黄色いクラゲ
夜空に飛んで
ひとつ
ふたつ
月の真似して
みっつ
よっつ
しぼんだ心に
手あてしてくれる
綿菓子屋が月夜に開く
小枝に星を吊るして並べ
ザラメ雪を運ぶ妖精
白い綿菓子がゆっくりと
そしてだんだん速く
一本の命で絡め取られていく
甘いけれど溶けるのも早い
雪の森の綿菓子屋に ....
別れの落ち葉を噛んだ秋は遠く
森に落ちる琴の調べは
雪の精の水紋にも似た鼓動
遠く離れた大好きな人は
同じ空の違う色を見てる
雪の船の航路を見てる
雲のすき間にある港で
乗り ....
3日前に言った「しあさってはクリスマスのひと月まえ」って、
あれ、おかしかったよねー。
あッ!
って、おもったでしょ?
私は、たった今、おもった。
あッ、今日、ひと月 ....
雨水の溜まったバケツに
虫がいた
夏の暑い日だったから
乾いていたのだろう
草で突っついたり
波を立たせて
私は遊んだ
次の日
虫は死んでいた
バケツの中で
私が遊ばず
外 ....
恋人が急によそよそしくなる
友人の目がすぐ伏せてしまう
上司が理由もなく怒り始める
百貨店にいくと本日臨時休業
昼食の店はぴったりいっぱい
生憎その巻だけ切れてまして
チラシ配りが僕だけく ....
両祖父とも僕の初恋を待たずして逝ってしまった。
父とは出来ない色んな話、3人でしてみたかったなぁ。
剥き出されている
神経は逆立ち
風雨に鳥肌立つ
紅の樹木は激しく波打ち
瞳をくりくりと輝かせた
木登り少女は姿を消した
何にもない、何もない
意味は全て剥奪され
記号だけがひょ ....
呼吸の出口を塞ごうとした
その光でもあの背中でも
届かなかったと悔やむ間もなく
踵が地面を嫌がっている
誰かのリュックで飛べるほど軽い
夢を抱えても笑わないでね
次のペ ....
鎖に繋がれたオスの犬
どこからかあらわれたメスの犬
二匹は発情していた
日は山の向こう側に沈んで
家もその周辺も黄昏ていた
小学校の終わる頃だったか
中学校に入った頃だったか
....
名残りおしそうに
山々を赤黄橙に染めながら
秋が去ろうとしている
いわし雲を飾った
高く澄む青空の舞台に
赤トンボが舞い
やがて北風が
冬をつれて来るまでの
ささやかな ....
やさしさなんて見えないほうがいい
金ピカのやさしさもおいしいやさしさもいらない
体の中を透き通る様なやさしさがいい
問い返すたびに僕が増えてゆく
ジミヘンのファズノイズでもあるまいに
あるいはピンクフロイドのエコーズ
探す程に海は深く遠く風ばかりが吹いている
僕のこころの荒涼が優しく増殖してゆく
....
苦行とは、なにをもって苦行にも値するのだろうか
ほんとうの苦しみとは如何なる場合を指し示すのか
またよろこびとは、救われることのみにおいて真実なのだろうか。
他者とは己自身とは
何気な ....
星が舞う。
ような気のする冬空に
赤や黄色や青の、花火よ。
爪を砥ぐ。
まるで刃物の冷たさを
こころに刻んでいる、冬の夜。
夢のあと、
楽しいパーティで出 ....
べつに嫌いだとか
そんなことではないのです。
なんだか可笑しすぎて
笑いすぎて苦しくて、涙が出てきます。
しっかし、寒いなぁ、
カラダだけならまだいいんだけどね、
ココロま ....
千切れ雲広がる
夕空を
ベランダから眺めている、
私はすっかり空洞だ
目を閉じると
銀の粒子が飛び跳ねて
網膜に映る六角形
ゆらりゆらりと
眼窩を舞う
)壊れていく、壊れていく
....
誕生から 過ぎ去りし日々 あまりに
早かったね
そのほとんどを 自分のためにではなく
使い果たして 人は逝く
磨耗 という言葉 なんだかな ぴったりだな
焦燥して ....
フローリングに寝転がり
爆発する太陽を浴びる
降って来る光の洪水は
世界のすべてを肯定し
温め熱し燃やし尽くす
)否、否、否
)肯、肯、肯
)越えて超えて!
病に苦しむ己も
....
昔からコッペパン食べるとコペンハーゲン行きたくなる。
小4の秋、昼休みに裏門から脱走したのも、きっとそのせい。
紅茶山に陽が隠れて
キャンプを張るには少し肌寒い夜だった。
焚き火の根元をいじってるとムスコが問いかけてきたのだ。
(ねえ、法王様と天皇様ってどっちが偉いの?
枯れ枝で炭の棒を探る、こすり ....
まだ、会える可能性があったとき、このワンピースを作ろうと思い立った。
その勢いでクレジットカード決済で、この布を買った。型紙も買った。
そして、1か月以上放置し、裁断してあったものを昨日今日で形に ....
悲しみだけが
おれの人生なのさ、とか
くっだらない
愚痴こぼして、
ホントにそうなの?
そこにあたしは、いないの?
忘れてもいい不幸なんて
いっぱいいっぱい、あるよね ....
玄関のドアを開けると雨の音がした
アスファルトは濡れていなかった
中空を見ても降っているものはない
存在しない雨を不思議がっていると
中空の先に樹木があり
葉が風に吹かれ擦れていて
この音 ....
握った拳で
光が折れる
俺はいま
障害物になって
誰の視線でも
強く感じる
なぁ信号機
お前の心は
矢印なんかじゃ
曲がりはしない
真っ直ぐに立って
その痛みだけを
....
イートインに
午後の光が射し込んで
私はのんびりコーヒーを啜っている
いつまでこうしていられるのだろうかと
心の隅では考えながら
それでも柔らかな陽射しに包まれて
身も心もうっとりと
今 ....
異国のバーバーで髭を剃ってもらうのが夢です。
僕の髭はその為に生まれ、その日を夢見て生え揃う。
雲梯にぶらさがっていた君たちは
いつか僕の子供でも仲間でも家族でさえも無くなって
風はきっと順番にあらたな名前を生み出してゆくのだろう
忘れ去られる恋人達にもせめて懐かしい墓碑銘を
そ ....
めらめらと陽炎揺れる繁華街欲望勝手に走り出す
黒和服凛々しき姿は美しく遺影を抱いて霊柩車
眼を病んで片方失う人からの電話着信明るいメロディ
黒髪が老いて衰え真っ白に姉の青春今何処なり ....
似非俳句詠んでこの世に唾を吐く
冬枯れに空は哭かないカラス鳴く
渡らない鳥が飛んでる俺阿呆
耳鳴りは老化の証し蝉がなく
軟骨が擦れて痛むよ朝夕に
老化した心と体湯に沈め
....
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