モデル}
マネキンのようにスラリとして
颯爽と 人前を歩く
絵画や彫刻の面持ちで
料理を盛る皿よりも大切な役目を担う

 これを着たら
    あなたもわたしのよう

美は憧 ....
しろい朝が明けた

雨粒は身をくねらせ少し困りながら
わたしにアイサインを送った

気がつくと雨粒は雪にかわっていた

てのひらに舞い降りる華 花 はな 雪の花

象形文字のような氷 ....
あの時計は今はもう札幌あたりに
転がっているだろうか

砂浜のボタンがまだ鳥取の近辺で
埋没しているみたいな世紀末

そういえば《少女》を革命するアニメが
20年以上前に流行ったけれ ....
雨のコンパスで描いた唄が
手の甲に乗せた鎖のように
水溜りを増やしていく
半径をどのくらいに広げても
踵に当たるメロディが好きだから
優しい言葉でなぞる世界に
いつの間に追い付けたのかな
 ....
だれかの言葉について考えることが、ぼくにとっての詩だった。

耳を澄ますこと。きみが笑ってみせること。

いつかは消える声がここに届いて、

星の光がすきだと思った。

詩を書くと、あ ....
どうでも良い人は傷つけないのに
いちばん大切な人に傷つけてしまうのは

いまの

の使いかたがおかしいとはおもうけれども
そこは

でいこうと思う

なんども繰り返して
繰り ....
角刈りの雲が流れていく
左折すると見えなくなったが
あれは建物などでは決してなく
夕空をゆく
角刈りの角刈りの角刈りの雲であった
底冷えする
夜に横たわり
祈っている
迫る闇が咆哮し
幾つもの夢が朽ちるとき、
心の奥処の祭壇に
火を絶やすことなく
灯して、灯して

)不眠の夜を透過する
)純白の雪を待ちながら ....
また夜になり
今日という日をカウントする

)お隣さんは明日で四十一、だという
)いただきます、いただきます
)白壁越しにやり取りして

カウントする先から
磨り減っていく肉身に
明 ....
光というのは相対的で
今まで光であったものが
新たなより明るい光の登場によって
影になるので
光にもヒエラルキーがあって大変だ
明るい部屋で机の
電気スタンドを点けると
それまでは影でな ....
かなしみの
青が降る
透明、
ただ透明に
なっていく
己の体
幾億もの幾兆もの者達が通った道
途、未知、溢れ
枯れ果て、移行する
闇の光の奥の
ふるふる震え揺れ
時の ....
私が初めて付けた口紅
まだ子供の頃だったのに
あれから少しも減っていなくて
お母さんどこへも連れて行って
貰えなかったのかな
確かお父さんが空港の免税店で
買って来てくれたもの
きっと大 ....
大町綾音さんのおすすめリスト(4593)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜底- ひだかた ...自由詩5*20-1-20
明日- 水宮うみ自由詩4*20-1-20
風景を食む- 帆場蔵人自由詩7*20-1-20
グッドモーニング- ミナト ...自由詩220-1-20
時間が足らない- こたきひ ...自由詩520-1-20
ツギハギだらけ- 帆場蔵人自由詩120-1-20
着色- Lucy自由詩8*20-1-19
父洗い- たもつ自由詩620-1-19
夜を歩く- 立見春香自由詩820-1-19
鏡(回折格子、格子)- AB(な ...自由詩3*20-1-19
片道書簡- ミナト ...自由詩2*20-1-19
キャンバス- フリーダ ...自由詩420-1-19
月の薬- 丘白月自由詩220-1-18
春の楽譜- 丘白月自由詩120-1-18
露呈(改訂)- ひだかた ...自由詩420-1-18
舐める- 草野春心自由詩3*20-1-18
泥水- 草野春心自由詩220-1-18
風船いろいろ- 灰泥軽茶自由詩320-1-18
点の誘い・線の思惑_ニ- ただのみ ...自由詩7*20-1-18
雨と雪のストーリー- あおいみ ...自由詩320-1-18
瞳の行方- 秋葉竹自由詩820-1-18
雨のコンパス- ミナト ...自由詩220-1-18
詩と- 水宮うみ自由詩3*20-1-18
いちばん- 次代作吾自由詩220-1-18
角刈りの雲- mmnkt自由詩220-1-17
- ひだかた ...自由詩820-1-17
カウント- ひだかた ...自由詩4+20-1-16
光って相対的- mmnkt自由詩120-1-16
青の部屋(改訂)- ひだかた ...自由詩520-1-16
遺品- ミナト ...自由詩220-1-16

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