ランチにはならない午後に
食べた
優しい人のサンドウィッチ
トマトとレタス、ちょっと多めのマスタード
が好きだった
歩く速度が速い人だった
未知の世界に憧れて
いつも静かに笑 ....
雪が舞っている
街の電飾に輝き
通りの向こうから駆けてくる
子供は身を躍らせ
向かいのコンビニで手を振る
老婆の萎びた顔が切なくて
手のひらに収めた雪を投げ入れる
白い空間 ....
年は取りたくないと思っても
年は確実に取る
年を取ること
水が流れるがごとく
年は取っても
健康であればいいと思っても
老化や病気からのがれられる人なし
日が西へ沈むがごとく
....
曇天の
陽射しなき寒さ
震えている
雪ももうすぐ降るらしい
白く冴え渡るわたしの意識の
行く末を見届ける者はいない
○「老化」
体は日々老化していく
心は日々落ち着いていく
○「情報過多」
情報過多による消化不良
○「おしゃべり」
会話ではなく
舌を動かしていないと
淋しいから
ばあちゃん ....
ちいさなお菓子をあげる
新しい味の甘いクッキー
舌も心も蕩けるように
しあわせな喜びが味わえる
ちいさな美味しい
新しい甘さの
そんなわたしの手作りクッキー
わたしに ....
突き破る、一月の低気圧
のっそりと爆弾抱え
明日は雪
ぽかんとひとり
動かない青空を 見ている
人の人の波が群れが
皆ぞれぞれの方角を向き
時々それが出逢い擦れ合い
火花を目映く飛ばしても
漁火の夢のようにすぐ消えてしまう
僕は一人だ
この人群れの中にいて
砂漠の深淵のような
....
タチアナ
灰色の軍事博物館の
白黒の写真の向こうで
微笑む若い女の名前
重苦しいくすんだ
軍服を着ていても
その笑顔だけは
すげ替えたかのように明るい
タチアナ
は
戦場で死ん ....
ねぇ先生
(先生じゃなくて講師だけどね)
「無邪気」って言ってみて
むじゃき
じゃぁ先生
(講師なんだけどってまぁいっか)
「無邪気」って五回続けて言ってみて
むじゃき ....
わけもなくしんどくて
ベッドに沈んだままの休日
気だるく甘美な死を思う
(緑の芝生にいつしか立って
思い思いに踊っている
私たちはたださみしいのだ)
ふるさとを遠く後にして
毎 ....
西の空に日は落ちて
仄かに明るむ茜色
富士は勇姿を際立たせ
沈む地平に黒々と
聳える巨大なシルエット
すべて静寂に包まれて
遥かな距離を落ちていく
わたしもあなたも別々に
この ....
○「子どもパワー」
姪が7人の子どもたちと一緒に
遊びに来た
二人暮らしの家の中が
早春の光のように明るく賑やかになった
○「親子ゲーム依存」
親がゲームを楽しむために
子どもたちに ....
青空よりもしずかな黄昏が好き
パンケーキ、ファストフードで休日昼間あなたと
美味しくなくても良い、けど美味しい
人並みになれなかった振り返ればどこ ....
メッセンジャーが駆けて来て
身の置き場を探す
冷えきった朝
荘厳な音楽が鳴り響き
いずれ復讐される
そんな予感に浸され
一心不乱にステップを踏む
乾いた打擲音
連打されるスネア
....
濡れた手で鏡に描いたグッドバイ
別れずに心を誤魔化し生きてきた
もうみることもない、あなたの涙の跡
《悲しみ》を無視する死ぬまで無視をする
....
床暖房に腹ばいで熱燗を飲んでいる
外は激しい吹雪
絵の具の花の赤い一行が見えた
わたしの一番小さいマトリョシカは神隠しにあったまま
帰らない
夜の袋にしまわれたまま
アカシアの棘 ....
正月や 今年もマスク顔 タイガーマスク
正月や 体調よし 天気よし 女房の機嫌よし
正月や 一通のメールも来ず
正月や テレビが面白くない
正月や 何回も見た映画やっている
....
青空が広がり
底無しの彼方が口を開く
眩暈する、
シンギュラリティが地平に
(ああ、右手の老婆と左手の子供
ハンドルをどちらかに切らなければならないとしたら?)
海百合が揺れ
....
2022年の元旦
いつものように
「今年の目標」を書いた
11項目書いた
書いて壁にはった
年を取っても
目標は大事だ
世の中いろいろ騒がしいが
結局は置かれた状況の中で
どう生きる ....
時折
君の身体から星が発生した
君はいつもそれを
無造作に僕にくれた
――君は星が好きだから
そう云って微笑っていた
何故身体から星が発生するのか
君自身も知らなかった
――何故だ ....
ワンワンと走る一月一日に
ドーナッツ どうなったって 遠い夏
ドレミは逸らし 奴隷の身はソラらしい
文末の先で生まれる未来の木
お正月だけどまだトンネル抜けずに
馬ッ鹿みたいになやんでいる
生きることにさえもはや真剣に悩んでいる
忘れられない鼓動を感じる心臓を持って
忘れられない夜をいつまでも覚えていて ....
嘘が本当を含んでいた
感情論に任せた自らを責めても
雪は降り積もる
白い世界に
雑言ぽつり
(この雪が根雪になればいいのに)
嘘に蓋をして
忘れた頃に芽吹く
泥にまみれ ....
「自殺したい!」
「人を殺したい!」
と強く思った時に
「110」や「119」などで
すぐに駆けつけて対応してくれる仕組みが
必要ではないだろうか
死にたくなったら「000」番へ
人 ....
僕達は此処にいる
この川に隔てられ
君と僕、大空の下
絶え間なく落ち続ける
洋上で過ごすように日がな一日
此処で待ち続け絶えず思い出し損ねる
なぜ僕達はやって来たのか
なぜ僕達は此処 ....
○「あと三日」
今年もあと三日
どうやって過ごそうかな
ほんとに正月が来るの?という感じ
オミクロンでめでたさも万分の一というところかな
○「クリスマス」
孫たちは
「メリークリスマ ....
「独り言」
独り言を書くと
なぜかほっとする
僕はボケ防止と生きている証しに
独り言を書く
○「物事」
物事は大きな視野で見なければいけない
地球温暖化などはいい例である
○「 ....
ちょっとやり過ぎじゃないかい
下界は大雪で
いろんなところが雪で埋まって
大変な事になってるよ
と
分厚い雪雲に
すっかり隠されて
不機嫌になった青空が
雪雲に言いがかりを ....
あんなに好きだった人を
今では角砂糖の中に隠して
崩れるのを待っている
いつまでも
答えをくれないから
名前の知らない花を
見つめていた
怒られるより
怒らせたこと
同 ....
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